★阿修羅♪ > 経世済民110 > 829.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
中国の海外投資はバングラ事件で「テロのリスク」に震え上がった(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/829.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 15 日 09:42:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

バングラデシュのシェイク・ハシナ首相と中国の習近平国家主席。両国の結びつきは近年、深まっている
Photo:代表撮影/REUTERS/AFLO


中国の海外投資はバングラ事件で「テロのリスク」に震え上がった
http://diamond.jp/articles/-/95671
2016年7月15日 姫田小夏 [ジャーナリスト] ダイヤモンド・オンライン


 7月1日にバングラデシュの首都ダッカの飲食店を襲撃したテロは、中国をも震撼させた。バングラデシュは、中国がアジアと欧州をつなごうとして推し進める「一帯一路」構想の重要な戦略拠点でもあるからだ。

 奇しくも1週間前の6月25日、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)は年次総会を開き、第1号案件としてバングラデシュに単独融資を決めた。テロ事件はその矢先だったのである。

 その第1号案件で白羽の矢が立ったバングラデシュでは、深刻な電力不足を解消するための送電線整備が行われることになった。

 第1号案件がなぜバングラデシュだったのかをめぐっては、さまざまな憶測を呼んだ。

 中国とバングラデシュは1975年に国交を樹立し、経済交流はすでに2000年代から緊密化している。2003年には中国が最大の投資国になり、2006年には隣国インドを超え、中国がバングラデシュにとっての最大の輸入国となった。

 近年はバングラデシュ、中国、インド、ミャンマー間で道路、鉄道などを敷設し互いに経済的連携を強めようという「BCIM経済回廊構想」が動き始めた。また2013年以降は「21世紀海上のシルクロード」の重要な拠点として、バングラデシュをクローズアップするようになった。

■バングラデシュに深く食い込む中国

 ベンガル湾に面し、それと交わるアンダマン海の先にマラッカ海峡を望むというバングラデシュは、中国にとって地理的に「エネルギー輸送の要衝」でもある。マラッカ海峡が米国により封鎖されることを恐れ、中国は「真珠の首飾り」と呼ばれる海上交通路戦略、今でいう「21世紀海上のシルクロード」の布石を着々と打っているのだ。

 その一方で、バングラデシュに対しては米国や日本も影響力を強めようとしている。「アジア太平洋地域へのリバランス政策」を進展させようと、2012年にはヒラリー・クリントン前国務長官が同国を訪問した。日本もまた安倍政権が2014年9月に6000億円のODA支援でその存在感を誇示した。

 このように、バングラデシュをめぐっては大国が激しく鎬を削っているが、ダッカの国際開発の専門家は「日米は中国にバングラデシュでのインフラ支援に手を出してほしくないと思っている。インドもまたベンガル湾に中国が入ってきてほしくないと思っている」と話す。だが、「中国は道路、港湾、橋梁などのバングラデシュのインフラ整備に相当食い込んできている」(同)というのが現実だ。

 そんな大国間の思惑を如実に映し出したのが、ソナディア島での深水港建設だ。バングラデシュの命運を分けるこの巨大プロジェクトは、日米と中国、加えてドバイの、大きく分けて3つの国の組織がフィジビリティ・スタディ(実現可能性調査)に乗り出していたが、中国の協力で開発が進められるだろうと見込まれていた。

 ところが今年2月、ヒンドゥータイムス紙が「バングラデシュ現政権はこれを取り消した」と報道。原因は「日米印中がインド洋に影響力を及ぼすことをバングラデシュが恐れた」ためだという。

 ちなみに、インドを挟んで西側のパキスタンのグワダル港はすでにその運営権が中国の手に落ちている。世界の港をその影響下に置こうとする中国にとって、バングラデシュの港建設は最重要課題であり、「一帯一路」を成功に導くカギを握る。それだけにソナディア深水港建設の中止は手痛い。AIIB単独融資の1号案件には、バングラデシュへの影響力を維持させたい中国の算段もあったのではないだろうか。

■ISも魅力を感じるバングラデシュの地の利

 さて、海上交通の要衝としてクローズアップされたバングラデシュだが、東南アジアと南アジアを結ぶその“地の利”の魅力はイスラム過激派組織・イスラム国(IS)にとっても同じだ。中国では、中国社会科学院や中国現代国際関係研究院などに加え、多くの学者がISの動向を分析し始めており、「ISは中東以外ではバングラデシュを重要拠点として浸透を深めている」と警告している。

 今後はバングラデシュを足掛かりにイスラム教徒の多い東南アジアに東進し、さらには勢力拡散を中国に向けてくるだろうとする見方もある。

 過去にISは「西アジア、北アフリカ、中央アジア、欧州のイベリア半島、バルカン半島、クリミア半島、およびパキスタン、インド、中国新疆を占領する」と宣言したことがあるように、陸続きである中国もISの脅威に無縁ではいられない。

 また見方を変えれば、ISが東南アジア、南アジア、中央アジアに浸透を著しくする中で、中国の「一帯一路」は果たして実現可能な構想なのかどうか、という疑問も湧く。

 そもそも「一帯一路」は中国が新たな成長点を見出すために、周辺国との国境に道路や鉄道を設け、国と国の経済をつなげるための構想だ。とはいえ、「一帯一路」の構想をぶち上げた当初、中国の多くの識者はテロというリスクをあまり重要視してこなかった。

 2014年のAPECの席上で習氏は「富裕になりたいなら道をつくれ」と、経済効果一辺倒の演説をしていたものだ。確かに、経済発展が雇用を生み出し、テロ活動など社会不安の払拭につながる可能性はあるにせよ、中国の研究者らが周辺国の安全性に危機を募らせるようになったのは、むしろ昨年秋以降のことだった。

 他方、中国にはイスラム教徒であるウイグル族に対し弾圧や差別を加えた歴史があり、いまだその矛盾は西進するほどくすぶりを増す。中国籍を持つ一部のウイグル族がISとつながっている可能性があること、そのウイグル族の悲願が独立国の形成であることからすると、中国は常にリスクと背中合わせであり、油断のできない立場にあることがわかる。

■テロのリスクを織り込んでいなかった「一帯一路」構想

 民族・部族問題、宗教問題、政治闘争や内乱と、不安定だからこそその土地は長らく経済発展の恩恵からは疎外されてきた。ましてや、近年はISの台頭が著しい。イスラム教徒の多い中央アジアやパキスタン、あるいはバングラデシュといった周辺の国々を相手に「経済的な互恵関係」を旗印にして、インフラ需要を奪取しようという「一帯一路」構想については、中国の識者からも「リスクを甘く見積もりすぎたのでは」との悲観論が出ている。

 飲食店襲撃テロの直後、中国のコラムニストは「中国は気をつけよ」と題したブログをいの一番で公開した。

「すでにISは周辺国の中で成長しており、その拡散は中国の周辺国を結ぶ計画である『一帯一路』に当然、影響を及ぼす。『一帯一路』への影響だけでは済まされない。道を作れば中国にテロ組織はどんどん入ってくるだろう」

 先月末、中国の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領と共に、北京の人民大会堂で「中ロ善隣友好協力条約」調印15周年の重要演説を行った。

 演説の中で習氏は「国境地帯の協力を積極的に進め、両国共通の国境を、友好と平和を促す強固なきずなとして築いていく。われわれは『一帯一路』建設とユーラシア経済共同体(EAEC)建設の結び付きと協力を深めなければならない」とした。

 習氏が提唱するのはすなわち、「上海協力機構」をベースにした「一帯一路」建設とユーラシア経済共同体のドッキングであり、ここで強調されているのは、経済協力の強化以上に、地域の和平と安定である。

「一帯一路」が背負う課題はむしろ国境紛争であり、テロであり民族問題である。域内の経済効果を重視するあまり、周辺国との往来を活発化させることは、実は大きなリスクを背負いかねないという教訓は、英国のEU離脱の動機からも明らかである。「一帯一路」には、そうした発想が十分に織り込まれていなかったことを振り返れば、バングラデシュの飲食店襲撃テロは、今後の計画を見直す契機にもなる。

 時々刻々と情勢が変化する中で、「一帯一路」もその計画を変化させる可能性はある。むしろ「一帯一路」が反テロ活動のための本格的なプラットフォームとしても機能すれば、国際社会にとっても願ったりかなったりではないだろうか。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年7月15日 12:08:43 : 9ePCZcPzqg : gVjHka1uiRg[1]
日本は7人ぶち殺されても平気の平左ってことかwww。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民110掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民110掲示板  
次へ