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セブン&アイ・ホールディングス本社(「Wikipedia」より/Kentin)
セブン&アイの「深刻な難題」ニッセン、債務超過寸前で解体が現実味…買収は完全に失敗
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16010.html
2016.07.24 文=編集部 Business Journal
すったもんだのお家騒動の末、井阪隆一氏が5月26日の株主総会後にセブン&アイ・ホールディングス(HD)の社長に就いた。社長就任後の最初の決算は深刻な難題をあらためて浮き彫りにした。
セブン&アイHDの2016年3〜5月期連結決算は、営業利益が前年同期比0.5%減の814億円だった。市場コンセンサス(840億円台)を下回り、株価は年初来の安値に沈んだ。
主力のセブン-イレブン・ジャパンなどのコンビニエンスストア事業は4.2%の増益、セブン銀行などの金融関連事業も10.6%増と増益を確保したが、そのほかの事業は相変わらず冴えない。
そごう・西武の百貨店事業の営業損益は10億円の赤字。赤字幅は前年同期の9200万円から大きく膨らんだ。今年9月末に、そごう柏店(千葉県柏市)と西武旭川店(北海道旭川市)の2店舗を閉鎖する計画だ。
百貨店と並んでセブン&アイHDの悩みの種となっているイトーヨーカ堂などのスーパーストア事業は、8.1%の増益を確保したものの本格的な復活にはほど遠い。
最も深刻なのが通信販売事業である。営業赤字は前年同期の27億円から29億円に増加した。カタログ通販子会社のニッセンホールディングス(HD)は昨年、カタログの発行回数を8回から5回に減らしたほか、今年からは商品の品質や価格構成を見直した。それでも赤字経営が続き立て直しの道筋が見えてこない。
■カタログ通販のニッセンは16カ月連続のマイナス
ニッセンHDの16年12月期第1四半期(15年12月21日〜16年3月20日)の連結売上高は前年同期比29.2%減の264億円、営業損益は29億円の赤字(前年同期は27億円の赤字)、最終損益は25億円の赤字(同24億円の赤字)だった。
15年12月期の最終損益は133億円の赤字(その前の期は85億円の赤字)で3期連続の最終赤字となった。インターネットへの対応の遅れに加え、販売促進費の抑制で新規顧客の獲得もできなかった。
15年12月期の決算短信から「継続企業の前提に関する重要事象等」が記載された。企業の継続に黄信号が灯っていると、あずさ監査法人が投資家に注意を促したわけだ。セブン&アイHDの監査法人も、あずさである。
ニッセンHDの純資産は15年12月期末に58億円あったが、16年12月期の第1四半期末には24億円に減少した。債務超過に転落するのは時間の問題との見方も強く、赤信号が点滅する寸前にある。
今年1月発行分から主力のカタログを刷新した。これまで低価格商品を売りとしてきたが、より利幅の大きい高付加価値の品揃えを増やした。だが、カタログを刷新した効果は数字には見えてこない。
ニッセンHDの主要事業会社であるニッセンの売り上げは、16年5月まで16カ月連続でマイナスを記録した。底なし沼にはまった状態だ。
【ニッセンの売上高の対前年同月比増減率】(単位%)
16年1月 ▲33.6
2月 ▲42.0
3月 ▲51.4
4月 ▲35.5
5月 ▲40.8
(資料:ニッセンHDの月次売上概況のうち事業会社ニッセンの分。▲印はマイナス)
■ニッセンHDは完全子会社にして解体か
井阪氏は記者会見を開き「グループの具体的戦略を策定するため、100日を目安に重点課題を洗い出す」と述べ、グループの新たな構造改革案を早期に打ち出す方針を明らかにした。
井阪氏は持ち株会社のトップとして150の事業会社を束ねる。8月末から9月初旬をメドに「グループの成長戦略と構造改革を練り上げて公表する」という。焦点は業績不振のグループ企業の抜本的なリストラ策だ。
「物言う株主」の米投資ファンド、サード・ポイントは今年3月、イトーヨーカ堂、そごう・西武の事業縮小やグループからの切り離しを求めた。この要求に対する回答が構造改革案で示されることになるのか。
ニッセンHDには踏み込んだリストラが実行される可能性が高い。ニッセンHDが債務超過になれば、それを解消するためにセブン&アイHDが増資を引き受けるしかないが、増資を引き受けるためには経営再建のメドを立てなければならない。
一気にニッセンHDの幕引きを図ることも十分あり得る。その場合のウルトラCは、セブン&アイHDが株式公開買い付けを行い、完全子会社にすることだ。そしてカタログ通販をやめ、ニッセンの解体を進めるというのが現実的な方策だろう。
ニッセンHDの株価は16年上半期(1〜6月)に182円(15年12月30日)から88円(16年6月30日)へと下げた。下落率は51.6%で、東証1部でワースト11である。
■ニッセンHDがセブン-イレブンと共同販促
7月15日からニッセンHDはセブン-イレブンと共同販促を始めた。セブン-イレブンの店頭で販促の対象となる飲料を買うとニッセンのインターネット通販で割引が受けられる。ニッセンの通販で買い物をするとセブン-イレブンで使える飲料の無料引換券がもらえる。
新規客の獲得につなげたいとしているが、セブン-イレブン側に腰が入っていない。焼け石に水の効果しかないだろう。
■ニッセンは鈴木敏文氏の息子のオモチャ?
ニッセンHDは14年1月にセブン&アイHDの傘下に入った。セブン&アイHDの最高実力者、鈴木敏文会長(当時)がオムニチャネルを推進するために子会社に組み入れた。ネット通販と実店舗を融合させるオムニチャネル戦略を提唱する息子の鈴木康弘氏のために、ニッセンを買い与えたと陰口を叩かれた。
敏文氏は会長退任後、いくつかの媒体でインタビューに応じ、「息子を後継者にする気などなかった。後継者は決めていた」と繰り返しているが、信じる向きは少ない。
ニッセンHDの買収は完全に失敗だった。通販市場は急成長が続くが、牽引役はネット通販だ。アマゾンジャパンは膨張を続け、15年の売上高は前年比19%増の1兆円に達した。
「負け組」の代表がカタログ通販だ。ネット通販に浸食され、長期低落に歯止めがかからない。
セブン&アイHDは15年11月に通販サイト「omni7(オムニセブン)」を本格稼働したが、ニッセンの商品は扱っていない。ニッセンはオムニセブンから外されたのだ。ニッセンHDをグループから切り離すことを前提にした措置だとの見方をする向きも多い。
井坂氏がニッセンHDの解体に踏み込めば、“脱鈴木敏文”路線の第1弾となる。
(文=編集部)
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