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LINEの画面(ロイター/アフロ)
LINE、赤字でも上場で経営陣個人が巨額利益…社員にも億万長者続出か
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15495.html
2016.06.16 文=編集部 Business Journal
無料対話アプリを手掛けるLINEがようやく上場にこぎ着けた。
東京証券取引所は6月10日に株式上場を承認した。上場日は7月15日で、東証1部になるとみられている。想定発行価格は1株2800円、上場時の時価総額は5879億円が見込まれ、今年最大の新規公開株式(IPO)となる。米ニューヨーク証券取引所(NYSE)にも米国預託証券(ADR)を同時上場する。米上場は現地時間で7月14日の予定である。
国内では公募1300万株、需要動向に応じて195万株を追加で売り出す。海外では公募2200万株、330万株の追加売り出しを実施する。公募は海外が63%で日本は37%と海外を多くした。主幹事は野村證券や米モルガン・スタンレーが務める。
想定発行価格1株2800円で計算すると、手取り資金は概算額で927億円。そのうち借入金の返済に422億円、設備投資に121億円、運転資金に250億円を充てる。電子商取引(EC)やコンテンツの分野で、有望なベンチャー企業のM&A(合併・買収)にも活用する。売り出しと合わせた市場からの吸収額は1000億円超になる模様だ。
LINEは2014年に上場準備を進めた。当時は時価総額1兆円との声が出ていた。何度か上場延期を繰り返すうちに、期待感が薄らぎ、上場時の時価総額は6000億円程度と4割も目減りした。
この間、SNSの世界の巨人との差はどんどん広がった。米フェイスブックの世界の利用者数は16億5000万人、時価総額は36兆円。中国テンセントの微信(ウィーチャット)は7億6000万人、23兆円だ。
LINEの世界の利用者数は2億1800万人。日本国内では6070万人が利用して知名度は高い。日本のほか台湾、タイ、インドネシアに利用者が多いが、世界のSNS利用者数ランキングでは7位にとどまる。地域限定の対話アプリというのが実情だ。
上場を機に本格的に世界を目指す。LINEが普及していない米国で上場するのは、フェイスブックに挑戦するという強い意思の表れだ。しかし、これまで欧米ではライバルの牙城を崩せていない。
■急成長を遂げたが79億円の赤字
LINEは韓国検索サイト大手のネイバーが親会社。11年6月に前身のNHNジャパンが対話アプリのサービスを始めた。日本で独自に開発したメッセージアプリ「LINE」が、イラストで感情を伝えるスタンプなどが人気となり、急成長を遂げた。現在は音楽や動画、ニュースの配信、デリバリーの決済業務なども行う。13年に社名を変更した。
LINEは国内では抜群の知名度を誇るが、非上場のためこれまで財務データを公表してこなかった。LINEが6月10日に東証に提出した「新規上場申請のための有価証券報告書」で、初めて財務内容や株主構成の実態が明らかになった。
15年12月期連結決算(国際会計基準)は赤字だった。売上高にあたる売上収益は39.7%増の1206億円。13年12月期は395億円、14年同期863億円と、右肩上がりの急成長を遂げた。
半面、15年12月期の当期純損失は79億円の赤字だった。15年3月期に買収した音楽ストリーミング事業に失敗し、撤退などに伴う損失118億円を計上したことが響いた。14年12月期は20億円の黒字だったが、13年同期は63億円の赤字。LINE単体の15年12月期の最終損益は167億円の赤字だった。
上場後は、四半期ごとに業績が評価される。収益を改善して黒字化することが経営の喫緊の課題となっている。
■ストックオプション付与で億万長者が続出か
LINEの役員11人のうち親会社である韓国ネイバー出身は4人。執行役員は17人のうち7人が韓国系だ。
株主構成は韓国系一色。直前にストックオプション(自社株購入権)を与えたため株主総数は1568人。筆頭株主は韓国ネイバーで持ち株比率は87.27%。個人の筆頭株主はシン・ジュンホ取締役CGOで保有株式数は1026万株だ。1株2800円で計算すると、保有株式の価値は287億円に上り、出澤剛社長の2.7億円を大きく上回る。
LINE単体の従業員1122名(平均年齢34.2歳)の平均年間給与は795万円。平均勤続年数は3年未満だ。グループ全体の従業員は3153名。LINEの上場で、ストックオプションで株式を手にした社員の中から、時ならぬ億万長者が続出することになるかもしれない。
■アイテムの「通貨」該当を逃れるために隠蔽工作
LINEは14年に上場のための審査が行われ、承認直前にLINE側が延期を決めた。親会社の韓国のネイバーは、LINEの支配権を維持するために普通株の10倍程度の議決権を持つ種類株を発行した上での上場を目指したが、「株主の公平性、平等」を強く要求する東証と意見の食い違いがあったといわれている。
だが、上場まで2年かかった本当の理由は、財務局との攻防にあった。LINE上場のネックとなっていたのが、スマートフォン用に提供しているゲーム内で使うアイテム(道具)が資金決済法で規制されるゲーム上の「通貨」にあたるかどうかという点が大きな争いとなった。
利用者が購入後に使っていない残高が1000万円を超えれば、発行会社は破綻に備え、半額を発行保証金として法務局などに供託することが義務づけられている。
4月6日付毎日新聞は次のように報じた。
「同社の担当者が昨年(15年)5月に社員らに送ったメールには『未使用残高が約230億円という莫大な額で、とても供託できる額ではありません』『1年近く前から通貨に該当する状況であったのに、届け出ずにいたことになりますので、処分を受けるリスクもあります』
などと記載していた。アイテムが『通貨』であれば、資金決済法に基づき財務局への届け出が必要だが、その後、同社はアイテムの用途を制限するなど仕様を変えることで『通貨に該当しないという説明が可能』と判断。7月に仕様を変更し、財務局には届け出なかった」
つまり、LINEは多額の供託金を逃れるために、仕様変更による“隠蔽工作”を行ったことになる。「通貨」だとの報告を受けたにもかかわらず役員らが隠蔽したのは問題ありとして関東財務局は今年1月、立ち入り検査に入った。
そして5月、関東財務局はスマホゲームに使うアイテムを資金決済法上の「通貨」に当たると認定した。通貨に認定したのは、パズルゲーム「ラインポップ」で使われるアイテム「宝箱の鍵」などだ。LINEが供託しなかったのは、「資金決済法違反に当たる」と指摘した。供託不足額は3月末で125億円に上る。
関東財務局の検査で、ゲームのアイテムが「通貨」と認定され、LINEは供託金を積むことを受け入れた。これで、ようやく上場のネックとなっていた問題をクリアし、三度目の正直で、上場にこぎ着けたのである。
(文=編集部)
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