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自動運転車の可能性を受け入れ始めた消費者たち
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160612-00012473-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 6月12日(日)8時30分配信
自動車技術は、消費者の心理よりも先を行っていることが多い。今では当たり前になっている多くの機能でも、導入された頃は懐疑的な見方があった。
エアバッグは、警告なしに作動する可能性が懸念され、標準装備が受け入れられるまでに時間がかかった。アンチロック・ブレーキにも抵抗する人が多かったし、パワーステアリングはドライバーから道路の感触を奪うという不満が出た。だが今ではどれも当たり前になっている。
自動変速装置もまた運転の楽しみを奪うと批判されたが、今では事実上、標準装備されている。電気自動車は価格と走行距離の懸念、そして充電に時間がかかることが需要を削いだ。だが走行距離が伸びて充電時間が短縮されたことにより、消費者の受容度に改善の兆候が見られる。
アメリカのドライバーたちはようやく、自動運転車を実用化に導く技術を認識し始めたところなのだ。自動車コンサルティング会社オートパシフィックが最近実施した調査では、回答者の40%が、自動運転車は2020年までにアメリカで実用化されると予想。28%はもう少し遅い2025年と予想した。
自動運転車について、彼らはどう考えているのだろうか。
ブランドイメージを向上させる
約72%が、最初に完全自動運転車を売り出す企業は技術的リーダーだと思うと回答。また約52%が、自動運転車を売り出すことはブランドイメージを向上させると回答した。技術リーダーシップは企業にとって強力な基盤であり、自動車メーカーやハイテク企業はその達成を目指して競争している。
グーグルの自動運転車の存在が明らかになったのに続き、日産とルノーのカルロス・ゴーンCEOが2020年までに自動運転車の実用化を目指すと発言。テスラは既に簡易な自動運転機能「オートパイロット」を実用化。同社のイーロン・マスクCEOは、アップルが2020年までに自動運転車を実用化するだろうと主張している。
身体障害者や高齢者にとって便利
自動運転車の恩恵を最も受けるのは、体に障害がある人だという考え方が根強い。回答者の約70%が、自動運転車は高齢者や身体障害者が必要とする時にモビリティー(可動性)を提供するだろうと回答した。
■自動運転車による懸念
信頼性に懸念
同時に、約62%が技術の信頼性に懸念を抱いている。多くの消費者の懸念を打ち消すには、テスト走行を重ねて、自動運転システムの信頼性を証明する必要がある。
安全性への懸念
約52%が、自動運転車の発売はメーカーが安全性を気にかけていることを示すと答えたのに対し、約48%は、コンピューターが故障すれば大事故が起こると考えている。また約26%は、自動運転車はその他のドライバーを危険にさらすと考えている。
運転技術の衰えを懸念
より熱狂的なドライバーの中には、ドライバーが自動運転車に依存しすぎるようになるという意見(回答者の65%)、自分の運転技術が衰える(63%)という意見があった。これがいずれ、より技術的に未熟で経験の浅いドライバーを増やすことにつながるという。
運転の楽しみを奪う
一般にドライバーたちが自動運転車を受け入れないのは、彼らの多くが運転が好きだからだ。ハンドルを握り、好きな時に好きなところに行けるというのは個人の自由の重要な一面だ。運転が好きで、誰かや何かのためにそれを諦めたくないという人は約56%。自動運転車は運転の楽しみを全て奪うと答えた人は約47%だった。約46%は、コンピューターに運転時の判断を下されるのが嫌だと答えた。
自動車メーカーやサプライヤ、ハイテク企業には、2020年または2025年までに自動運転車を実用化させるだけの力があるかもしれない。だがそれが消費者に受け入れられるかどうかは、安全性や信頼性、性能次第だろう。また最初は、価格も消費者の予想を上回る可能性がある。だが価格が落ち着き、日常の運転で上手く機能することが報道されれば、評価も受容度も高まっていくだろう。
George Peterson
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