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米経済「ゼロサム論」が台頭 ENLARGE
共和党の今年の政策綱領は「失業者数が警戒水準」に達しているため、年間100万人を超える不法移民の受け入れは「擁護できない」と記している PHOTO: DAVID RYDER/REUTERS
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GREG IP
2016 年 7 月 22 日 13:12 JST
米共和党の今年の政策綱領に記されたある文章は、現在の政治情勢をよく言い表している。それは「大規模な貿易赤字は米経済にとって重要ではない」という一文だ。
実際のところ、貿易赤字の規模は2008年と2012年の方が大きかったが、両年の共和党政策綱領で貿易赤字に関する言及はなかった。輸出と輸入のどちらも米国民に恩恵をもたらし、両者が均衡しているかはそれほど重要ではない、との認識が背景にあるのかもしれない。
だが、共和党の大統領候補に正式に指名されたドナルド・トランプ氏の主張は、貿易や経済に関する共和党の伝統的な考えと一線を画す。同氏は貿易と経済について、誰もが勝者になれる協力形態ではなく、誰かが勝つためには誰かが負けなくてはならない競争とみなしている。同氏は先月、「既に貿易戦争が始まっており、米国は大敗している」と言い切った。
経済を冷酷なゼロサムゲームと受け止めているのはトランプ氏だけではない。民主党の活動家も同じだ。民主党の今年の政策綱領には、99%の国民を犠牲にして1%の国民に利するよう経済が「操作」されていると記されている。
両党は、所得を拡大する方法ではなくその配分方法に焦点を移すことで、現実に対応していると考えている。昨今の有権者は米経済が大きく成長するとはみていない。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースが2014年に共同で実施した世論調査によると、自分たちよりも子供の世代の方が暮らしぶりは悪くなると回答した割合は76%と、25年ぶりの高水準に達した。理論的には、他人にとられた物を取り返すと約束する候補者よりも経済成長を約束する候補者の方が、有権者から支持を得られるはずだ。
だが、民主・共和両党の熱烈な支持者らは、有権者の幻滅ぶりを伝え広めるだけでなく、米経済の病を治すこともなければ有権者の希望をかなえることさえない優先事項を追求するため、そうした幻滅をあおってもいる。
(上)米国の有権者を対象にした調査では、自分たちよりも子供の世代の方が暮らしぶりは悪くなるとの回答が多かった、(左下)移民はマイナス面よりプラス面が多いとの回答が多かった、(右下)自由貿易は「悪い」より「良い」との回答が多かった
https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CK894_CAPACC_16U_20160720120913.jpg
民主党支持者は「所得配分」と「貧困」が常に頭の中を占める。それでも、ビル・クリントン元大統領の時代には、中間所得層にとって最も効果的な刺激策が経済成長であることを受け入れるようになった。民主党の1992年の政策綱領には「経済の繁栄、強固な製造基盤、そして創造的な新興企業の成長以外に(中略)米国の人や社会の差し迫った需要を満たすことができるものはない」と記されていた。
民主党の大統領候補指名を確実にしたヒラリー・クリントン氏はつい昨年、「成長している公平な経済」と題した講演を行った。「成長」の後に「公平」が来ているところがポイントだ。
「民主社会主義者」を標榜(ひょうぼう)するバーニ−・サンダース上院議員がクリントン氏との指名争いからなかなか撤退しなかったことは、民主党支持者が経済成長よりも公平さを憂慮していることを浮き彫りにしている。クリントン元大統領の顧問を務めたブルッキングス研究所のビル・ガルストン氏は、サンダース氏の支持者らが深く関与した今年の政策綱領案に経済成長に関する数値がいかに少なかったか指摘している。
事実、今年の綱領案の中で「経済成長」ないし「雇用拡大」に言及したのはわずか7回で、2012年の政策綱領の12回を下回った。一方、「不平等」ないし「貧富の格差」は11回で、12年の2回から増えた。綱領案には、最低賃金を現在の2倍超の15ドルへ引き上げることも盛り込まれた。これについては民主党寄りの経済学者でさえ未熟練雇用に悪影響が及ぶと懸念している。さらに、金融取引税の導入や富裕層・企業への増税を提案している。これを拡充した多くの社会プログラムの財源に充て、格差の是正を図るという。
言うまでもないが、党綱領の実際的な意義には疑問符が付く。党綱領は原則を表現するもので、大統領に対する拘束力はない。クリントン氏が当初から掲げていなかった政策を実現するために戦う公算は小さい。共和党議員が下院の過半数を制するとみられる情勢では特にそうだろう。
トランプ氏の場合は話が変わってくる。かつての共和党と決別しようとしているのは党の活動家ではなく、トランプ氏だからだ。共和党員はこの数十年間、ロナルド・レーガン元大統領の自由市場や自由貿易に関する単純な楽観論にインスピレーションを得ていた。1980年の綱領は「国内での最も重要な目標は、経済成長とインフレなき完全雇用というシンプルなものだ」とし、貿易については「保護貿易主義的な関税や割当は経済の繁栄にとって有害」と警告していた。
こうした楽観論は、ポール・ライアン下院議長といった共和党主流派の間で生き続けている。トランプ氏は実業家として「成功は往々にしてサプライヤーや金融機関、パートナーを犠牲にして成り立つ」との考えを確立し、これを選挙戦に持ち込んだ。トランプ氏は経済も同じようなもので、誰かが勝者になれば誰かが敗者になると考えている。同氏は先月、他国との貿易拡大について、「彼らは拡大し、米国では失業者が増える」との見方を示した。
トランプ氏は不法移民も米国民の職を奪っているとの立場だ。共和党は従来、経済成長を促進するには移民の受け入れを拡大すべきとの立場だったが、トランプ氏の主張がこれに取って代わった。今年の綱領は「失業者数が警戒水準」に達しているため、年間100万人を超える不法移民の受け入れは「擁護できない」と記している。
クリントン氏と異なり、トランプ氏は野党に部分的に支配された議会と相対することはないかもしれない。同じ共和党の議員らの妨害を受けた場合でも、貿易や移民に関しては議会の関与がなくても同氏はほぼ望み通りのことを実現できる。
もっとも、貿易が縮小し不法移民も減少すれば、米国の経済成長や平均的な労働者にとってはプラスになるどころかマイナスとなる。しかも、中間層の有権者はそれを分かっているようだ。WSJとNBCの共同世論調査によると、自由貿易について「賛成」が「反対」を大きく上回った。一方、移民に関しては、民主党支持者と無党派層の間で「賛成」の割合が増えつつある(共和党支持者の間では低いまま)。有権者は不平等よりも、自らの懐具合が良くなるかをはるかに心配している。
民主・共和両党が「経済には勝者と敗者がつきもの」と訴えることで熱烈な支持者を獲得している年に、大半の米国民は「誰もが勝者になれる」とまだ考えているというのは、何と皮肉だ。
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アングル:米企業決算に英EU離脱の影、影響読みきれず
[サンフランシスコ/ニューヨーク 22日 ロイター] - 米国企業は、ブレグジット(英国のEU離脱)決定後初の決算発表シーズンを迎えているが、これまでのところ、ブレグジットが業績の重しとなるリスクを認める企業が目立っている。
ただ、現時点では影響を読みきれないという声が多い。
ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)、ヤム・ブランズ(YUM.N)、フェデックス(FDX.N)は、ブレグジットが業績を圧迫する要因になると予想。6月下旬以降に決算発表の電話会議を開いたS&P500種採用企業63社中38社が、ブレグジットに言及した。
GMはブレグジット決定を受けて欧州で最大4億ドルのコスト削減を検討していると表明。チャック・スティーブンス最高財務責任者(CFO)は「ポンド相場に悪影響が出ている。英国の自動車産業は不透明感に揺れている」と述べた。
先週決算を発表したデルタ航空(DAL.N)も、ポンド安とブレグジット決定を受けた先行き不透明感を踏まえ、米英間の路線の輸送能力を削減すると表明。
フェデックスも、ブレグジットで世界経済が低迷するリスクがあるとし、自社のサービスの需要が減り、新たな通商規制が導入される恐れがあるとの見方を示した。
消費財のヘレン・オブ・トロイ(HELE.O)も、為替差損のリスクに言及した。
S&Pダウ・ジョーンス・インデックスによると、S&P500採用企業は、全体で売り上げの8%を欧州で稼いでいる。英国での売上高の比率は1.9%だ。
英国のEU離脱プロセスは数年かかるため、現時点でブレグジットの影響はないと予想している企業も、今後見方を変える可能性がある。
アナリストの間では、ブレグジットの悪影響が出てくるのは、数カ月後ではなく、数年後になるとの見方が多い。
FiREappsは今週まとめたリポートで、ブレグジットに伴う為替変動だけで、欧米企業が350億━400億ドルの損失を今後数四半期で被る恐れがあるとの見方を示した。
<悪影響乗り切れる企業も>
ただ、ブレグジットの悪影響を予想しても、業績が悪化するとは限らない。
ヤム・ブランズは、ブレグジット関連の為替差損で年内の最終損益に5000万ドルの悪影響が出ると予想しているが、同社の株価は中国事業への期待から上昇が続いている。
コスト削減の検討を表明したGMも、年内の全体の見通しについては上方修正する方針だ。
ブレグジットの影響は軽微と予想する企業も少なくない。
IBM(IBM.N)は、今年の業績への影響はないと分析。ハリバートン(HAL.N)も劇的な影響ないとの見方を示した。
ドル指数.DXYは先月23日の英国民投票以降、3.7%上昇したが、年初来ではまだ1.7%の下落となっている。
大半の企業は、どのような形で影響が出てくるか、状況を見極めている状態にある。
TEコネクティビティ(TEL.N)のトム・リンチ会長兼最高経営責任者(CEO)は「地球上の誰もと同じく、本当に影響が出るのか、様子を見守っている段階だ」とコメントした。
(Noel Randewich and Caroline Valetkevitch記者、翻訳:深滝壱哉、編集:吉瀬邦彦)
http://jp.reuters.com/article/usa-results-brexit-idJPKCN1020L9
ヘリマネより米利上げが「本筋」、みずほ銀、ドイツ証など円強気維持
小宮弘子、Chikako Mogi
2016年7月22日 10:47 JST更新日時 2016年7月22日 15:11 JST
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ヘリコプターマネー観測など日本の政策期待で円高修正が進んだ為替相場。ストラテジストらは、期待先行の感が否めず、米国の利上げ再開が見通せない限り、円高見通しは変わらないと指摘している。
FRBのイエレン議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
円相場は今週、6月初旬以来となる1ドル=107円台まで円安が進んだ。政府による大型経済対策や日本銀行の追加緩和期待、日銀が財政支出をファイナンスするというヘリコプターマネー政策への思惑が、英国の欧州連合(EU)離脱ショックで一時99円ちょうど付近まで進んだ相場を円安方向に押し戻した。一方、21日の海外市場では日銀の黒田東彦総裁のヘリマネ否定発言を受けて円が急反発し、対ドルでは105円台に戻した。
みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、「結局、ヘリマネということの定義を誰も明確化しないまま議論が進み、勝手に盛り上がったのが実態」と指摘。ヘリマネが円買いポジションの巻き戻しの材料に使われただけだったと言い、「これで本筋のファンダメンタルズ、金融政策に焦点が回帰し、円高基調が確認されることになる」と語った。
日銀の黒田東彦総裁は21日放送の英BBCラジオ4の番組で、現在の制度的枠組みを考えると、現段階で「ヘリコプターマネーは必要性も可能性もない」と語った。このインタビューは6月17日に収録された。
日銀は2%の物価目標を達成するため、金融市場で年間80兆円の日本国債を積み増す資金供給を行っている。1月にはマイナス金利政策の導入も決めたが、デフレ脱却には至っていない。むしろ、世界経済成長の鈍化や英EU離脱決定、為替の円高傾向などにより、日本の経済・物価の下振れリスクは高まっている。
こうした中、黒田総裁と安倍晋三首相が先週、ヘリコプターマネー政策の信奉者として知られるバーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長と会談。その直後に、同氏が今春に訪米中の安倍首相の政策ブレーンとの会談で、政府が市場性のない永久国債を発行し、これを日銀が直接全額引き受ける手法に言及していたとブルームバーグが報じ、市場ではヘリマネの思惑が一気に広がった。日銀は28、29日に金融政策決定会合を開く。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iC4fazelvKx0/v2/-1x-1.png
「根本的に危ない政策」
中央銀行による究極の資金ばらまきとされるヘリマネは、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン氏が1969年に提唱した景気対策をバーナンキ氏が何度となく比喩表現したことで世間に知れ渡った経緯がある。バーナンキ氏は2003年5月の日本での講演でも、世界恐慌発生後の1930年代、当時の蔵相、高橋是清が国債の日銀引き受けによる財政拡張というリフレ政策などでデフレを乗り越えたことを紹介している。
JPモルガン・チェース銀の佐々木融市場調査本部長は、ヘリマネはいったん始めれば歯止めが効かなくなる「根本的に危ない政策」で、「1回やるなら、長年にわたって効果が続くような使い方をしようということを決めてやるべき。お金をいくら使うかといった議論より、何に使うかを考えなければ、切りがない」と指摘。「ドル・円が100円を上回る水準にある今の状況で、今回そんなドラスティックなことをやるインセンティブはない」と語る。
日本では、財政法の第5条が公債の日銀引き受けを禁じているものの、「特別の事由がある場合に、国会の議決を経た金額の範囲内」なら行えるただし書きがある。日銀法第34条にも同じ旨の規定がある。
三井住友銀行市場営業統括部副部長でヘッド・オブ・リサーチの山口曜一郎氏は、「曲がりなりにもセカンダリー市場で買うという形でワンクッション入っていたものを完全に直接財政ファイナンスという形にしてしまった場合、経済的効果は同じでも財政規律に対する部分のアンカーが外れてしまうという不安がある。通貨の価値に対する信認が低下する可能性がある」と話す。
円高リスク
主要通貨の年初来騰落率を対ドルで見ると、円は14%高と最も強い。シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門の円の買い越しは直近縮小したとはいえ高水準。オプションの需給を示すドル・円のリスク・リバーサルも、円が戦後最高値を記録した2011年以来の水準付近にあり、円高リスクに対する警戒の強さを示唆している。
「ヘリコプターマネーは、多くの先進国で程度の差はあれ、QE(量的緩和)という形ですでに実施している」。そう指摘するドイツ証券の田中泰輔チーフ為替ストラテジストは、「従来のQEで2%インフレ目標が未達になっている構造的な逆風を勘案すれば、日銀がさらに急進的なヘリコプターマネー政策を導入しても、同目標の実現に至る可能性は小さい」と読む。
田中氏は、米景気が堅調で年後半の利上げ観測が再浮上している場面で日銀が事実上のヘリマネ政策を強化すれば、「円安へもう一段弾みが着く可能性」はあるが、米景気不振で利上げ観測も後退する場合は「日銀がどのような追加策を講じても、ドル安が優勢となり、円安は持続し得ない」とみている。「向こう数カ月、ドル・円が110円を超えて上伸する可能性より100円を割り込むリスクを引き続き警戒しており、9月末97円、年末94円をメーンシナリオに採用している」と言う。
ブルームバーグが金利先物相場動向を基に算出した年内の米利上げ実施の確率は4割強と、年初の9割超から低下している。日銀会合に先立ち、26、27日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利は据え置かれる見通しだ。昨年12月にゼロ金利を解除した後、金融引き締めに慎重な姿勢を維持しており、今回で5会合連続の利上げ見送りになるとみられている。
みずほ銀の唐鎌氏は、米国の利上げプロセスが疑わしいという論点は1年前から変わっておらず、ドル高に加えて英国のEU離脱やテロなど「日増しに利上げができない理由がたくさん出てきているのが実態」と指摘。「歴史的に米国が連続的に利上げできないときに円安基調になったことは一度もないはずだ」とし、「ドル・円が90円台に定着するのは至極あり得る展開」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-22/OANQSD6KLVR501
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