http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/317.html
Tweet |
企業、国債敬遠し預金へ
4月末11%増、最大の伸び マイナス金利影響、銀行収益を圧迫
企業の資金が預金にシフトしている。日銀によると、法人預金は4月末に225兆円と前年同月比11%増えた。金融危機だった1999年を抜き、統計開始以来で最大の伸び。トヨタ自動車が定期預金を1兆円超に増やすなど、業界大手の積み増しが目立つ。日銀のマイナス金利政策で手元資金での国債運用が難しくなったとみられ、預金が集まった銀行も対応に苦慮している。
日銀によると、一般法人の預金は5月末も220兆円と前年同月を7%上回った。4〜5月の個人預金が435兆円程度と、1%増にとどまっているのとは対照的だ。企業はこれまで、先行きの不透明感からリスク回避の姿勢を強め、比較的安全とされる国債に資金を回してきた。マイナス金利で国債から預金へのシフトを進めたもようだ。
2015年度末の全上場企業の財務諸表を集計したところ、業種別では自動車産業の預金増が突出。10.7兆円と1年で3割も増えた。とりわけトヨタの預金は1年前の2.4兆円から今年3月末は3.9兆円に急増。内訳をみると、近年1千億〜2千億円で推移していた定期預金が一気に1兆円を突破した。
トヨタは「国債の金利がマイナスになったため、手持ちの国債が償還時期を迎えても再投資せず、預金に置いている」という。4月の熊本地震で工場が停止するなどしたため、災害など緊急時に備え、一定の資金を保有することにしているもようだ。
ほかには小売業(前年度末比14%増)、不動産(23%増)、石油(49%増)、ガス(57%増)で預金増が顕著だった。
セブン&アイ・ホールディングスは0.9兆円から1.1兆円に、三菱地所も0.2兆円から0.4兆円に増やした。東京ガスは864億円から1702億円となった。いずれもこの1年での伸びが突出し、代わりに有価証券の保有残高が減っている。
「企業は先行きに不安を抱えており、金融緩和をしても成長投資に資金を振り向けていない」(メガバンク首脳)。日銀はマイナス金利で貯蓄から投資へのシフトを期待したが、低金利が長く続いたこともあって、金利面で投資意欲を刺激する効果が薄まっている。
預金が集中する銀行も急激な資金流入に警戒感を募らせている。企業向けを含め、預金にマイナス金利を適用できずにいるため、企業はマイナス金利の国債投資よりも預金を選ぶ。その結果、銀行は日銀当座預金が増え、日銀への利払い負担が増えかねない状況に追い込まれている。
[日経新聞7月22日朝刊P.5]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民111掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。