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英国の国民投票と日本への影響
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52809719.html
2016年06月20日 在野のアナリスト
一部の世論調査で、自民支持が急減、政権支持率も5pt落ちるところもあるなど、選挙戦序盤とはいえ、かなり与党に厳しい結果がでています。舛添都知事の問題を、疑惑も解明せずに幕引きする自公、ということもありますが、安倍官邸が読み違えたのは消費税増税を延期し、景気に配慮したら、選挙で重視することが「社会保障の充実」だった点です。増税延期で、社会保障も一部執行の後ろ倒しとなるなど、逆行する形となった。安倍政権は安倍ノミクスを「前に」と争点にしようとしたら、有権者の判断はまったく違った、ということです。
財務省の代弁者、とみられることも多いIMFは消費税増税15%まで引き上げるべき、としました。一方で実質実効為替レートは現行が妥当、と日銀や政府とも異なる判断を下した。英国離脱なら介入も辞さず、といってみたところで、国際社会からまた一つ梯子を外された恰好です。今日の株式市場は大幅高で、英国によるEU残留観測といいます。ただ、今はそれを材料にイベントドリブンの動きをしているだけで、実態とはほど遠いところで市場が右往左往しているだけです。そんな英国の動きが日本に与える影響を考えてみます。
結論を先に書けば、離脱でも残留でも短期ではほとんど変化がありません。仮に離脱になったとしても、EU側との交渉が待ち構えますが、残留派のキャメロン首相が交渉の任に当たるわけにはいかないので、選挙になる可能性が高い。そこで残留派が政権をとり、EU側と交渉しますが、例えば通商政策は現行通り、となれば経済的な打撃はほとんどないでしょう。つまり交渉次第で、様々なパターンが想定されるので、いきなり23日から関係が変化するわけではありません。つまり経済、財政にどんな影響が出るかはその交渉の行方をみる必要があります。ただ、もし仮に甘い条件で英国が離脱するとグレグジット、ギリシャを初めとするEU離脱を画策する各国の国民、政党を勢いづかせるかもしれません。
仮に残留となった場合、これだけ国論を二分する罵り合いになれば、嫌でも遺恨が残ります。すると次の議会選挙で、離脱派が大躍進する可能性があります。そして離脱派が勝てば、離脱派主導で改めて国民投票の実施でしょう。今、残留派の国会議員が殺害されたことで、残留派が有利とされます。しかし容疑者はネオナチの思想に染まり、銃の製造方法を検索、とする情報が流れるなど、かなりの危険人物であったことになります。そんな人物が銃を入手し、議員を襲うなど、実はキャメロン政権の危機管理能力が問われるはずでもあるのに、そうした議論がおこらない。これは当初から残留派に都合のよい情報だけが真偽不明のまま垂れ流されるなど、残留派のキャメロン政権が、残留に都合よいよう世論誘導をかけている可能性が高いのです。しかし離脱派が政権をとれば、逆に離脱派に都合よい形で情報が操作される可能性が高くなる。離脱派が勢いづくことにもなるのです。
短期では、上記のようにすぐのすぐ、何か影響がでるわけではないのですが、長期に亘ってこれは尾をひく問題になり、離脱派、残留派、どちらが勝っても経路がちがうものの混乱はつづくでしょう。では、日本に与える影響、実は経済面だけの話ではありません。
国民投票の混乱、それは安倍政権を震撼させます。何しろ憲法改正には国民投票が必要です。特に憲法改正はハードルが高く、また国論を二分する問題になりかねない。政権が2、3とぶことは覚悟する必要もある。安倍氏は保守層の繋ぎ止めに、ネット討論では憲法改正に言及しましたが、英国の事情をみるにつけ怖くて仕方ないでしょう。安倍ノミクスという禁断の手をつかっても、この程度の支持率で、憲法改正には届かないぐらいの勢力にしかならない。しかも時間軸でみればもう限界、憲法改正の発議から国民投票までの期間を考えたら、もたないことは自明です。英国の大混乱は、事実上安倍政権の改憲をしばったとみることも可能であり、むしろふれられたくない事がらなのかもしれません。
さらに市場、という意味では23日をすぎるとアク抜け感といった話もありますが、上記したようにどちらに転んでも大きな情勢変化がない限り、また起こる問題です。つまり残留によるメリットを、どこの国も感じ難くなった。残留派が勝っても現状維持、それでは満足しない。一度、離脱を経験してそのメリット、デメリットをうけてからでないと収まりがつかなくなっているのです。なので、今後も市場を大きく揺り動かす問題になることが確実です。
イベントドリブン型の市場の動きは、金融緩和によって力をもった面があり、特に日本で変動率を高めているのは、海外の長期投資家を手控えさせているからです。安定的な投資とは縁遠くなり、安倍ノミクスを「前に」どころか、市場は上に、下に、と大騒ぎになるのでしょう。しかも上より、下につく方がメリットも増えてきた。民主主義における選択の誤謬、安倍政権の誕生そのものも民主党政権の批判が発端でしたが、その結果として安倍ノミクスという愚かな経済政策を行い、より市場を弱体化させたのですから、英国の国民投票を笑ってみることもできない、ということになるのでしょうね。
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