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情報希薄地帯探訪 G7より興味深いAIIBと上海協力機構(世相を斬る あいば達也)
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/330.html
投稿者 笑坊 日時 2016 年 6 月 26 日 16:15:38: EaaOcpw/cGfrA j86WVg
 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/8d377eead6ad324d8ff3ac9dddc20037
2016年06月26日

欧米による欧米の「国際社会」プロパガンダ報道が幅を利かせている我が国日本で、中国やロシアの情報を拾い集めるのは結構時間が掛かる。日本の多くの経済学者や、中国通の話を聞いていると、今にも中国経済が破たんし、中国共産党が崩壊し、中国で内戦でも起きるような言説を、目にすることが多いが、以下のような情報からは、中国経済が今にも破綻するような気配はなさそうだ(笑)。

今夜は、時間がないので、以下に、ロシア・スプートニク日本、ロシアNOW、人民網日本語版‥等の目についた記事やコラムを引用しておく。興味のある方は、一読して頂きたい。日本では、政権の姿勢に配慮してか、「中国は無視しても大丈夫」と云う言説がまかり通っているが、その多くは「閉ざされた歪曲隠ぺいの情報空間」で起きている事で、日本人は、相当根深い勘違いをしているように思う。たしかに、真っ当なお国柄でないのは事実だが、”政令経熱”、“政冷民熱”でやっていれば大丈夫と云うのは間違いだろう。経熱も民熱も最近は怪しいわけで、英国同様に流動的になっている。

≪ アジア投資銀、81カ国へ=加盟国でADB上回る

【北京時事】中国主導の計57カ国によって発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)の第1回年次総会が25日、北京で開かれた。来年初めに少なくとも 24カ国が新たに加わり、加盟国数は日米主導のアジア開発銀行(ADB)の67カ国・地域を上回る81カ国に達する見通しだ。

 金立群総裁は総会 で「2017年初めから新メンバーが加わることを楽しみにしている」と期待を示した。創設メンバーに続く第2陣の加盟申請は今年9月末に締め切るが、既に 24カ国が参加意向を伝えてきている。新規加盟する具体的な国名は現時点で不明だ。 ≫(時事通信)


≪ 上海協力機構の道は歩むほどに広くなる

・上海協力機構創設から今年で15年になる。この記念すべき年の6月23日、第16回上海協力機構首脳会議がウズベキスタンの首都タシケントで盛大に開幕する。(文:王新俊・軍事科学院軍事戦略研究部国家安全戦略研究室研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

・世界の政治、経済、安全保障情勢に大きな変化が生じる中開かれる今回のサミットは、過去15年間の経験を総括し、今後10年間の発展のビジョンを描き、多国間の経済・貿易・安全保障・人的・文化的協力関係の発展を後押しするとともに、インドとパキスタンの加盟プロセスを推し進めることを課題としている。したがって、重大な意義を持ち、重大かつ長期的な課題を扱うこのサミットを、国際社会は一致して注視している。

・上海協力機構は2001年の創設から現在までに、すでに15年間の道程を歩んできた。過去15年間に、加盟国間のテロ対策協力、経済・貿易関係、人的・文化的交流の促進に重要な貢献を果たした。過去15年間に、平等・尊重、互恵協力の過程において、「相互信頼、互恵、平等、協議、多様な文明の尊重、共同発展の追求」を核心的原則とする「上海精神」を徐々に探り、形成した。

・まさにロシア・グローバル安全研究所のスミルノフ所長が述べたように「上海精神」は上海協力機構の魂であり、その成功の秘密でもあるのだ。この「魂」があるゆえに、われわれには上海協力機構の道が歩むほどに広くなり、歩むほどに明るくなることを信じる理由がある。

・近年、世界の経済危機は続き、地域の衝突・紛争問題は絶えず、国際テロ対策は厳しい状況にあり、様々な災禍が頻発し、人類にとって大きな脅威や試練となっている。とりわけ、現在も世界金融危機の余波が続き、世界各国の経済発展、民生推進にとって大きな圧力となっている。いかにして上海協力機構の強みを発揮し、域内各国の発展戦略推進に貢献し、地域の安全・安定および各国民の幸福を増進し、地域経済の持続的発展を後押しするかは、上海協力機構の直面する重要な課題であり、今回のサミットの中心的議題でもある。

・今回のサミットは上海協力機構の今後10年間の発展に向けたロードマップを策定する。2015年のウファサミットで、上海協力機構は2025年までの発展 戦略を発表した。今回のサミットでは同戦略を実行に移す具体的な措置とステップをさらに定める。これは上海協力機構の今後10年間の行動計画となる。上海協力機構は、チャンスと試練が共にある発展の新たな時期を迎える。これまでの協力の成果を揺るぎないものにし、協力の分野を開拓して広げ、協力の質と効率を高めることは、上海協力機構にとって今後の三大課題だ。

・中国は上海協力機構加盟国の中で経済規模が最大であり、いかにして中国の「一帯一路」(1ベルト、1ロード)発展戦略と他の加盟国の国家発展戦略との連結を実現するかは、中国が考える必要のある課題であると同時に、他の加盟国が共に協議する必要のある課題でもある。

・2015年の上海協力機構ウファサミット以降、「一帯一路」イニシアティブとユーラシア経済連合および各国の発展戦略の連結推進という議題について、人々 は話し合いを多く重ねてきた。現在では「一帯一路」建設の推進、自由貿易圏の構築、上海協力機構開発銀行の設立は、いずれも上海協力機構の実務協力および 経済統合を後押しする建設的提案だというのがコンセンサスとなっている。

・地政学的状況の動揺を背景に、上海協力機構は他国を引きつける力を増し、現代の国際関係体制において最も影響力と呼びかけの力を持つ国際組織の1つとなっている。だが今後もなお政治、経済、安全保障、人・文化分野の協力の効率を高め、他の国際組織との開放と調整を強化し、地域の問題とグローバル・ガバナンスに一層関与し、世界と地域の平和・発展に一層貢献する必要がある。(編集NA)
≫(「人民網日本語版」2016年6月24日)


≪ 中露首脳会談 海洋権益で連携 「地球規模」声明

【モスクワ真野森作、北京・石原聖】ロシアのプーチン大統領は25日、北京を公式訪問し、中国の習近平国家主席と会談した。国営新華社通信によると、双方は「地球規模の戦略的安定の強化」に向けた共同声明に署名した。会談後、プーチン氏は南シナ海についても協議したと述べ た。ロシアが南シナ海問題で従来より中国寄りの姿勢を見せ、海洋権益問題での共同歩調をアピールした形。両首脳はサイバー空間の発展に向けた共同声明のほか、エネルギーやインフラ分野など30以上の協力文書に署名した。

 新華社によると、習氏は「双方は核心的利益に関係する問題で相互に支持すべきだ」と訴えた。「核心的利益」とは領土保全など譲歩できない国益を指す。これに対し、プーチン氏は「核心的利益と重大な関心を持つ問題で相互に理解し、支持することを望む」と応じた。

 ロシア通信によると、会談後、プーチン氏は「シリア情勢や南シナ海の平和と安定の維持などについて話し合った」と述べたうえで「露中の観点はほぼ一致している。今後も国連などで緊密な共同歩調をとる」と言及。習氏は「国際情勢が変化するほど、相互支援と戦略協力を強化する必要がある」と述べたという。

 ロシアは2014年3月のクリミア編入などによる欧米の経済制裁下にあり、中国は南シナ海問題で仲裁裁判所の判断を控える。今月、沖縄県・尖閣諸島の接 続水域を中国軍艦が航行した際、ロシア軍艦も同水域にいたため、尖閣問題で中露が連携したとの見方も浮上していた。

 両首脳は昨年5月に調印したロシア主導の「ユーラシア経済同盟」と中国の「一帯一路」構想の連携協力についても具体策を協議。両首脳は23日にウズベキスタンでの「上海協力機構」首脳会議で会談したばかり。3日間で場所を変えて2度の首脳会談を行うことは異例だ。  ≫(毎日新聞)


≪ 北京でプーチン・習公式会談行われる

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席による会談の公式セレモニーが、北京の人民大会堂前の広場で行われた。 プーチン大統領は、上海協力機構首脳会議が開かれたウズベキスタンの首都タシケントから北京入りした。この会議の際にも、プーチン大統領は、習国家主席と会談した。 セレモニーの後、プーチン大統領と習国家主席は、最高首脳同士の会談のため人民大会堂に入った。これまでにプーチン大統領は、すでに、張 徳江全国人民代表大会常務委員会委員長及び李克強首相と交渉を行った。  ≫(Sputnik)

≪ 習国家主席 「中ロのパートナーシップは国際政治の健全な発展に貢献」

中国の習近平国家主席は、ウラジーミル・プーチン大統領との会談で「中国とロシアの戦略的パートナーシップと協同行動は、地域及び国際政治の健全な発展に寄与している」と指摘した。 習国家主席は次のように述べた―「ここ数年、我々は、大変密接なコンタクトを維持している。それによって我々は、中ロの戦略的パートナーシップと協同行動の高いレベルの関係を維持できている。そうすることで我々は、地域及び国際政治の健全な発展に貢献している。」 このように述べた習国家主席は、また、先日タシケントで行われたばかりの上海協力機構首脳会議の成果に満足の意を表した。 ≫(Sputnik)

≪ ロ中 自国通貨での決済を拡大

ロシアと中国は、自国通貨での決済を拡大する。北京訪問中のプーチン大統領が、明らかにした。 大統領は、そうした方法をとれば、外の景気に左右されることが少なくなると指摘し、次のように述べた― 「外の景気に左右されるのを少なくするために、我々は、相互決済における自国通貨の使用を拡大する。そうした支払いにおいてルーブルが占める割合は 3%だが、人民元は、はるかに大きく9%である。おまけに人民元の割合は、ロシアに人民元取引のための決済清算センターができた後には、目に見えて増える に違いない。」 ≫(Sputnik)

≪ 英国のEU離脱問題
(2016年6月25日 オレグ・エゴロフ、ロシアNOW, エカテリーナ・シネリシチコワ、ロシアNOW )

 イギリスは、欧州連合(EU)から離脱する公算が大だ。ロシアの政治家および専門家の大半は、その原因は統合機関としてのEUの挫折であり、EUはさらなる試練に直面する、と考えている。

 6月23日の国民投票で、イギリス国民の大多数(52%)は、同国は1973年より加盟してきたEUを離脱するほうがよいと判断した。国民投票を発意してEU残留を訴えたデーヴィッド・キャメロン首相は、すでに辞任の意向を表明した。

■ブリュッセルの敗北

 ロシア連邦会議(上院)・国際問題委員会のコンスタンチン・コサチョフ委員長は、フェイスブックに「欧州の最も重要な統合プロジェクトは、目に見 える成果を挙げたものの、一般大衆にとって分かりやすく便利なものになるという主な課題を解決できなかった」と記した。同氏は、EUの官僚主義的な性格 が、テロリズムあるいは移民の流入といった新たな問題や挑戦への対応におけるEUの機動性を失わせている、という点を指摘している。

 マイケル・マクフォール前駐露アメリカ大使とツイッターで意見を戦わせもしたロシア国家会議(下院)のアレクセイ・プシコフ氏も、コサチョフ氏と 同じ見方をしている。マクフォール氏が「統一された強固で民主的な欧州の効用を信じるEU、英国、米国は敗者であり、プーチンは勝利者である」とツイートすると、プシコフ氏は「ロシアは、これに何の関係もない。それは、ブレキジット(英国のEU離脱)の反対者ら自らの敗北であり、バラク・オバマ氏自身の失敗である」と応じた。マクフォール氏は、プーチン氏がイギリス国民の選択に何らかの影響を及ぼしたとは言わないが、英国のEU離脱はプーチン氏にとって好都合である、と説明した。

■経済的な影響

 ブレキジットに関するニュースは、すでに欧州の有価証券市場における株価の下落を招いた。ロシア連邦貯蓄銀行(ズベルバンク)のゲルマン・グレフ 総裁は、株安はロシアにとっても打撃となりうるとの考えを示し、「これは、パニックとなり、ロシアの経済および交換レートならびにロシアの有価証券への投資家に対して極めて悪い影響をもたらす」と述べるとともに、それが市場の最初の反応にすぎない点を指摘した。

 ほかのロシアの経済専門家らは、株安は、短期的なものであり、ロシアには影響を及ぼさない、と考えている。アレクセイ・クドリン元財務相は、「英 国のEU離脱に関する決定は、残念なことかもしれない。しかし、金融市場に短期的な不安定が生じるとしても、破局は起こらない」と語る。同氏は、ブレキジットはロシアにはさして関係がない、とし、「ロシアには、もっと切実な自国の問題がある」と述べる。
 アントン・シルアノフ財務相も、クドリン氏と同じ考えであり、ブレキジットの後、ロシアは、油価の下落やルーブル安に直面するものの、国内の経済状況に対するその影響は、限定的なものとなる、と述べる。

■ドイツの優勢

 英国のEU離脱がロシアとEUの関係に及ぼす影響については、専門家らの見解が分かれている。国立経済高等学院・世界経済世界政治学部・総合的欧州国際研究センターのチモフェイ・ボルダチョフ所長は、「英国がEUから脱けると合意の形成が容易になるので、長期的にはかなり好い成果が現れる」と本紙 に語った。

 ボルダチョフ氏によれば、英国の脱けたEUでは、ドイツの存在感が増し、ドイツは、米国寄りの英国以上にロシアとの協力を意識する。同氏は、EU にとって、ドイツの優勢はEU内部の不安定化をもたらすものであるだけに、「最初のうちは、これ(ブレキジット)は、非常に好ましくないものとなる」と述べる。

■ロシアにとってのリスクと可能性

 ロシア科学アカデミー・欧州研究所・欧州安全保障課のドミトリー・ダニーロフ課長は、欧州が不安定化の危機を孕むという点ではボルダチョフ氏と意 見が一致しているが、欧州の不安定化はロシアにとって好ましくない、と考えており、「戦略的性格の乱流は、ロシアの利益にはならない」と本紙に語った。同氏によれば、英国の離脱後、EUに残留する欧州諸国は、政治的問題に関するものを含めて結束を維持し連帯を図ろうとし、それが、ロシアに対する強硬な姿勢に現れる可能性もある。

 一方、同氏は、弱体化したEUが外部のパートナーのうちに支えを求めうる点を指摘する。まず第一に、それは、米国について言えることだが、EUは、ロシアとの協力も活発化しようとする可能性がある。同氏は、「何らかの形でEUとの関係を推し進めてその関係を危機から救い出すチャンスは存在しており、それを目指すべきであると私には思われる」と述べる。 ≫(ロシアNOW)

≪ 日中関係が改善していると思っているのは日本人だけ

4月30日、中国・北京で岸田文雄外相が李克強首相、王毅外相らと会談した。国際会議を除いて日本の外相が中国を訪問するのは、2011年以来5年ぶりのこと。一歩前進を期待させる一方で、会談が暗示したのは「楽観は禁物」という脆弱な日中関係だ。
・近年、中国で沸き上がる訪日旅行ブームにより「日中の二国間関係も好転している」と感じた市民や企業人も少なくないだろう。日中関係は改善に向かっているかのようだったが、実は中国当局は内心腹を立てていたのである。

 それが現れたのは、会談中に中国側が示した「4つの希望と要求」である。そのひとつに「二度と中国脅威論をまき散らさないこと」という強めの文言がある。安倍晋三首相が国際会議の場で中国の海洋進出への批判を繰り返してきたことが、中国の癇(かん)に障ったようだ。

■改善ムードくっきりの2015年

 今年の春節、埼玉県のある友好団体が主催した賀詞交歓会の席で、中国大使館員が述べた言葉は印象的だった。 「2015年を節目に、日中関係は改善の方向に向かっている。複雑な問題が残されているものの、中国には『問題より解決策の方が多い』ということわざがある」――  会場のムードはそんな前向きなスピーチになごんだ。2012年に尖閣諸島を国有化して以降、数年に及んだ「堅い空気」はすっかり取り払われたかのようだった。

 2015年を振り返れば、安倍首相は4月、訪問先のインドネシアで、習近平国家主席と会談した。2014年11月の北京での会談で険しい表情を崩さなかった習氏が一転してにこやかな表情になり、習氏が「中日関係は改善してきた」と述べたことは日本でも話題となった。 同年5月、自民党の二階俊博総務会長率いる民間人3000人が、北京の人民大会堂を訪れた。夕食会には習氏も出席し演説を行った。「両国人民の友好を子々孫々続けることを心から期待する」とした「習演説」について、日本の外交専門家は「『対日牽制』より『民間交流への期待』の色合いが強い」という解釈を与えていた。

 戦後70年を迎えるにあたって安倍首相が8月に発表した「安倍談話」についても、中国は厳しい批判を見せなかった。続く9月には「抗日戦争勝利70年」の式典が北京で行われたが、この軍事パレードについて中国政府は「特定の国に向けたものではない」と、再三強調した。

 戦勝記念日の連休中、愛国運動の激化を怖れて多くの日本人が上海から退避したが、結局何も起こらなかった。同月、日本政府では安保関連法案が成立したが、これに対する中国外交部報道官のコメントも極めて冷静なものにとどまった。

■中国の日本企業も「やりづらい」

 確かに日中間には、こうした空気の変化が存在した。だが明けて2016年、日中関係の先行きがかすんでくる。筆者は2月末、上海で何人かの日系企業の管理職と面会したが、意外にも耳にしたのは「日中関係はいいとは思わない」という声だった。

 大手日本メーカーの中国人幹部のひとりは次のように語った。 「日中関係が改善していると思っているのは日本人だけ。現地での企業経営のやりにくさは、2011年の反日デモ以来、大きな変化はありません」  2015年から転じたといわれる関係改善ムードだったが、中国における企業経営の現場でその実感は乏しい。またその変化を鵜呑みにできるほど中国は日本に対して寛容でもないという。

 前出の幹部は「恐らく南シナ海の問題かもしれない」と手をこまねく。中国では「日本が中国の海洋進出に難癖をつけていることが中国を怒らせた」と 語られており、中国の態度硬化の原因は、南シナ海における人工島造成をめぐりアメリカと歩調を合わせて中国を牽制する日本であると、昨年末から憶測が流れていた。

 一方、それが明らかになるのが今年3月の全国人民代表大会(全人代)である。これに合わせて開催された記者会見で、日本の新聞記者が王毅外交部長に対し、「日中関係は実際好転しているのか、改善していないのか」と質問した。

 中国中央テレビの報道によれば、王毅氏は記者会見で次のように述べ、日本政府の二枚舌を批判している。 「日本政府と指導者は、一方で関係改善を叫びながら、一方で中国にとっての厄介ごとを探している。“二つの顔を持つ”ということの典型的な事例だ」

 さらに「病根は絶つべき」とし、「関係悪化の病根は日本の政治家の対中認識にある」と主張、「中国は友人なのか敵なのか、日本はこの問題を真剣に考えるべきだ」と語った。

 そして、4月30日に行われた会談では、王毅氏は日本に「4つの希望と要求」を突きつけたのだ。「1つの中国の原則を守れ」「中国脅威論をまき散らすな」「中国を対等に扱え」「中国への対抗心を捨てよ」とする「要求と希望」からは、安倍政権の対中政策への不満が見て取れる。「病根」は安倍首相その人だというわけである。

■日中関係は「政冷民熱」か

 1978年に日中平和友好条約が締結されると、1980年代を通じて日中関係は「蜜月時代」を迎える。しかし、90年代以降は教科書問題や靖国参拝など歴史をめぐる話が何度も蒸し返され、ナショナリズムに火がつくこともたびたびあった。

 もともと盤石とは言えない日中関係は、これまでの歴史に見るとおりだ。その先も大きな期待はできないと筆者は予測するが、それでも注目すべき変化がある。

 それが、前回のコラム(「日本は理想郷」ネオ親日派は中国を変えるか)で述べた“訪日旅行ブーム”である。政治面では関係改善には至らないながらも、中国の民間では“日本ブーム”が到来している。日本の商品やサービスのみならず、産業転換や社会制度に関心を持つ中国人が徐々に増えているのだ。

 言ってみれば日中関係は、政治は冷めているが民間はそれなりに熱いという“政冷民熱”状態にある。依然としてアンバランスな関係には変わりはないし、「楽観は禁物」である。だが、それでも望みがあるとすれば「民の成熟」である。日中関係は世代交代と市民の成熟とともに、異なる展開が生まれてくる可 能性がある。  ≫(ダイアモンドONLINE:国際・China−Report・姫田小夏)

 

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