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利益率70%も確保のアップルは、なぜ「革新性」を完全に失ってしまったのか?
http://biz-journal.jp/2016/07/post_15738.html
2016.07.04 文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員 Business Journal
米アップルが毎年恒例にしている開発者向けカンファレンスWWDC(世界開発者会議)。今年も6月13日に開催されたが、この会議で見えてくるアップルの戦略と今後の方向性とは、いったいいかなるものであったのか。
今回の発表でアップルは、SiriやiMessageのサードパーティーへの開放を前面に押し出しこれを強調したが、目新しいといえばこのオープン化の発表ぐらいで、あとはMacやiPhone、iPadなど既存の端末をシームレスに連携し強化する既定路線、すなわち「ハード依存」に終始する内容であった。
こうしたハードウェア重視の意向は、確かに利益回収を目的とした当面の戦略としては功を奏するものである。アップルはこれまで70%前後の高収益率(粗利)に加え、わずか1日という在庫期間の圧縮を実現することで、スマートフォン(スマホ)市場でハイエンドのビジネスモデルを構築することに成功した。
当然ながらこうした成功体験は、ますますアップルのハード依存を加速化させるものである。日々のマーケティングで集計されるデータを基に、既存の端末を定期的にアップグレードしていくことに、もはや社内のリソースは傾注されている。
だが、こうした既存製品のアップグレードという連続性へのシフトは、アップルをイノベーションからますます遠ざけることを忘れてはならない。iPhoneには、依然として世界で年間2億台を売り切る力が残されている。当面はこの利益を生み出す構造で十分にやっていけるであろうが、恒常的に革新性を追求し未来を創造しリードする企業として君臨することは極めて困難であろう。
■新たな市場を切り開くことは十分に可能
今年の上半期に、2015年世界の革新的企業の順位付けがさまざまな調査会社で発表され、そのほとんどが依然としてアップルを1位に据えているが、すでにアップルの革新性はどこにも見いだすことはできない。残念ながら今やアップルには、米グーグルのグーグルカー(自動運転車)やアマゾンのエコー(スマートホームアシスタント)のような製品を開発する革新性は残されていない。
Windowsのアップグレードに邁進してきた米マイクロソフトでさえも、クラウドへの転換を図りながら、Windows 10で革新性を見いだそうとしている。世の中の変化を捉えて後追いするのではなく、世の中の変化をつくり出す企業こそがアップルのあるべき姿であろう。
今やスマホやタブレット市場は飽和状態になりつつある。かつてアップルはiPhone 4SでSiri(音声アシスト機能)を搭載して、成熟市場を未成熟市場に変える変化を起こした。アップルが今後もハード依存で邁進するならば、ソフト開発により革新性を見いだすことで新たな市場を切り開くことは十分に可能であろう。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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