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マンション高騰、一般人が手の届かない水準に…築浅の中古「掘り出し物」が安く買える!
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15445.html
2016.06.12 文=山下和之/住宅ジャーナリスト Business Journal
マンション、特に首都圏のマンション価格上昇が止まりません。不動産経済研究所によると図表1にあるように、2008年のリーマンショック後、首都圏のマンション価格は下落して、その後しばらくは横ばいが続きました。それが、12年の4540万円を底に上昇に転じ、3年間で1000万円近く上がって、15年には5518万円に達しました。大都市圏では地価も上昇が続いており、建築費は高止まりしています。マンション価格が下がる要因はありません。当面は上がり続けることになりそうです。
■発売戸数は減少傾向を強める
こんなに高くなっては、ごく一部の富裕層を除いて購入できなくなってしまいます。郊外型のマンションならまだなんとか手が届きそうだったのが、それもジワジワとした上昇でついていけなくなっているといっていいでしょう。
このため、マンション分譲会社も様子見傾向を強め、発売戸数を抑制しているのです。15年の発売戸数は前年比でほぼ横ばいになるだろうと予想されていたのが、全国平均では6.1%、首都圏では9.9発売戸数%の減少でした。
■消費者は価格上昇についていけなくなっている?
16年に入っても抑制傾向は変わらず、発売戸数は前年割れが続いているのですが、それでも契約率は低調です。
契約率は一般的には70%を超えると好調といわれます。首都圏では15年まではおおむね70%を超えていました。それが、15年12月には64.8%に下がり、16年1月には58.6%を記録しました。高くなりすぎたために、消費者がついていけなくなっているといっていいのではないでしょうか。
■中古マンションでは指し値が当たり前に
その傾向が明確に反映されているのが中古マンションの価格動向です。図表2は首都圏と東京都の中古マンションの1平方メートル単価がこの3年間どのように推移しているのかを折れ線グラフにしたものです。
藤色が東京都の新規登録時の平均価格で、黄緑色が成約価格の平均になります。新築登録時価格が上がり始めて、中古の割安感が強まった14年の後半には、この新規登録時価格と成約価格の差がほとんどなくなりました。つまり、中古マンションを売りに出せば、ほぼ新規登録時の価格のままで売買が成立したことを意味します。市場環境は完全に売主有利の売手市場であり、買主が指し値を入れる余地はありませんでした。
■新規登録時価格と成約価格に15.7%もの差
しかし、15年の半ばあたりから新規登録時の価格成約価格には大きな乖離がみられるようになってきました。16年4月をみると、首都圏全体では新規登録時価格が55.19万円に対して、成約価格の平均は46.50万円です。成約価格は新規登録時価格より15.7%も低くなっています。東京都だけでみると、この乖離は13.9%に縮小しますが、それでも新築登録時価格と成約価格には1割以上のギャップがあるわけです。
つまり、売主の指し値が効くようになっているのです。売手優位の売手市場から、買手が十分に値引き交渉できる買手市場に移行しているといっていいでしょう。ですから、中古マンションは売り出し価格で買ってはいけません。価格交渉を行えば物件によっては1割以上の値引きが可能になるはずです。言い値で買うのは愚の骨頂といってもいいかもしれません。
■新築マンションは簡単には値引きできない
中古マンションはほとんどの場合、売主は個人であり、売りに出すには、売りに出すだけの理由があります。一定期間内に売れないと次の買い換えなどができないといった事情があるのがふつうです。ですから、比較的交渉しやすいのですが、新築はそうはいきません。
特に、大手は体力にものをいわせ、売り出し価格で売れるまで多少時間がかかってもOKとするところが少なくありません。中古のように値引き交渉は簡単ではありません。本音をいえば、値引きどころか土地の仕入れ値や建築費の高い状態が続いている以上、販売価格をもう一段階引き上げたいのです。でも、それではますます売れなくなります。
■面積縮小や仕様の引き下げなどの動きも
ではどうするのかといえば、専有面積の縮小や仕様のグレードダウンです。同じ「3LDK」であっても、これまでは80平方メートルだったものを75、70、65平方メートルと狭くしていく可能性があります。1980年代後半から90年代初頭にかけてのバブル期には、価格上昇を抑制するため、専有面積50平方メートル台の3LDKが売り出されたこともあったほどです。
現状は、まだそこまで極端に走る段階ではありませんが、ジワジワと面積縮小が始まっています。3LDKという表示にごまかされずに、専有面積をキチンと確認することが大切になってきます。
■物件を見極める目が必要になってくる
建物の構造面や住宅設備のグレードダウンも強まりそうな情勢です。上下階を分けるコンクリートの厚さ(スラブ厚)を薄くしたり、コンクリートの質を落としたりといったことが始まるかもしれません。設備面でもシステムキッチンやユニットバスのグレードを落とすような事態がやってくるのではないでしょうか。
それだけに、これから新築マンションを探そうというときには、価格を見るだけではなく、マンションの構造、設備などについてしっかりと勉強して、物件を見極める目を身につけておく必要があります。
■中古マンションのほうが安心感もある
その意味では、あまり売れない時代に新規に売り出された築年数の浅い、いわゆる“築浅”の中古マンションに着目するのもひとつの方法かもしれません。売れにくいなかで完売するために、構造や設備などのグレードがかなり高く設定されていましたし、実際に何年か人が住んでいた物件ですから、新築よりも安心できるかもしれません。
新築は物件数が減少して選択肢が狭くなっていますが、中古マンションはまだ比較的物件数が豊富ですし、先に触れたように市場環境が買手有利になっているので、指し値なども効くようになっています。
新築マンションだけにこだわらずに、中古マンションもターゲットにすれば意外な発見があるかもれません。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
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