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英国離脱の報じ方
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52810168.html
2016年06月27日 在野のアナリスト
未だに英国のEU離脱が世界を動揺させていますが、まず署名が離脱反対の署名が370万人集まった、残留派の声が大きい、という見方は誤りです。今回の結果は、残留派に不満や怒りを溜めることになった。だから声が大きくなり、満足した離脱派は声が小さくなったに過ぎません。逆の結果なら、逆の行動がおきたでしょう。ただ恐らくそうなると日本のメディアの扱いは小さくなり、離脱派が何かごちゃごちゃ言っているけど…的扱いになったはずです。
若年層は残留が多く、老年層は離脱が多い、なので若年層にコメントを求め「私たちの未来が奪われた」的な報道にも注意が必要です。日本は高齢者ほど投票率が高く、まさに高齢者が未来を決めている状況です。しかし「奪われた」とは言わない。それが民主主義だからです。どんな問題でも、若年層はかつて若年層だった人間たちがつくった今を、何とかして生きていかなければいけない。例えば、もし安保法制に10代の大半が反対だったら? その声をとり上げて「未来が奪われた」などと報じるか? 答えはNOでしょう。メディアが自分たちに都合の悪いことを、世論を盛り上げるためだけにとり上げているに過ぎないのです。
ただ離脱派がEUへの負担金を週480億円としていたものが、実は160億円だったなど、ウソだったことが次々と明らかになっています。しかしポンドはユーロより下落率が高く、離脱が正式に決定するまで、ポンドベースでみると負担が重くなるとみられます。ウソが現実になってしまうのかもしれず、かつ負担金だけで当面、財政を圧迫する要因になりかねない。ひいては財政政策などにも影響する恐れがあり、景気には深刻かもしれません。
ただしそれとてウソをついたからといって、再国民投票ということになり難いのは、それも民主主義だからです。だからこそ、何が正しいのか? といった報道機関の監視が重要だったのですが、英紙は離脱、残留で2極化された。そうなると離脱派は離脱派の新聞を、残留派は残留派の新聞を、それぞれ読むようになる。結果としてどちらの派も煽りのような記事に流され、視界が狭められてしまう。むしろそれが民主主義の危機でもあるのです。国民が冷静な、客観的な視点で分析された記事を目にする機会を奪われる。それで正しい判断ができるか? かなり難しいといわざるをえないのでしょう。
翻って日本のメディアはどうか? 最近では中道のメディア、記事をみつけるのが大変です。個人的には色がついていても見抜ける程度のものですが、国民全体に色のついた記事かどうか、判断するのは困難でしょう。まさに民主主義の危機を迎えているといえます。例えば今日の株式市場、メディアが楽観を煽り、英国の離脱派を不利に、残留派を有利に報道するためか、日経平均は大幅反発しました。しかし先物の動きだけをみると、日系が24日に売った半分を買い戻した形であり、悲観の極から奇妙な楽観へとまきもどった印象です。
しかしこれは長期に亘って影響するもので、しかも残留派が動いたとて、事態を変えるのは中々容易ではない。市場の動揺を収めよう、とする動きかもしれませんが、奇妙な楽観をばらまけば、ふたたびショックを大きくしてしまいます。そうしたショックをくり返すと投資家が減り、さらにショックを受けやすい市場環境になる。これも投資家に正しい情報をどう与え、判断に生かすことができるか、という点ではとても重要なのでしょう。
今回の英国の国民投票をポピュリズムとする向きは、結果的に民主主義に大切な、正しい情報を与える、という役割を放棄していると感じます。総じてそう報じるメディアは、安倍ノミクスを「道半ば」とし、これから何か良いことがあるのか、といった印象を与える報じ方をします。しかし道半ばで、すでに株価が15000円近辺で推移する。上がったものが下がってきて、再浮上する目があるのか? といったことを報じようとしません。市場関係者が安倍ノミクスを「ふかす」と言われても反応しない。それはもう道半ばであろうと、斜陽であることを誰もが意識しているからなのです。正しい報道のない国には、それこそ「未来はない」のです。「道半ば」後半をひっくり返してよむと「バカな道」、それが現状の安倍ノミクスという方向性であることは、正しく報じないといけないのでしょうね。
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