http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/775.html
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中国の6月貿易統計、輸出入ともに予想以上の減少
[北京 13日 ロイター] - 中国税関総署が公表したデータによると、6月の中国輸出は前年同月比4.8%減で、予想以上の減少となった。世界的に内需低迷が根強く、欧州連合(EU)離脱で中国の主要市場の一つである英国の見通しに不透明感が増したことが影響した。
輸入も8.4%減で予想以上の減少だった。5月は改善したものの、景気刺激策の効果が消えつつある兆候が示された。
税関当局は、中国経済の下押し圧力は増しており、今年の貿易動向は厳しいとの見方を示した。
6月の貿易黒字は481億1000万ドル。予想は466億4000万ドル、5月は499億8000万ドルだった。
ロイター調査のアナリスト予想は、輸出は4.1%減、輸入は5.0%減。5月は輸出が4.1%減、輸入が0.4%減だった。
税関総署のスポークスマンは「世界経済は、英EU離脱、米利上げ見通し、不安定な金融市場、地政学的状況、テロの脅威など依然多くの不透明要素に直面している。これらが世界的に消費者や投資家の心理に影響し、貿易を抑制するだろう」と述べた。
ANZのエコノミストは顧客向けリポートで「2011─12年に欧州の債務危機が深刻化したときと同様に、英EU離脱をめぐる不透明感は中国のEU向け輸出に逆風になる公算が大きい」と分析した。
国別では最大の市場である米国への輸出が前年比10.4%、EU向けは3.6%減少した。
1─6月で見ると、輸出は前年同月比7.7%減少した。対米輸出は9.9%減、対EUは4.4%減だった。
人民元の下落による輸出押し上げ効果は、これまでのところほとんど見られない。
人民元CNY=CFXSは第2・四半期に対ドルで約3%、対通貨バスケットで5.86%下落した。中国当局は、輸出拡大のための人民元切り下げはしないと繰り返し主張している。
1─6月は香港からの輸入が130%増加した。香港経由の輸入急増はこれまで輸入を装った資本の流出とみられていたが、税関の報道官によると、金輸入が増えたことが原因で金を除けば2%減だった。
「金輸入は急拡大しているが、輸入額はそれほど大きくない。香港からの輸入が増えたことが大規模な資本流出と結論付けることはできない」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/china-export-idJPKCN0ZT0Q5
南シナ海判決、日本企業への影響は?
ニュースを斬る
受け入れ拒絶の中国政府の出方に要注意
2016年7月14日(木)
小平 和良
常設仲裁裁判所が入るオランダ・ハーグの平和宮前でフィリピン側の主張を訴える人たち(写真:AP/アフロ)
南シナ海での主権を主張する中国に対し、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は7月12日、中国が独自に定めた境界線「九段線」には根拠がないとする判断が出た形だ。中国の海洋進出に対して初めての国際的な司法判断を下した。尖閣諸島の問題を抱える日本にとっても他人事ではなく、今回の判断は事前に予想されていたとはいえ、納得できるものだったのではないだろうか。
一方、中国側の主張を否定する判断が示されたことで、中国をビジネスの場としている日本人の中には、今後を警戒する声も出てきている。「この先の中国政府の動きを注意深く見ないといけない」。政府関連の仕事が多い北京駐在の日本企業幹部はこう話す。
今後を警戒するのは、中国政府が今回の判決の受け入れを完全に拒否しているためだ。
国営中央テレビ(CCTV)や共産党の機関紙、人民日報などを通じて、今回の判断を徹底して批判。「中国人民は南シナ海で2000年以上前から活動してきた歴史がある」とする中国政府の声明や「判決は無効で拘束力がなく、中国は受け入れず、認めることもない」とする中国外務省の声明のほか、習近平国家主席がEUとの首脳会談の席でも「南シナ海は古くから中国の領土であり、南シナ海での主権と海洋権益はいかなる状況下でも今回のいわゆる判決の影響を受けない」などと発言したことを報じている。
多くの国が中国に賛同と強調する政府系メディア
さらに中国メディアは多くの国が中国側の意見に同調していることを強調している。人民日報は1ページ全面を使って、各国の政治家や有識者らの意見を伝えた。登場するのはロシアやエクアドル、コロンビア、ネパール、レバノン、スリランカ、トルコといった国々だ。
中国は当事国との話し合いには応じる姿勢を見せている。2カ国間での交渉となれば、経済力と軍事力を背景に、中国側に有利な展開に持ち込めるとの判断があるからかもしれない。一方で、中国側が今回の判断に歩み寄る可能性は低く、判決の順守を求める米国や日本などとの溝はさらに広がりかねない。国際司法の判断の順守を求めるのは当然ではあるものの、結果として中国側の反応がよりエスカレートする可能性もある。
加えて、日本企業にとって気がかりなのは、判決への反論の材料に日本を使っている点だ。
南シナ海問題は日本が原因?
中国政府の声明では「第二次世界対戦の終結後、中国は日本が侵略戦争期間に不法に占領した中国の南シナ海の島々を取り戻した」と言及。南シナ海が領有問題でもめるようになったのは、日本が原因とも読める書き方だ。また、中国外務省スポークスマンは、仲裁裁判所の裁判官を任命したのが国際海洋法裁判所の所長を務めていた外務省出身の柳井俊二氏であることにも触れ、「今回の法廷は初めから政治化していた」と断じた。
判決が出た12日、北京のフィリピン大使館では中国の公安当局が厳戒体制を敷いた。判決に不満を持つ市民の抗議行動を警戒したようだ。中国で事業を手がける日本企業には、尖閣国有化後に起きた中国の反日運動の苦い記憶がある。反日デモの被害を直接受けた企業だけでなく、協力事業が凍結になるといった被害を受けた企業も数多い。中国側の対応がエスカレートすれば、再びこうした動きが活発化する可能性もある。
南シナ海は日本を含む多くの国とって大切な海上交通路でもある。中国の行動がエスカレートし続ければ、貿易などにも影響が及びかねない。中国の王毅外相は今回の判決を受けて「茶番劇はすでに終わった」と語った。だが、判決の影響が出るのはこれからだ。日本からは遠い南シナ海での出来事だが、日本の企業人も注視しておく必要があるだろう。
このコラムについて
ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/071300387/
中国、ハーグでやられたら沖ノ鳥島でやり返す
キーパーソンに聞く
2016年7月14日(木)
森 永輔
航行の自由作戦に向かう米海軍の駆逐艦「ラッセン」(写真:U.S. Navy/The New York Times/アフロ)
仲裁裁判所が、中国が南シナ海で取っている行動についてついに司法判断を下しました。小原さんは、どこに注目していますか。
小原:フィリピンの主張をほぼ全面的に認めた、中国にとって非常に厳しいものであったことです。ここまで厳しいものになるとは予想していませんでした。
小原凡司(おはら・ぼんじ)
東京財団 研究員兼政策プロデューサー
専門は外交・安全保障と中国。1985年、防衛大学校 卒。1998年、筑波大学大学院修士課程修了。1998年、海上自衛隊 第101飛行隊長(回転翼)。2003〜2006年、駐中国防衛駐在官(海軍武官)。2008年、海上自衛隊 第21航空隊副長〜司令(回転翼)。2010年、防衛研究所 研究部。軍事情報に関する雑誌などを発行するIHS Jane’sでアナリスト兼ビジネス・デベロップメント・マネージャーを務めた後、2013年1月から現職。
最も大きいのは、中国が南シナ海に九段線を示し、その全域に管轄権を持つとしているのを、国連海洋法条約に照らして「全て認められない」としたことです。さらに、中国が主張する歴史的な権利 についても証拠がないとしました。歴史的権利については触れないものと考えていました。
南シナ海で中国がしている行為が違法であることが、法の支配の観点から明らかにされたわけです。この司法判断は法的な拘束力を持ちます。
今回の判断は、九段線内の管轄権を否定してはいます。けれども、中国が埋め立てや軍事拠点化を進める個別の礁について、どの国が主権を有しているかは判断していません。岩*1と認められた礁について、中国が主権を主張し軍事拠点化を続けることはあり得るのではないでしょうか。
*1:国連海洋法条約は次のように定めている。島:領海も排他的経済水域(EEZ)も設定できる。岩:領海は設定できるが、EEZは設定できない。低潮高地:どちらも設定できない。低潮高地は、満潮時には水面下に没してしまうものを指す。
小原:それは言えます。しかし、いくつかの岩で中国が軍事拠点化を続けても、南シナ海全域に影響が及ぶわけではありません。主権が及ぶのはその島の周囲12カイリだけですから。国際社会に影響を及ぼす大きな問題にはならないでしょう。中国が九段線の内側全体、つまり南シナ海のほぼ全域を対象に管轄権を主張していたことが問題だったのです。
中国は決して妥協しない
中国外交部が出した声明をどう評価しますか。「この司法判断に効力はない。中国は受け入れないし、認めない」「国際海洋法条約の権威を損ない、中国の主権国家としての権利を侵すもので、不公正だ」としています。
小原:「受け入れない」というのは非常に強い態度だと言えるでしょう。
ということは、中国が妥協することはない?
小原:できないでしょう。具体的な理由は3つあります。まず南シナ海の海底にある資源を放棄することができない。ブルネイやベトナムの周辺に油田があります。このほかにも開発される可能性があります。
第2に、海上輸送路を保護できなくなる可能性があるからです。
第3は、南シナ海が持つ軍事的な意味です。中国は米国に対する核抑止の最終的な保証は、核兵器を搭載する原子力潜水艦であると考えています。しかし、搭載する弾道ミサイルが米国の東海岸を射程に収めるためには、常にこれを隠密理に太平洋で活動させる必要がある。そのためには南シナ海から米海軍の活動を排除する必要があるのです。
南シナ海をコントロールできれば、米海軍が中国大陸に近づくことも困難になります。中国は東に向かうと米国と衝突する可能性があるため、西に活動を展開しています。一帯一路政策はその表れですね。中国は、西での経済活動にも軍事的支援が必要だと考え、中国海軍の強化を図っていますが、それでも米国には適わない。米海軍との軍事プレゼンスを均衡させるべく、米艦隊が南シナ海を自由に通過できないようにして力を削ぐことが考えられます。
具体的な理由とは別に、そもそも中国は今回の司法判断を、「中国の発展を欧米諸国が妨害するもの」と位置づけています。中国は、南シナ海でしていることを正当な権利の行使と考えており、悪いことだとは思っていません。ゆえに、この判断を受け入れません。
ただし、中国はこの司法判断を無視して、国際社会で孤立するわけにはいきません。欧米諸国が築いた国際秩序を変えると宣言しているからです。実現するためには他の国からの支持が欠かせません。
孤立できない中国はどのような行動に出るのでしょう。
小原:3つのことを進めると思います。第1は、フィリピンとの和解です。これが成れば、司法判断を問題にする必要がなくなります。
具体的には、どのような和解条件が考えられますか。
小原:フィリピンに有利な条件での援助や投資を提示するでしょう。新たに就任したドゥテルテ大統領は地方の市長として犯罪を撲滅することで力をつけてきました。次は国政の場で基盤を固めるために、経済を浮揚させること重視すると思います。ここを突くわけです。
2つめは、「今回の判断は欧米諸国が勝手に言っているだけで、中国の行為は正当である」という主張を支持する国を増やす外交努力です。小さな国ばかりですが、既に60カ国が支持していると中国は言っています。
特にASEAN諸国には強く働きかけることでしょう。フィリピンにあやかろうとする国が現れかねないからです。今回の司法判断は、フィリピンの主張通りになりました。さらに、中国から多くの援助と投資がやってくるかもしれない。他のASEAN諸国も「提訴されたくなかったら…」と中国に仕掛けることでしょう。
今回と同様の司法判断が連続することになれば、中国の立場は苦しいものになります。なんとかこれを避けようとするにちがいありません。
もう一つ注目すべきはロシアとの関係ですね。中ロ関係は相互不信に満ちていますが、中国はロシアを味方に引き込むべく動くでしょう。プーチン大統領は今頃ほくそ笑んでいるに違いありません。もちろん、ロシアは大人ですから表に出てくることはないでしょうが。
3つ目は何でしょう。
小原:既成事実の積み上げです。フィリピンが中国に対し今回の司法判断に従うよう求めたにもかかわらず、中国が従わない場合、中国を非難する国際世論が高まることでしょう。そうなり中国包囲網が強まる前に、人工島のさらなる造成や軍事拠点化を進めると思います。短期的には緊張が高まる可能性があります。
習近平の意向を恐れる外交部
日本の岸田文雄外相が「仲裁判断は紛争当事国を法的に拘束する。当時国は今回の判断に従う必要がある」と談話を出しています。「従う」とは具体的に何をすることを指すのでしょう。
小原:「中国は退け」ということです。既に出来上がっている人工島や滑走路を撤去しろとは言わないでしょうが、現状のまま立ち退くことを求めていくことになるでしょう。声明で明らかにしているように、中国が従うことはないでしょうが 。
中国は、外交辞令として「仲裁裁判所の判断に従う」と言っておき、フィリピンと妥協することで現状を実質的に維持するという手もあったのではないでしょうか。
小原:それはできなかったと思います。王毅外相もスポークスマンも、今回の件に関わった人々はみな習近平国家主席の意向を恐れていますから。
司法判断を巡って中国の世論は二分されるでしょう。一方は、ナショナリズムを背景に司法判断に反発するもの。もう一方は、中国政府もしくは外交部の失敗を非難するものです。彼らは、「そもそもフィリピンを提訴に至らせたことが失敗だ」と2012年までさかのぼって非難するかもしれないですね。あまり表には出ないでしょうが、中国政府が恐れているのは、この後者のグループです。
習近平国家主席は第1のグループの側につく確率が高いでしょう。そのほうが国内をまとめ、権力を維持しやすいですから。
今回の司法判断が中国の内政に影響を及ぼすことはありますか。
小原:あり得るでしょう。来年には人事のからむ中国共産党大会が控えています。中国には習近平国家主席を支持する勢力と、そうでない勢力があります。後者は、習政権を揺さぶる材料があるなら、何でも利用しようと考えるかもしれません。
権力闘争とは別に、「外交を見直すべき」という意見が出てくることもあると思います。中国は最近、内政に集中する姿勢を示してきましたが、方向転換を促す動きが力を得ることは考えられます。
ハーグでやられたら沖ノ鳥島でやり返す
仲裁裁判所が「南沙諸島に島は存在しない」と判断したのを受けて、中国が「日本の沖ノ鳥島も岩にすぎない」と主張する可能性が指摘されています。国連海洋法条約は、岩には領海は設定できるものの排他的経済水域(EEZ)は設定できないと定めています。沖ノ鳥島周辺の地下資源に期待する日本とっては憂慮すべき事態です。
小原:その可能性は高いですね。中国はやられたらやり返す国です。
「やられた」という意味では、日本を非難していますね。今回の判断を下した仲裁裁判所の裁判官は、当時、国際海洋法裁判所長を務めていた柳井俊二氏が任命したものです 。これを「公正でない」として中国は非難しています。
小原:はい。なので、中国が「柳井氏にやられた分を、沖ノ鳥島でやり返す」と考えることは十分にありえる話です。ただし、南シナ海の問題を落ち着かせることが最優先でしょう。中国は、日本はアジアの国であるにもかかわらず欧米諸国のお先棒を担ぐ、と考えて不満に思っています。
このコラムについて
キーパーソンに聞く
日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/071300190/
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