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住宅ローン審査甘い今だからこそ危険!「ローン借りられるから買う」で多額の借金や負担も
http://biz-journal.jp/2016/07/post_15859.html
2016.07.12 文=秋津智幸/不動産コンサルタント Business Journal
さまざまなメディアでも言われている通り、今、不動産価格はかなり高い水準になっています。個人の不動産投資も活発で、投資用の不動産価格も数年前から比べて都内の物件では、2〜3割高くなったイメージがあります。
しかし、売り側がどんなに高く不動産を売りたいと思っても、買い側が買えなければ取引が成立しませんから、高くても買える要因がないところまで価格は上昇しません。その最大の要因は、銀行など金融機関による住宅ローンなど不動産への積極的な融資です。
今年2月から日本銀行が実行したマイナス金利政策は、民間銀行が保有する資金を投資へと向かわせる圧力となっています。そのため、融資を出すための条件が緩和される方向に働き、資金の貸し出しが増加しています。
実際に、住宅ローンでは変動金利ながら年利0.5%台の金利も登場していますが、不動産投資向けのアパートローンでも1%以下の金利で実行されている例が現れています。
不動産向け融資が積極的になる理由として、金融機関はできるだけ安全に資金を貸したいと考えるため、法人の事業資金などの無担保融資より、担保(抵当権)が取れる不動産向け融資(住宅ローンやアパートローン等)へ先を争って融資したいと考えるためです。
こうした背景もあり、現在の投資用不動産に対する融資はやや過剰気味といえます。数年前は不動産投資向けの融資では、なかなか出なかった物件価格まで融資するフルローンが融資先(お金を借りる方)の属性(勤務先、年収、年齢、金融資産等)次第では、思ったより簡単に出るようになっているのです。通常は、融資の借主(不動産購入者)が、不動産の金融機関評価額を超える部分については一部自己資金を出すのが一般的ですが、担保があり貸しやすいということから、最近は本来の不動産評価額を超えて融資されているようです。
■“融資の罠”にハマり失敗
こうした融資状況から「目的と手段が逆」になっているケースをよく聞くようになりました。つまり、「融資が出るから不動産を買う」という行動を取る人が増えてきているのです。本来は、欲しい不動産があり、それを取得する手段として融資を利用するべきですが、融資が出るなら不動産の質にある程度目をつぶって買ってしまうのです。
金利条件は今のほうが良いのですが、リーマンショック前にも似たような融資状況があり、こうした「目的と手段が逆」で不動産を購入した人がたくさんいました。その当時、筆者が相談を受けたある投資家は、リーマンショック前に築20年、表面利回り15%の投資用マンションを3億円のフルローンで購入していました。
その物件は首都圏ではありましたが、最寄り駅からバスを利用しなければならず、思ったように入居者が入らず、稼働率は常に半分程度でした。表面利回りは、あくまで満室になった場合を想定しているため、満室にならなければ架空の利回りです。そのため、3億円もの不動産を購入したにもかかわらず、手元に残る毎月のお金は20万円前後でした。マイナスではないことが救いでしたが、このままでは5年後、10年後などに必要となる修繕費を不動産収入から捻出することができず、将来多額の持ち出しになると不安になって相談に来られました。リーマンショック後の当時では、不動産価格も下がり、売ってしまうと借金だけが残るという恐ろしい事態になるため売却もできず、我慢して持ち続けるしかありませんでした。
この方が不動産を購入すると決断した理由が、フルローンの融資が出て、少ない元手で購入できるからというものでした。問題は、やはり「しっかりと物件を検討して判断していない」という点です。
最近でも、取引先のアパート建売業者の担当者からこんな話を聞きました。
ある不動産投資家が、都内の1億2000万円、表面利回り6.5%のアパートをフルローンの融資を受けて購入したのですが、融資の条件は期間30年、金利約2%。単純計算で毎月の家賃収入は満室で65万円、毎月の返済額は44万3500円。経費を引く前の段階で、家賃収入から返済を差し引くと20万6500円となるのですが、アパート運営上、実際は賃貸管理費や共用部の電気代、清掃費、固定資産税等の税金といった経費が必要になります。
そのうえ、その方は空室対策として賃貸管理会社に一括借り上げを依頼しているため、手数料として賃料収入の10〜15%を引かれてしまいます。従って、この買い主の方は満室でも10万円程度、下手すると数万円しか、手元に残りません。
この話のポイントは、やはり「借りられるから、借りすぎてしまうこと」の怖さです。
こうした話は実によく耳にします。金利が低い今だからこそ現物投資である不動産投資が活発なのですが、その分やや割高な時期でもあります。くれぐれも「借りられるから買う」「借りられるから借りすぎてしまう」といった“融資の罠”にハマらないようにしてほしいと思います。
やはり、健全に「不動産を吟味して、あくまで購入の手段として融資を活用し、少しでも自己資金を入れて、借りすぎない」ことが不動産投資成功の鍵になります。
(文=秋津智幸/不動産コンサルタント)
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