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日銀短観と5月の経済指標
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52810441.html
2016年07月01日 在野のアナリスト
6月日銀短観で、大企業製造業の現状判断DIが+6、先行き判断DIも+6とともに変化なし。大企業非製造業の現状判断DIが+19と前回調査から3pt低下、先行き判断DIが+17と2pt低下。中小企業製造業の現状判断DIは-5と前回調査から1pt低下、先行き判断DIが-7と2pt低下。中小企業非製造業の現状判断DIは0と4pt低下、先行き判断DIが-4と4ptの低下です。数字はともかく、前回の調査からも現状から先行きにかけても『低下』がめだつ結果となりました。
熊本地震、円高、軽自動車の燃費不正などがあった割りに底堅い印象もありますが、回答日が6月13日、つまりBrexit前であり、現状をどこまで反映されているかも微妙です。3月から比べると大企業の販売価格判断、在庫判断なども改善傾向ですが、価格は下落するが依然多く、在庫も高水準がつづきます。一方で中小企業はほぼ横ばい。大企業が中小企業に負担を押しつけ、改善としているケースも多い、そんな結果になっているようです。
気になるのが今年度の売上高計画、経常利益計画とも、年前半は大きく落ちこむものの、後半に回復するシナリオを多くの企業がもっている。しかしBrexitにより年後半も落ちこむ可能性が出てきたことで、年度を通じても下がると見られていた水準が、もう2つ、3つ低下する可能性が高まったのでしょう。今日の株価は上昇していますが、水準感でいうと日経平均で13000円ぐらいであっても、短観からみると正当化できてしまいそうです。
設備投資計画も大企業は意欲が高い一方、中小企業は低い。ただし5月の鉱工業生産指数が予想に反して低下したように、期初の計画を実行段階へと移す際、ためらいが生じているのかもしれません。新設の住宅着工は好調である一方、企業の土地投資は低い。路線化も発表され、リーマンショック以来の上昇と報じられますが、企業のコスト抑制圧力が今後の不動産市場にも影響するかもしれません。何より今年度、企業は業績の落ちこみが顕著だからです。
5月の家計調査をみても、消費支出が実質で前年同月比-1.1%低下しましたが、実収入が実質で0.3%低下したことからも、消費は抑制傾向です。5月は消費者物価も前年同月比0.4も低下し、これで3ヶ月連続の低下で、しかも拡大してきた。もはや脱デフレどころか、デフレ状態に逆戻りです。円高要因が大きいとしても、需要不足も顕著であって、非常に悪い形でデフレに陥ってしまうなら、次はより脱出が難しくもなってくるのでしょう。
一般職業紹介状況も出ていますが、求職者数は右肩下がりがつづく一方、ここ数ヶ月は一気に求人数が跳ね上がった。ナゼなら就職件数も右肩下がりだからです。求人をだしても採用に至らない、一方で求職者は減っていく、採用条件と職を求める人とのミスマッチがかなり深刻です。就職件数が年度ベースで毎年5%ほど減っていくのですから、今は再雇用で賄えても、将来的に日本は深刻な労働力不足に陥ることが必定です。この国から企業はどんどん逃げだしていく傾向となってしまうのでしょう。それはふたたびデフレに陥り、内需にもみるべき点がない。これが安倍ノミクスでも国が衰退して行く、ということなのです。
最近、安倍政権がつかわない『脱デフレ』『好循環』。そして、最近つかい始めた『道半ば』『ふかす』という言葉。実は前段が未達であり、デフレに逆戻り、悪循環がはじまっている、ということを隠すために後段は用いられているに過ぎない。つまり安倍政権も、安倍ノミクスはもう失敗だ、と認識していることははっきりしています。年金が5兆円超の損失、と伝わりますが、日本株ばかりでない、円高で外債、外国株の価値も目減りしているはずで、今は株価がもどっていますが、外債、外国株が下がり始めると円高と合わせてかなりの損失が拡大することが予想され、ここにも悪循環がみられます。『道半ば』は『バカな道』と読み替えましたが、『ふかす』も『ぼかす』と読み替えることができるのでしょう。景気悪化を『ぼかす』ために、選挙では都合のよい数字だけを切り取って喧伝している。これからも安倍ノミクスを『ぼかす』、そうやってフェイドアウトを画策している、ということなのでしょうね。
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