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photo TOYOTA ARGENTINA
インフレ率40%、平均月収9万円のアルゼンチンで600万円近いハイラックスがバカ売れする理由
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160605-00096455-hbolz-int
HARBOR BUSINESS Online 6月5日(日)16時20分配信
トヨタのピックアップ車、ハイラックスがアルゼンチンで好調な売り上げを見せている。
今年3月の自動車販売台数では、ついにトヨアのピックアップ車ハイラックスがトップの座についている。しかも前年同月比で27.6%の増加で3134台を販売した。ピックアップ車では2位についているフォルクスワーゲンアマロックをおよそ1000台引き放し、ぶっちぎりの勝利だ。
(参照:『iProfessional』)
しかし、アルゼンチンといえば平均賃金はおよそ1万2000アルゼンチン・ペソ(日本円で9万円程度)で、その上インフレ率40%近くにもなる国である。その中で、一台78万ペソ(約600万円)もする非常に高価な車であるトヨタのハイラックスSRWがここまで売れているのは凄いことだ。
いったいなぜここまでハイラックスが売れているのか?
◆マクリ政権の政策が販売増を後押し!?
「昨年12月に誕生したマウリシオ・マクリ新大統領がトヨタのハイラックスの販売に貢献している」などという見方も浮上している。
マクリ大統領は選挙で公約していた穀物の輸出税の撤廃を就任早々に実行した。キルチネールとフェルナンデスの夫婦による12年間の政権で小麦、トウモロコシ、牛肉に20%の輸出税が課せられていたのをマクリは全廃したのである。そして大豆は35%から30%に引き下げた。その影響で今年の第1四半期の穀物の輸出は70%の伸びを見せたという。ヒマワリ油に至っては、実に225%も輸出が伸びたほどだ。そして、これら穀物類の輸出の伸びは〈最低でも120億ドル(1兆3200億円)の歳入増加に繋がるとしている。牛肉も同様で、好調な伸びを見せている。
(参照:『El Pais』)
前政権が高い輸出税率を維持していたのは、インフレが上昇する中、国内で穀物と肉類を充分に供給して価格の低下を狙い消費を促進させようと動いたのであった。そして輸出税で歳入不足を補う目的もあった。しかし、逆の結果となり、景気は低迷し消費需要は伸びない状態が続くという結果になったのだ。しかも、この輸出課税の政策によって輸出力が衰え、牛肉などの輸出市場が隣国のウルグアイやパラグアイに奪われることになった。市場原理を無視した政策によって、国の経済を完全に後退させてしまったのだ。
もともと、アルゼンチンは歴史的に豊富で肥沃な穀倉地帯を利用した農作物と肉類の輸出で発展した国である。マクリ大統領はこのアルゼンチンの本来あるべき姿に戻す政策を就任早々に実行したわけだ。
共同組合連合のコニアグロ(Coniagro)のダニエル・アセフ会長は「100%満足しているわけではないが、改善が見られ、これまでとは違ったビジネスの雰囲気に包まれている。『この12年間の罰』に我慢して来たということもあって、全てが良くなることに誰もがやきもきしている」と語っている。
(参照『El Pais』)。
◆自前の金融会社で独自のファイナンスを提供
そうした期待が農業や牧畜に携わる人たちの活気を誘って、それがピックアップ車の販売伸展に影響しているのだ。特に、畑作業に使えて、また一般乗用車にもなるというピックアップ車はアルゼンチンでは大変人気がある。そんな中で、今年3月の自動車販売台数でついにトヨアのピックアップ車ハイラックスがトップの座についたのだ。
もちろん、前述したようにハイラックスSRWは日本円で600万円近くする車だ。他社のピックアップ車も、それよりも幾分か安いが全体的にアルゼンチンの生活レベルからすると高い。さらに高いインフレの国である。
しかし、そんな中で、生活に密着するピックアップ車で、取り分け高価なハイラックスが販売台数でNo.1になった。これは、アルゼンチンの消費者がトヨタ車に寄せる非常に高い信頼性が影響している。また、トヨタは自社独自のファイナンスを消費者に提供しており、これまで高いインフレの中にあってそれもトヨタ車を購入させる促進要因になっているようだ。
このトヨタ独自のファイナンス「トヨタ・ファイナンシャル・サービス」のアルゼンチン版である「トヨタ・コンパニア・フィナンシエラ・デ・アルヘンティーナ」、取引規模はアルゼンチンに存在している金融会社トップ10の10位に位置している。トヨタ以外はスペインの大手銀行BBVAをトップに全て銀行など金融専門会社である。
トヨタはこの自社グループの金融会社と協力して、特にハイラックス、エティオス、カローラの3本柱を中心にして〈最長84か月払いのローンを最後まで一定額で提供〉している。特にアルゼンチンのようにインフレ上昇の激しい国では月額の支払いが最初から最後まで同額であるというのは非常にメリットがある。しかも、 〈購入したあと、別のモデルに切り換えたいという場合も、その差額を最初に支払ったあと、残金は当初契約したローンの額で支払いを続けることが出来る〉ようになっているのだ。
ちなみに、アルゼンチンに進出している自動車メーカーで独自に金融会社を用意しているのはトヨタだけである。
(参照「iProfesional」)。
こうした背景もあり、アルゼンチンの自動車情報ブログ、『Autoblog』が、記事の中で〈ハイララックスはもう国の風景の一部になっている〉と言及するまでになったのである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
ハーバー・ビジネス・オンライン
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