http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/245.html
Tweet |
「高齢社 HP」より
入社条件は60歳以上のスゴい会社!顧客から人気殺到、社員も自由な働き方でイキイキ
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16001.html
2016.07.24 文=小野貴史/経済ジャーナリスト Business Journal
加齢に伴い医療費の支払いが増えるにもかかわらず、年金の給付額が減少傾向をたどる時勢にあって、60歳を迎えて以降も働いてお金を稼ぎたいと考える人も多い。
定年退職した60歳以上の人材を派遣している高齢社(東京都千代田区)の登録者も、年金を併用した収入確保が就労の動機のようだ。高齢社には750人が登録し、350人が派遣されている。週3日程度働いて月8〜10万円の収入を得るのが標準的なパターンだが、週5日働いて月15万円以上の収入を得る人材もいるという。
登録者の平均年齢は69.4歳で、最高齢は82歳である。この数字は、内閣府「平成28年版高齢社会白書」に掲載された調査結果にも符合する。60歳以上を対象に何歳まで働きたいかを調査したところ、最も多かったのは「働けるうちはいつまでも」で28.9%。次いで多かったのは「65歳くらい」「70歳くらい」で、ともに16.6%だった。
働きたい理由で「収入がほしい」(49%)が最も多かったことは、貯金も十分とは思えず、年金以外の収入を求めていることを示唆している。国の財源不足による社会保障費の抑制策が、この傾向に拍車をかけることは明白である。すでに高齢社は多くのメディアに取り上げられ有名だが、企業の人材不足も相まって、さらに人材と企業の双方から頼られる存在となりつつある。
■心構えを徹底
高齢社の強みは、人材の供給元と派遣先のいずれにおいても、東京ガスグループを“経済圏”として活用していることにある。登録人材も70〜80%が東京ガスグループOBで、派遣先もやはり70〜80%がグループ企業である。代表取締役社長の緒形憲氏は、「人材派遣ビジネスを軌道に乗せるには、キーになる企業が必要でしょう」と述べるが、高齢社はグループを活用して事業基盤を安定させた。2010年以降の年間売上高を見ても、多少の波はあるものの、ほぼ5億円で推移している。
「グループ各社には営業に訪問していますが、登録人材は各社のOB会から紹介されることが多い。各社ともOB会がしっかりとしていて、すでに登録している人がOB会で『いっしょに働かないか?』と勧誘してくれているのです。紹介なら能力や人柄について当社も安心できます。登録が決まれば紹介者には報奨金を差し上げています」(緒形氏)
高齢社は登録者には収入と生きがいを提供するだけでなく、2〜3人によるワークシェア、フォローアップ研修、懇親会などを通じて長く働き続けられるバックアップ体制を整備している。派遣先企業のメリットは公的資格保有者や専門技術者を活用できるうえに、日曜祝日の勤務にも、割増賃金なしに労働力を確保できること。高齢化、年金給付額の削減、人手不足という社会的な課題に、包括的に取り組んでいるのである。
創業者の上田研二氏(現最高顧問)は、東京ガス在籍時に協力会社の再建に携わり、点検試験業者探しに奔走する状況を目の当たりにして、定年退職者の派遣ニーズを確信したという。2000年1月に高齢社を設立して、新築マンション落成時の給湯器点火試験、ガス機器点検業務、名刺印刷などをメインに事業をスタートさせた。現在の受託業務は約60種類に及び、ガスメーター閉栓、独身寮の住込み管理、マンション内覧会でのガス設備説明、総合設備施工、運転助手・家電機器修理補助、ガス料金収納促進、管理物件室内検査などの受託件数が多い。
派遣する前には1日をかけて研修を実施して「たとえ上長がかつての部下でも『さん』付けで。現役時代の職位・資格は言わない」「過去の成功談(自慢話)は言わない。派遣先社員には教えていただくという姿勢で」など心構えを徹底させている。緒形氏は「派遣する人材に求められるのは協調性とコミュニケーション能力です」と、シンプルだが絶対的な要件を指摘する。
あるべき人材像も明文化している。「言葉で人を導く人尊し 働く姿で人を導く人さらに尊し 後姿で人を導く人もっとも尊し」。現役世代の手本になることを求めているのだ。
■カギは登録人材の新陳代謝
ミスマッチはないのだろうか。派遣先から要員の交代を要求される理由で最も多いのは、パソコン操作能力の欠如である。
「職務経歴書にはパソコンを操作できると書いてあっても、左右の人差し指だけで入力している状態だと、派遣先ではパソコンを操作できるとは見なしてもらえません。ブラインドタッチまでは要求されませんが、人差し指入力しかできないと、派遣先からは交代を要求されることがあるのです」(緒形氏)
一方、これは東京ガスグループ以外の派遣先で発生する問題だが、業務内容や勤務時間などが求人条件と異なり、クレームの対象になることもあるという。
もうひとつ、高齢社にとって重要なテーマは登録人材の新陳代謝である。改正高年齢者雇用安定法によって、2013年4月から65歳までの雇用が義務付けられ、その後70歳まで再雇用する企業も増え始めた。人材市場への供給が細ってゆくことも懸念されよう。緒形氏は「登録人材の年齢を引き下げることも考えられますが、いずれにしろ登録人材の確保が高齢社の基盤であることに変わりはありません」と言っている。
高齢世代への仕事の提供は、大きくは社会の活力を引き出す。
「健康だから働くのではなく、働くから健康なのです。高齢になっても働いている人は見た目も若々しい。仕事を通じて社会での役割を持つことは大切だと思います」
そう語る緒形氏は67歳というが、精悍でキビキビとした雰囲気に満ちて、やはり若々しい。
(文=小野貴史/経済ジャーナリスト)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民111掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。