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中国人民銀行が人民元安誘導へ 5年ぶりの安値水準(マネーポスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/481.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 05 日 17:58:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           中国人民銀行


中国人民銀行が人民元安誘導へ 5年ぶりの安値水準
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160605-00010001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 6月5日(日)17時2分配信


 人民元が再び、安値水準を切り下げてきた。5月30日の人民元対ドル・基準値は前日と比べ294ベーシスポイント人民元安の6.5784となり、2011年2月以来の安値水準を記録した。結局、この日の終値は6.5607で引けており、若干人民元高に戻している。

 一方、オフショア人民元レートも人民元安方向に振れてはいるが、30日の終値は6.5893である。終値ベースでは、オフショアの方が0.4%ほど人民元安方向に振れているが小幅な水準である。人民元に関して国際金融市場は冷静さを保っている。

 昨年末から今年の初旬にかけて、本土市場では人民元が急落した。多くの海外投機家はこの時、自由に取引のできるオフショア人民元市場において売りを仕掛けた。折からの株安も加わったことで、国際金融市場では人民元の暴落を声高に叫ぶ関係者が急増した。しかし、その後は逆に人民元高が進んだことで、投機はあえなく失敗に終わっている。

 再び人民安が進んでいるわけだが、今後の推移はどうなるのだろうか? 人民元安はこのまま続くのだろうか?

 それを考えるためには、まず、前回の売り仕掛けは、なぜ失敗したかを整理しておく必要があるだろう。

 要因ははっきりしている。いつものことではあるが、海外の投機家たちは国家(中国人民銀行など)の力を過小評価したからである。

 為替制度は変動相場制に近づいているはずだといった見込みが間違っていた。中国人民銀行は為替市場において介入を行っているが、これは対外的なパフォーマンスに近い。中国人民銀行は方針として為替取引の自由化を口にするが、人民元基準値によるコントロールを止めるなどとは一言も言っていない。

 中国の為替制度は管理フロート制と称されるものである。中国人民銀行が毎朝、立会前に発表する基準値を中心として上下2%の範囲内でのみ自由な取引が行われる。もし、この基準値がマーケットを後追いし、市場のボラティリティ(変動率)が常に上下2%に収まるならば、自由な取引と言える。ただし、基準値が意図的に高く設定されたり、安く設定されたりすれば、市場参加者はそれに従わざるを得ない。後者の観点から言えば、為替をコントロールしているのは基準値を決める中国人民銀行だということになる。

 基準値の決め方は中国人民銀行ホームページに詳しく書かれている。「基準値の算定に当たり、立会前に市場参加者である銀行などの金融機関(インターバンク外貨市場におけるマーケットメーカー)にヒアリングを行い、得られたデータ(上下異常値を除く)を参考にするが、それぞれの取引量、価格などのデータを見ながら総合的に決める」としている。

 マーケットメーカーにヒアリングしている点で、前日の終値が反映されると言えなくもない。その点を強調すれば、市場の動きに近いと言えなくもない。しかし、総合的に決めると言っており、過去の動きをみる限り、市場の動きをリードしていることが多いのも事実である。

 さらに、上記の説明とは別に、国際通貨のバスケットを参考にしているといまだに中国人民銀行幹部は言っている。ならば、基準値は最終的にはブラックボックスで決まると言わざるを得ない。結果として、人民元対ドルレートは1月7日を安値としてその後は人民元高が進み、5月3日には6.4565を記録している。

 海外の投機家たちはもう一つ大きな見込み違いをしていた。国家が資金移動をコントロールできずに、資金流出が続くと考えていたが、実際にはそうならなかった。

 外貨準備は2月末こそ286億ドル減少したが、3月末は103億ドル増加、4月末は71億ドル増加した。4月末の外貨準備は3兆2197億ドルで、世界第2位である日本の1兆2481億ドル(2016年1月末)と比べると約2.6倍も多い。

 中国の外貨準備は流動性に乏しく、いざというときに利用できないのではないかといった指摘もある。

 中国の場合、外貨準備はいろいろな形で運用されている。たとえば、昨年の株価急落以降、国家による本土A株の買い支えが行われているが、外貨管理局傘下の投資プラットフォームを通じて資金が回っていることが明らかになっている。

 とはいえ、3月末現在、中国はアメリカ国債を1兆2446億ドル保有しており、日本の1兆1371億ドルを上回っている。これだけ流動性の高い資金を多額に持っている以上、ちょっとした資金流出を心配する必要はない。

 昨年目立った資金流出は、海外投資家の資金逃避が原因ではなく、本土の富裕層による投機や資金逃避が主な原因である。日本でも中国人による日本の不動産買いが目立つが、中国人の不動産投機はグローバルに展開されている。加えて、共産党の汚職追及は長期化している。法的にグレーな資金の海外流出圧力は依然として高い。

 中国では、法人については、事業以外の目的での資金の海外持ち出しは原則として禁止されている。個人の金融資本取引についても自由化されていない。1人、1年間5万ドル相当以下といった持ち出し制限がある。これを超える場合には、何に利用するのか証明する資料と本人の身分証コピーなどを提出しなければならない。今回の外貨準備の回復は、違法流出資金の取り締まりを強化した結果である。制度設計上、当局は資金流出に対してコントロールが充分可能である。

 最も投資家が知りたいのは、今後、人民元相場がどうなるかであろう。冒頭で示した通り、5月3日を天井として、足元では人民元安が進んでいる。

 今回の人民元安は6月におけるアメリカの利上げ見通し急浮上が最大の要因であると考えられている。国際通貨のバスケットを参考にして基準値が決められる以上、他通貨に対するドル高は人民元対ドルレート・基準値でも、ドル高・人民元安となる。

 しかし、4月の月次経済統計の悪化も見逃せない。中国経済にとって、緩やかな人民元安が望ましい。

 アメリカがもし6月(あるいは7月)に利上げを行うのなら、中国人民銀行は緩やかな人民元安誘導を行うだろう。投機家が人民元売りを仕掛ければ、急激な人民元安を嫌い、今回のように一旦、人民元高に誘導するかもしれないが、それが整理されれば、再び人民元安局面に戻るだろう。それが最も国益にかなうからである。

 当局は人民元相場をコントロールすることができる。国際市場に対しては引き続き、自由化の進展を主張し続けるだろうが、国家の利益最大化が行動原理の中核にある。そのことを忘れるべきではない。

文■TS・チャイナ・リサーチ 田代尚機

 

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