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英EU離脱受け、相次ぐ経済見通し下方修正
英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことを受け、モルガン・スタンレーは来年、世界的なリセッションに陥る確率を30%から40%に引き上げた。 ENLARGE
英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことを受け、モルガン・スタンレーは来年、世界的なリセッションに陥る確率を30%から40%に引き上げた。 PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By GEORGI KANTCHEV
2016 年 7 月 1 日 15:49 JST
英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めたことに対するエコノミストらの反応は、迅速かつ厳しいものとなっている。世界中の成長見通しが下方修正され、それに伴う相場見通しの引き下げも相次いでいる。
6月23日の国民投票で英国のEU離脱が決まり、為替、債券、株式市場が動揺し、英ポンドは今週初めに31年ぶりの安値に転落した。その後市場は落ち着いたが、世界第5位の経済規模を有する英国の長引く混乱が今後に及ぼす影響にアナリストらは目を向けている。
モルガン・スタンレーのエコノミストらは今週のリポートで、「ブレグジット(英国のEU離脱)は、まだ弱々しい回復を遅らせ、低迷に向かわせる可能性がある」と述べた。同社では、来年世界的なリセッション(景気後退)に陥る確率を30%から40%に引き上げた。
アナリストらは、欧州以外の国や地域に対する直接の影響は欧州よりも少ないとみている。だが、欧州諸国の成長減速は、世界の貿易ばかりでなく多国籍企業にも影響を及ぼそうとしている。多国籍企業の多くは、欧州を主要市場の一つとしている。ドル高の影響も世界全体に反響し、米企業の利益や新興諸国に打撃を加える見通しだ。
ブレグジットの混乱は、世界の貿易が近年弱まっている中で生じている。世界貿易機関(WTO)によると、世界の貿易は2015年の伸びがわずか2.8%だった。伸びが3%を下回ったのは4年連続。
クレディ・スイスのアナリストらは「グローバル化の最期」と題したリポートで、ブレグジットは「より密接な統合と開かれた貿易という第2次世界大戦後のコンセンサスからの、これまでで最も大幅な後退だ」と指摘した。そして、「このような大きく長期の変化は、中期的に成長や企業利益、資産価格にかなり否定的な意味を持つ可能性がある」と述べた。
英国は見通し引き下げのやり玉に挙がり、一部の銀行は政治的不透明感と投資の落ち込みは今年この後リセッションに陥る予兆だとみている。英国の政治情勢が流動的でEUとの離脱交渉には数年かかる可能性が高いため、アナリストらはポンド安が長期に及ぶと予想している。その結果としてインフレが上昇し、個人消費を一段と抑えるだろうとエコノミストらは考えている。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミスト、ロブ・ウッド氏は「英国は早々にリセッションに陥り、この政治上の不確実性が長引くほど、事態は悪化するだろう」と指摘した。同行では7-9月期から来年初めにかけてのリセッションを予想し、英経済の成長予想を17年については2.3%から0.2%に下方修正した。
英仏海峡を越えてブレグジットに関連してすぐに生じる混乱は、英国からの需要減少というかたちで生じる可能性がある。英国はユーロ圏のモノとサービスにとって最大の需要を担っており、HSBCによると総輸出の13%を占めている。ブレグジット決定を受けてHSBCでは、ユーロ圏の17年におけるGDP成長率予想を1.5%から1.0%に引き下げた。
シティグループでは、ドイツやベルギー、オランダなど英国との取引関係が強い国々が一番影響を受けるとみている。
JPモルガンの上席グローバルエコノミスト、ジョゼフ・リュプトン氏は「ブレグジットは欧州に対する重要な経済上の衝撃だ」と述べ、「これで(英国の)景気回復は遅れ、社会経済面と政治面の問題につながるかもしれない」と指摘した。
英国のEU離脱決定を受け、金融機関はGDP成長率の見通しを大幅に下方修正した(WSJが投資銀行11https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AL845_BRXECO_16U_20160630164517.jpg
今後さらにEU離脱が問われる可能性もあり、世界最大の貿易圏の先行きを巡る不透明感が高まっている。アナリストらは、これが、債務危機と昨年のギリシャを巡る混乱でまだおぼつかない投資情勢と欧州大陸の消費意欲に悪影響を及ぼすだろうとみている。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのウッド氏は「欧州にとって英国との貿易からの影響は小さいだろうが、もっと大きな問題は単一市場の先行きに関する不透明感だ」と述べ、「(EU離脱が)英国にできるなら、次は誰かということだ」と語った。
米国や中国の経済活動に英国との取引が占める割合は極めて小さいので、欧州以外の国や地域に対する影響はさらに少ない見通しだ。だが、ブレグジット決定後に投資家が安全とみなす資産に群がったため、米ドル相場が上昇し、米企業の利益や投資に対する懸念が浮上している。
シティグループのアナリストらは「米国では、急激なドル高になり高止まりする可能性があるかどうかが懸念の焦点だ。このことが、ブレグジットが生む不透明感とともに、米国の事業資本投資をさらに弱める可能性がある」と指摘した。
同行では、ブレグジットで今年と来年の米GDP成長率は0.1ポイント下がる可能性があり、ブレグジットのリスクに対して国際的な投融資を行った米銀行部門のぜい弱性が、米国の成長をさらに抑えるかもしれないと述べた。
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英市場に3つの波乱要因−EU離脱、株価、ポンド相場
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両替所内の英ポンド紙幣(クウェート市、6月) PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGE
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RICHARD BARLEY
2016 年 7 月 1 日 15:11 JST
中央銀行のメッセージはまだ市場を動かせる。英中銀イングランド銀行のカーニー総裁が6月30日に早期利下げを強く示唆したことで、英国株は急上昇し、英ポンドは下落した。海外投資家は英国株とポンド相場という相反する力に目配りし続ける必要がある。
30日は株高・ポンド安という流れに拍車が掛かった。29日のロンドン市場では、FTSE100指数が英国民投票当日の23日の終値を0.3%上回る水準で取引を終えた。対照的に、フランクフルト市場のDAX指数は同じ期間に6.3%下落した。ただ、これをドル換算すると違った姿が見えてくる。FTSE100指数は8.3%安、DAX指数は7.8%安という計算になる。海外投資家にとってはポンド安が株価を大きく押し下げている格好だ。
英国株にとっての好材料は、英国の多国籍企業の株価押し上げが期待できることだ。ポンド安により海外利益のポンド換算額が膨らむためだ。このため、大型株中心のFTSE100指数の方が、国内型企業が中心のFTSE250指数よりもはるかに好調に推移している。とはいえ、FTSE100指数の反発は、EU離脱は回避されるという疑わしい仮定か、EUを離脱しても英国外にまで影響は広がらないという同じくらい不確かな見方に基づいているように見える。
一方、ユーロは小動きにとどまる。ユーロ圏の経済成長は鈍く、企業収益もさえないため、英国がEUを離脱し、その影響が政治面で広がれば、ユーロ圏は特にもろくなるだろう。
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-OS428_poundh_G_20160630092912.jpg
ユーロ(青)と英ポンド(緑)の対ドル相場騰落率
だが、ポンドはまだ底入れしていない可能性がある。カーニー総裁が30日に示唆したように、英中銀が利下げや債券買い入れ再開に着手した場合はなおさらだろう。ユーロはもっと安定しているようだ。先週ポンドが急落したのは、英国の再評価という条件反射的な動きを反映していた。今回の投票結果を受けてどのような経済的影響が出るかはまだはっきりしないが、消費者にとって先行きを見通しづらい状況が続いていることは健全な環境とは言えない。景気減速やリセッション(景気後退)に陥るリスク、金融緩和観測、さらに巨額の経常赤字といった要因がポンドの重しとなるはずだ。
また、金利がすでにゼロ近傍にあるため、英経済の調整を後押しする上でポンドの果たす役割は非常に大きなものとなりそうだ。ポンドが1.30ドルを割ってもおかしくはない。これは金融市場の短期筋にとって悪材料となるが、英国への長期投資を検討している企業の足かせになることの方が大きな意味がある。
他方、債券利回りは過去最低水準からわずかしか上昇しておらず、世界経済の成長鈍化と経済のさらなる不安定化を示唆している。ブレグジットが決まる前から不確実性が広がる一方、前例のない金融政策によって一部市場の割高感が高まっていた状況において、ブレグジット決定は衝撃的な出来事だ。ポンド安で割安感の出た株式に誘われた投資家が相場回復は当然と考えるのはまだリスクが高いかもしれない。
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英EU離脱による市場乱高下、投資銀行への恩恵少ない
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英EU離脱決定は、投資銀行のトレーディング部門の業績に追い風となるかもしれない。問題は、今年の業況はすでに厳しくその助け船にはなりそうにないところだ(写真は6月初めのロンドン金融街カナリー・ワーフ) PHOTO: BLOOMBERG NEWS
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PAUL J. DAVIES
2016 年 7 月 1 日 08:12 JST
英国の欧州連合(EU)離脱決定は、投資銀行のトレーディング部門の業績に追い風となるかもしれない。問題は、今年の全体としての業況はすでに厳しくその助け船にはなりそうにないところだ。投資銀行は業界全体で引き続き、コストの削減を続ける必要がありそうだ。
英国のEU離脱で為替と金利相場は急変動し、それは確かに投資銀行に恩恵となった。しかし昨年1月の市場の急変動とは異なる。それはスイス国立銀行(中央銀行)がユーロに対するスイスフランの上限を突如撤廃したことによる変動だったが、一部の投資銀行はトレーディング部門でかなりの好成績を収めた。
バークレイズなどの銀行は英国の国民投票をめぐり極めて慎重な姿勢を取っていた。急変動する市場に備えシステムトレードをやめ、スピードの遅い伝統的な手法で取引を行った。これで損失は限られたが、同時に利益も抑えられた。
UBSのストラテジストなどによると、取引量も国民投票前、通常の水準を2割近く下回っていた。
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世界の投資適格級の債券発行金額(10億ドル)
株式取引は今年、大半の市場で低調となっている。一方、債券取引は、欧州中央銀行(ECB)が社債の買い入れを決定したことを受け、市況が回復している。それでも世界のトレーディング収入は今年、昨年の水準を下回ると予想されている。収入がどの市場でも昨年を10%下回るとの予想もある。JPモルガンは債券取引が15%、株式取引が25%減少するとみている。
投資銀行部門では落ち込みがさらに大きくなる恐れがある。M&A(合併・買収)活動は持ち直しているが、調査会社ディールロジックによると、ご破算になった案件は取引額ベースで2007年以降のどの年よりも多くなっている。新規株式公開(IPO)の規模も半期ベースで09年以降最も少なかった。唯一明るさを見せているのが債券の新規発行で、ECBの債券買い入れが後押ししている。
JPモルガンの見通しによると、投資銀行部門の収入は16年通年で、昨年を31%下回る可能性がある。16年の収入は08年よりも低い水準になる恐れもある。
7-9月期はまず夏枯れ相場で商いが低調になり、その後は米国の大統領選挙を控えた取引となるだろう。一方で、英国のEU離脱がどう展開するのかが不透明なままになりそうだ。
とはいえ英国のEU離脱による恩恵がないわけではない。英ポンドが10%下落したことで、海外事業を支えるための英国の巨額の費用が減少するというものだ。中でもJPモルガン・チェースやクレディ・スイス、ドイツ銀行などがこの恩恵を受けそうだ。
いずれにしてもコストの削減は世界的に引き続きテーマとなるべきだ。欧州の銀行大手はどこもそれに集中している。ただ欧州には賞与(ボーナス)の給与全体に占める割合を少なくする規則があり、これは欧州の銀行には米銀ほどの柔軟性がないことを意味する。
投資銀行が利益を増やすには、コスト削減策を見つける以外になさそうだ。
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新規上場株の好調、背後に「弱気見通し」第1四半期の新規上場は9社だったが、第2四半期は30社以上に
By CORRIE DRIEBUSCH
2016 年 7 月 1 日 15:51 JST
米国の新規株式公開(IPO)市場が必要としていたのは、ほんの少しの痛みだったのかもしれない。
2016年1-3月期(第1四半期)に米国市場に上場したのは9社にとどまったが、4-6月期(第2四半期)には30社以上になった。
ただ、調査会社ディールロジックによると、それでもまだ今年のIPO市場は金融危機以降で最悪になる見通しだ。
銀行関係者やアナリストらによると、IPO市場は過去数年にわたり活況を呈してきたが、今年の前半に起こったさまざまな問題が同市場に対する見通しを弱めている。今年の初めには株式相場が乱高下し、2015年に上場した企業の株価が低迷し、伝統的に新株の買い手であるファンドマネジャーの運用パフォーマンスがさえなかった。
この結果、企業のIPO価格が控えめな水準に設定され、新規上場銘柄の株価が比較的強いパフォーマンスを示すことが多くなった。
各年に実施された全てのIPO件数のうち、予想レンジを上回る公募価格を付けた件数の割合 https://si.wsj.net/public/resources/images/MI-CQ385_QMSTOC_16U_20160630164506.jpg
今年に入ってからのIPO件数は少ないものの、新規上場した会社の株価はしっかりと推移している。2016年に上場した企業の株価は平均でIPO価格を16%上回っている。これは昨年を上回るパフォーマンスだ。ディールロジックによると、2015年に上場した企業の株価は、6月29日まででIPO価格に対して平均11%下落していた。
過去5年間に実施されたIPOのうち、IPO価格が予想レンジを上回ったのは2割ほどだ。ディールロジックによると、今年に入ってから実施された42件のIPOのうち予想レンジを上回る価格を付けたのは1件しかない。
ソフトウエア企業のトゥイリオは6月22日に予想を上回るIPO価格を付けたが、こうした新規上場企業が出たのは196日ぶりだった。2008年5月から09年4月までの343日間、IPO価格が予想を下回り続けることはあったが、金融危機以降では196日間が最も長い記録となる。同社の株価はIPOから140%超上昇している。
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