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英国のEU離脱に対する日本政府の対応
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52810033.html
2016年06月25日 在野のアナリスト
英国によるEU離脱の余波が、まだまだつづきます。しかし英国民投票をポピュリズムだ、と批判する向きには注意も必要です。その論調は自分にとって都合の悪い結果を批判するためのものです。民主主義は須らくポピュリズムです。極論すれば、安倍政権もポピュリズムの結果誕生し、当選後に政治家が国民から付託をうけた、として勝手にエリート主義を標榜する、というに過ぎません。あらゆる物事を民主的に解決しようとすれば、実はすべて国民投票にした方が民意の反映、という意味では正しいのです。ただそんなことをすれば煩雑なのと、コストの面から大変なので代議員制を布いているに過ぎない、ということでもあります。
金融庁、財務省、日銀が臨時会合をしていますが、これはパフォーマンスです。ナゼならまだ何も起こっていないから。市場は急変動しましたが、それは市場が事前に残留という楽観を織りこみ過ぎていたからで、金融システムに何らのトラブルが発生したわけではありません。市場に介入するなら別ですが、当局にできることは何もない。現状を確認するだけなら、電話やメールでも事足ります。何かやるかも、とのアピールのためです。
しかし為替もすでに安定し、対ドルで102円台で推移していますし、株価もシカゴ日経平均先物は15100円台に切り返している。急変動で介入、というイイワケも通じず、当局ができることは何もない。しかしもう1つの理由は重大です。それは安倍政権が残留で決まり、と油断していたため、安倍首相も菅官房長官も官邸を離れていたことで、急変動でも何もできなかった。昨日のような為替の急変動を起こしても介入できなかったことは痛恨です。為替なら対ドルで一気に7円幅で動いても急変動でない、と政府が認めたことになるからです。次に介入するときは、この水準が一つの基準となり、それを変えるには説明も必要です。つまり今回、残留で決まりと高をくくっていたため、ケースを想定した対策をマニュアル化する、といった準備もされていなかった。指揮命令系統の不在と、対応も決まっていなかったことで、動揺する市場を放置した。安倍政権の状況想定能力のなさ、稚拙な対応が、今後の市場においても大きな禍根を残した、とも云えるのです。なので、それを失態、失敗と見なされないため、臨時会合を開いて「やるぞ」と見せかけなければならなかったのです。
しかも安倍政権の関係閣僚会合が夕方になったのも、遅きに失した感じもある。麻生財務省や石原経済再生担当相は東京に残っていたものの、大した声明もだせず、市場の乱高下に任せてしまった。これが危機管理能力のある政権か? というと首を傾げざるを得ないのでしょう。それは安保をはじめ、周辺事態においても同じです。中国や北朝鮮の脅威を謳う割りに、簡単に首相も官房長官も官邸を空けてしまう。対応も決まっていないのに、です。もし官邸にいても対応がつかないのかもしれませんが、実はこれまでの歴代の政権の中で、もっとも危機管理能力に欠けているのが、安倍政権と云えるのかもしれません。
しかも「金融システムの安定を…」「G7と協力し…」などと、会合後に安倍氏は語っていますが、実は日本がもっとも悪い影響がうける、とされているのに、日本単独では対応ができないことを示しています。それは、日銀はすでにマイナス金利、国債の大量購入と資金供給量には限界もある。株価にしても年金や郵政などの資金はすでにつっこんでおり、下支え役が不在なのです。つまり安倍ノミクスの結果、日本は危機に際しても対応のできない、非常に脆弱な状態になってしまったのです。これからも市場に弄ばれても、何もできずに海外に頼る、といったケースが増えてしまうのでしょう。そんな日本市場だからこそ、悪影響も大きいといえます。英国のEU離脱、という新たな世界の形を求める中で、日本が主体的に行動することもできず、また世界を支えるといった存在感を示すでもなく、むしろ助けを請う、といったケースもでてきてしまうのかもしれません。ポピュリズムは大衆迎合主義、とも訳されますが、その対極にはエリート主義があるとされます。そのエリートたちが決めること、意外と大したことがないばかりか、間違いも多い、というのが改めて意識されるのでしょう。その結果、大衆の怒りが変革へ向かう、ということにもなるのでしょうね。
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