銀行景況感、リーマン以来の下げ幅
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160701-00000004-fsi-bus_all
SankeiBiz 7月2日(土)8時15分配信

　日銀が１日公表した６月の企業短期経済観測調査（短観）では、銀行業の業況判断指数（ＤＩ）が前回３月調査から９ポイント悪化し、リーマン・ショック時（２００８年１２月調査の２５ポイント悪化）以来の下げ幅を記録した。中小企業が金融機関からお金を借りやすいか否かを示す「貸出態度判断ＤＩ」も小幅悪化し、市場では「マイナス金利政策」の効果を疑問視する声と、銀行に貸し出し努力を求める声が交錯した。

　銀行業の業況判断ＤＩはプラス７。マイナス金利導入前の昨年１２月調査（プラス２４）から半年で１７ポイントも悪化した。また、信用金庫・系統金融機関等のＤＩは０と３月調査から１３ポイント悪化。プラス圏から外れるのは１２年３月以来だ。

　一方、企業の借入金利について「上昇」から「低下」を差し引いた「借入金利水準判断ＤＩ」（全規模全産業）はマイナス２６と歴史的低水準だが、３月調査からは横ばい。

　また、金融機関の貸出態度判断ＤＩ（「緩い」から「厳しい」を引いた値）も３月調査から横ばい。ただ、中小企業は１ポイント悪化しており、第一生命経済研究所の熊野英生氏は「マイナス金利効果の広がりは頭打ち」と分析した。

　金余り状態に反して中小企業への貸出態度が悪化した理由について、日銀幹部は「分からない」としているが、マイナス金利で銀行の収益が悪化したため、中小企業への貸し出しが厳しくなったとの見方もある。

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