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「弁護士を入れたので電話するな」…あの有名企業に詐欺疑惑浮上!被害者が告訴準備(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/217.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 23 日 01:06:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「弁護士を入れたので電話するな」…あの有名企業に詐欺疑惑浮上!被害者が告訴準備
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15598.html
2016.06.23 文=新田龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト Business Journal


 山梨県に本拠地を置く、昭和22年(1947年)創業の歴史ある鉄工所・Y社。「後世に残す鉄骨を作る」を社是とし、山梨県立図書館の鉄骨をはじめ、関東一円の地域を代表する建築物の鉄骨や、高難度の鉄骨を製作している会社だ。

 取引先には清水建設やフジタなど大手ゼネコンが名を連ね、業界団体である一般社団法人山梨県鉄構溶接協会の理事も務める。また、厚生労働省による基準を満たした若者応援企業でもある。これは、一定の労務管理の体制が整備され、35歳未満の若者の採用・育成に積極的で、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を公表する中小・中堅企業を指す。

 そんなY社のグループ企業が、取引先企業に対して出資金詐欺を行い、かつ計画倒産を図った疑惑が持たれている。

■事件概要

 被害者はA社。加害企業は、Y社が出資し同社会長の子息B氏が経営していた輸入商社のB社である。A社代表のA氏とB氏は長年の付き合いがあり、商材の取引関係もあるという親密な関係性であった。

 2013年4月、B氏からA氏に対して連絡があった。B社が宝飾品の加工工場を買い取ったのだという。山梨県ではそもそも宝飾品加工業が盛んであったため、A氏は知らせを聞いて、その方面にも進出していくのだな、という程度の認識しかなかった。

 加工場を運営しているのはまた別会社のC社で、同社に対してはB氏のほか、Y社からも出資がなされていた。山梨まで赴き、C社代表のC氏を引き合わされたA氏は、その場でB氏から以下のように、好条件の取引を持ちかけられる。

「貴金属業者はリース取引などを利用して、貴金属の調達や運用を行っている。リースの金利は、貴金属業者の収入源ともなっている」

「当社は受注状況がよくて金地金のニーズがあるが、C氏が以前に銀行借入をリスケしたことがあるため、現在銀行から金地金購入資金を借りられない」

「現金仕入れが難しく、周囲の会社から高利率で金地金を借りざるを得ない状況のため、利益を圧迫している」

「だから、仲のいい数人の友人に声掛けして、金地金購入のための出資を募っている」

 出資は私募債として、月当たり3%、年率36%の配当を約束するという。条件としては良い話であったが、A氏はその時点では資料を受け取っただけで終わった。かかる打ち合わせが終了後、たまたま外にいたY会長のY氏に対して、B氏はA氏のことを「出資してくれるビジネスパートナー」だと紹介した。

 B氏とC氏はA氏に対し、将来的にはY社がC社を買収する予定であり、「万一支払が滞った場合には、Y社が支払を保障する」という条件を提示するとともに、B氏もC氏も個人で保証人となるから、この取引はA社にとってノーリスクである、と請け合った。

■出資以降

 A氏は当初、2,000万円を3年契約で出資する契約を結び、その後翌年までに1億円超まで積み増した。当面は毎月、契約通りの配当金を受け取ることができていて、14年末までに出資した総額の1億3000万円に対し、配当総額は7700万円までに達していた。

 しかし15年に入り、B氏の様子がおかしくなってくる。これまでは自社で加工するための金地金購入を目的とする資金需要ということであったが、こんどは「パキスタンの王族が支配している鉱山開発に出資する」と言いだしたのだ。B氏は「パキスタンの大物が地元の銀行を買収し、そこに日本から三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ヤマダ電機、森永乳業、セブン&アイ・ホールディングスなどが入り込もうとしている」「我々も金の採掘に乗り出す」と説明した。

 15年2月、B氏からA氏宛に連絡が入る。遠方のオフィスまでわざわざ訪問したB氏はこう告げた。

「月末に清算するためのお金を用意できなくなったので、支払を3月まで待ってほしい。絶対に裏切らないから」

 しかし、A氏はB氏の様子に不安を感じたため、翌日社員をB社事務所まで赴かせて、現金の預かり証などを確保してきた。出資に際して、A氏は振込ではなく現金で受け渡しをしており、書類なども取り交わしていない状態であったからだ。

 同日夜、A氏は「これまでに取り交わした契約書を社員に受け取りに行かせるから」、とB氏に電話で伝えたが、B氏とはそれきり連絡がまったくつかなくなってしまったのだ。

 翌日、山梨に向かったA氏はC氏を訪ねた。C氏は「お金は全部B氏が使った。私もB氏にお金を渡している。自分も被害者だ。Y社会長も何も知らない」と答えた。A氏は弁護士に相談したが、出資金については「もう戻ってこないですね」と言われ、暗澹たる気分となった。

■突然の破産申請

 その後、裁判を決意したA氏は、今回の出資話についていろいろと調査を始めた。確認したところ、A氏と同様に投資した人も複数おり、全員同じように「Y社が尻拭いする」という話を聞き、安心して出資を決断していたようだ。

 そもそも、最初に聞かされたC社による「金地金取引のための購入資金」というお話自体が嘘であったことが判明した。C社自体も売上がなく、その運転資金として流用されていたようであった。同社はその申告もしておらず、粉飾決算していることも判明した。

 しかもさらに悪質なことに、C社側は「A社に金を貸して、回収できなくなった」として破産申請を出した。しかも、破産申請と同時期に別会社をつくって業務を移転し、社屋も機材もそのまま使ってビジネスを継続している。

 A氏はY社会長に電話で窮状を訴えたが、「弁護士を入れたので電話するな」と冷たくあしらうのみであった。しかも、会長はB社とC社ともに役員として名を連ねていたにもかかわらず、破産申請直前に役員を辞任していることが判明した。これは明らかに出資金詐欺、計画倒産であるといえよう。

■被害者は告訴の準備

 本件一連の経緯について、主要取引銀行である山梨中央銀行(和戸支店)、およびみずほ銀行(甲府支店)に問い合わせを行ったが、前者からは回答がなく、後者からは取引先のことは回答できない、との返答であった。

 また、同様にY社会長にも文書にて取材を行ったが、会長個人の代理人を名乗る弁護士から「取材に応える義務はない」との返答であった。また当該返答書面には「一連の件について、地元新聞社等からも取材がなされているが、これらは虚偽風説の流布にあたる」と回答しており、地元マスメディアの注目を集めている事件であることを自ら認めながら、あくまで罪は認めない姿勢を貫いている。

 このままでは進展が見込めないと覚悟したA氏は弁護士と相談し、Y社に対して刑事と民事両方で告訴の準備を進めている。

(文=新田龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト)
 

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