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三菱が逃げ出し、ハゲタカにオモチャにされる日本市場
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2016年6月17日 日刊ゲンダイ 文字お越し
いつまでデタラメを続けるのか(C)日刊ゲンダイ
新聞テレビが「辞職」に追い込まれた東京都の舛添要一知事の「糾弾」と次期知事候補の「人気投票」に夢中になっている裏で、いよいよ日本経済が最悪の方向に突っ走り始めたようだ。
日銀は16日の金融政策決定会合で、年約80兆円の資金を市場に供給する金融緩和策と、民間銀行が日銀に預けている資金の一部に年0.1%の手数料を課すマイナス金利を維持することを決めた。
この日銀の「現状政策維持」のアナウンスに金融市場はすぐさま反応。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加利上げ見送りを決定したことで急騰していた円相場は、1年10カ月ぶりに1ドル=103円台に突入。東京株式市場では、急激な円高による企業業績への影響を懸念する「売り注文」が殺到、日経平均株価の下げ幅は一時前日比500円を超え、終値は1万5434円14銭と約4カ月ぶりの安値水準となった。
さらに債券市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時、前日比0.015%低い「マイナス0.210%」と過去最低を更新。参院選が迫る中、日銀が安倍政権の援護射撃で何らかのサプライズを打ち出すのではないか――との期待感が空振りに終わったとはいえ、日銀の決定会合の結果が「株」「為替」「債券」のすべてを直撃する事態は異常だ。経済評論家の斎藤満氏は「これほど一気に『円高・株安』が進んだ理由のひとつは、市場が日銀の金融政策はもはや限界にあると見透かしたから」と言い、こう続ける。
「すでに日銀の政策は万策尽きている。総発行額の3分の1を占めるほどまで買い進んだ国債をこれ以上、買い増すのは厳しく、マイナス金利の拡大に対しても銀行などの批判が強いためできない。何も手が打てないことがハッキリしたため、円高・株安の傾向が進んだわけです」
■舛添というコソ泥よりも黒田の方が悪党だ
それなのに日銀の黒田東彦総裁はきのうの会見でも性懲りもなく、「必要なら量・質・金利の3次元で躊躇なく追加的な措置を取る」なんてニヤケていた。これぞ寝言は寝て言えというものだ。そもそも黒田は13年4月に「2年で2%の物価上昇」を掲げて異次元緩和(黒田バズーカ)に踏み切ったが、3年経っても実現していない。4月の消費者物価指数は前年同月比0.3%下落し、2カ月連続でマイナスだ。ニッチもサッチもいかなくなって“禁じ手”のマイナス金利に飛びついたが、銀行業界などの猛反発を食らった上、消費者心理を冷え込ませて財布のヒモを固くさせてしまった。
「異次元緩和の失敗は明らかで、安倍政権が次に打つ手は財政出動しかありません。おそらく日銀を引受先にして国債をバンバン刷り、日本中にカネをばらまく。いわゆるヘリコプターマネーですが、そんなことをすれば金融秩序は崩壊する。国債の暴落は免れず、日本の貨幣価値は下がり、国民生活にも大きな影響が出るでしょう。この最悪シナリオだけは何としても止めなければなりません」(斎藤満氏=前出)
「バズーカ」という独り善がりの身勝手な政策で日本経済は今やガタガタ。舛添なんてケチなコソ泥よりも、日本市場をもてあそんで鉄火場にした黒田の方がよっぽど悪党だ。そんな黒田をスルーして、舛添叩きに血道を上げる“異常国家”を見ながらハゲタカファンドは高笑いしているに違いない。
特権を返上した三菱東京UFJ銀行(C)日刊ゲンダイ
「国策に従う」が社是の三菱が反旗を翻したワケ
黒田日銀は「量・質・金利」のすべての政策で失敗し、さらに国民生活を脅かしている――。これはメガバンクの雄、三菱東京UFJ銀行が国債の入札に有利な条件で参加できる「国債市場特別参加者」(プライマリー・ディーラー)の資格を返上する意向を国に伝えた事実から見ても明らかだろう。
プライマリー・ディーラーは、すべての国債入札で発行予定額の4%以上の応札が義務付けられる一方、財務当局との情報交換などの特権が与えられる。だが、日銀のマイナス金利政策を受け、国債を保有し続けると損失が発生しかねない状況になった。そこで三菱は「特権返上」に踏み切ったのだが、これにはもうひとつ別の意味がある。
〈事業の究極の目的は国のためにするということであって、その目的達成のためにベストをつくすことがわれわれの理想でなくてはならない〉
三菱中興の祖といわれる岩崎小弥太が社是で掲げた「所期奉公」だ。国策に忠実に従って事業を行うことが社会貢献につながる――という意味で、「三菱は国家なり」といわれてきたゆえんだ。
プライマリー・ディーラーは「国債の安定消化」という国策を維持するために作られた仕組みだ。その国策的な枠組みから離脱するのは三菱の社是に反すると言ってもいいだろう。しかも、渦中の相手は旧三菱銀行時代に21代目の総裁(故・宇佐美洵氏)を送り込んだ日銀である。
いわば“身内”と言っていい日銀に対し、三菱がなぜ反旗を翻したのかといえば、答えは決まっている。このまま唯々諾々と日銀の政策に従っていたらトンデモナイことになる。企業収益に結びつかないのはもちろん、「社会貢献にならない」と判断したからだ。
■このままでは戦前の「馬場財政」と同じ運命
エコノミストの高橋乗宣氏も本紙連載コラム(17日付)でこう書いている。
〈日本のトップ銀行として国債の安定消化を支えてきた三菱が特権返上にいたったのは、「もう、この政権には付き合い切れない」という強烈な意思表示だ。市中銀行の代表格として、反アベノミクスの旗色を鮮明にさせたのである〉
〈「国家のためにベストを尽くせ」というスリーダイヤの精神も、国債の信用を揺るがすバラマキ政権に、あえて身を切ってまで協力するのはごめんというわけだ〉
黒田日銀がどんなに詭弁を弄しても、これが市場のまっとうな見方であり、日本経済はそんな崖っぷちの状況に追い込まれつつあるのだ。それなのに安倍政権はこの期に及んで「アベノミクスをさらにふかす」とかいって暴走を続けているから正気じゃない。筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言う。
「アベノミクスの正体とは結局、国債を乱発して借金を将来に先送りしているだけ。黒田日銀はその片棒を担いできたが、そのツケがいよいよ表面化してきた。今の状況はやはり国債を乱発し、最後は物価の暴騰や国際収支の悪化などを招いた戦前の『馬場財政』と似ています。いずれにしても、このままいけば破綻は目に見えています」
舛添問題よりも深刻なのは、今の政府、日銀の無責任な姿勢なのである。
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