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前代未聞!セコム会長・社長「異常な解任劇」の一部始終 業績は絶好調なのに…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48760
2016年06月03日(金) 週刊現代 :現代ビジネス
「警備」を仕事にする会社のトップでも、自分の身は守れなかった……。あまりに異常な解任劇の舞台裏を追うと、不気味なその過程が浮かび上がってきた。当事者たちが語った「証言」を紹介しよう。
■「逆鱗に触れてしまった」
社長と会長が二人同時に解任される—。
大手警備保障会社セコムで、そんな前代未聞のトップ人事が断行された。
セコムの業績は4期連続の最高益を更新するほどに絶好調。それなのに、会社を率いてきたトップ二人がともにクビを切られるのは不自然……。
さっそく、その「背景事情」をめぐって様々な噂が飛び交った。
「まず言われたのは、二人が創業者で取締役最高顧問である飯田亮氏の逆鱗に触れてしまったという話でした。4月初旬に飯田氏の名前が『パナマ文書』にあると騒がれた際、その対応をめぐって飯田氏と会長、社長側で『食い違い』が出たと」(セコム関係者)
パナマ文書は、富裕層による租税回避地利用の実態を暴露し、全世界を震撼させたものである。
飯田氏についてはセコム株を管理するための法人を租税回避地に作っており、これで少なからぬ節税効果が得られる可能性があると報じられた。
前出・関係者が言う。
「この一件に対して、セコムは『税務当局から求められた情報を開示し、正しく納税済みと聞いている』という旨のコメントを出した。飯田氏の意向で出されたものらしいのですが、これに対して会長、社長サイドが通り一遍のコメント対応だけでいいのかと不安を漏らした。それが飯田氏の耳に入って、怒りに火をつけた。私が聞いたのは概ねそんな筋書きでした」
たしかに創業者としては降って湧いた疑惑に全社一丸となって火消しにあたって欲しいところ、経営陣ですら自分を疑っていると知った時の心境は想像して余りある。しかし、仮にそれが事実だとしても、そんなことでクビを切られれば、それもまた乱暴な話である。
次のような観測も出回っている。
「飯田氏の娘婿の人事が絡んでいるという声が上がっています。というのも、会長−社長の解任人事が発表された5月11日、新しい取締役人事も発表されたが、新任候補の中に娘婿の尾関一郎氏が入っていたのです。おのずと娘婿が将来的なトップ候補に急浮上してきたわけで、今回の人事もそのための布石だったのではないかと言われた」(同業他社幹部)
尾関氏は学習院大学を卒業後、住友銀行に入行。'01年からセコムのグループ会社であるセコム損害保険に移り、'10年には49歳という若さで同社社長に就任した。
「尾関氏は昨年4月にセコム本体の執行役員に就いたと思ったら、今年にはもう取締役候補。尾関氏の住まいは世田谷区の高級住宅街にあるのですが、同じ敷地内には飯田氏の豪邸がある。外見的には創業家社長誕生に向けて着実に歩が進められているように映るわけです」(前出・幹部)
こうした話について新社長の中山泰男氏に真偽を聞きたいと取材を依頼すると、セコム側は「スケジュールが一杯で受けられない」と拒否。代わりに広報担当者が「(今回の人事に創業者がかかわっているという事実は)ありません」と回答した。
■「切られた二人」を直撃すると
では、解任された当人たちはどう答えるのか。
まずは、会長を解任された前田修司氏。世田谷区の自宅をたずねると、本人は在宅している様子。が、インターフォンに応じたのは夫人で、「本人が広報を通してくださいと申しております」と言うばかりである。
次に社長を解任された伊藤博氏は本人が応じたが、「何も話さないことにしています」の一点張りだった。
翌日にも二人をたずねると、この日は前田氏本人が応じた。
—解任人事についてうかがいたい。
「とにかく私はコメントしないことにしているの」
—納得しているのか。
「そのことについてのコメントはしないの。ここで質問していただいても私は答えません」
と、完全黙秘状態だが、最後にはなぜか、「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
伊藤氏も、「何度かお越しいただいていますけれど、すみません」と恐縮しながら、口は重い。
—少しだけでも話を。
「申し訳ないけどお断りさせてください」
—納得いかないこともあると思うが。
「その辺も含めてお答えしないと決めているので」
—会社との話し合いでそうなっているのか。
「………いずれにしてもお話ししないことにしていますので、すみません。それでお願いします」
言いたいことはあるが、絶対に言わないというか、言えない……二人の態度からはそんな心中がうかがえる。
いずれにしても、解任人事をめぐってこれほどまでに揣摩臆測が飛び交うのは、その決定プロセスがあまりに不透明なことが原因だ。
「今回の人事の発端となったのが、セコムの指名報酬委員会での議論。この委員会は3月に突如設置され、ここでトップ人事の素案が作られて、それが取締役会で承認されて今回の解任人事に至った。しかし、その委員会のメンバーは非開示。社長と会長のクビを切るという重要な人事にもかかわらず、その決定に際して誰が何をやったのかが見えない」(早稲田大学法学部教授の上村達男氏)
■社外取締役が答えた
本来であれば人事の決定プロセスの透明性を担保するのが指名委員会の役割のはず。しかし、今回はむしろ決定者が誰かをうやむやにするために委員会が利用されたとの指摘すら出ている。
「さらに今回の問題で注目されるのは、社外取締役の存在です。セコムの指名報酬委員会には社外取締役が入っていて、ここがまず会長に引導を渡そうとしました。これまで多くの会社では社長が社外取締役の選任をやっています。しかし、今回のことで、社外取締役の人選如何によっては予想外の事態が起きてしまうと、ビジネス界には衝撃が走っているようです。
今春に世間を騒がせたセブン&アイHDの子会社トップ人事に関しても、社外取締役が主導する形で鈴木敏文氏の提案が否決され、同氏の退任に至りました」(牛島総合法律事務所代表弁護士の牛島信氏)
社外取締役の仕事とは大局から経営にアドバイスをすることで、通常の業務執行には関与しない。会社の仕事についてよくわかっていない人がトップ人事に権限を持てば、不測の事態が起きるリスクは当然高まる。
「社外取締役がその絶大な権限に見合うほどに適切な判断力を持ち合わせているとは限らない。そのため、日本を代表するような大企業でおかしなトップ人事が起きやすくなっている。時には会社に絶対的な影響力を持つ創業家、あるいは声の大きい投資家などの判断に引きずられる形で、社外取締役が権力を行使してしまうことも起こり得るわけです」(元カルビー社長の中田康雄氏)
ではセコムの社外取締役は今回の人事でどのような「役割」を果たしたのか。セコム社外取締役で、次期ファミリーマート社長に内定している澤田貴司氏に自宅前で訊いた。
—今回の人事は不透明感がある。
「透明でしょう。透明ピカピカ」
—非開示になっている指名報酬委員会のメンバーを教えて欲しい。
「いやいや」
—今回の人事に創業者の飯田氏の意向は反映されているのか。
「そんなことは絶対にない。仮に、創業者が言っているからそれに従うということを僕がやったとして、それが会社にとってマイナスになれば、僕が善管注意義務を怠ったことになるじゃないですか。創業者の意志を通すために僕が動いていることは絶対にない。会社のために良かれと思って動いて、こういう結果になったということです」
と、創業者の関与について話が及ぶと、頑なに否定するのであった。
誰が決めたのかわからないような人事は、誰も責任をとらなくていい人事。同じことが繰り返されてもおかしくはない。
「週刊現代」2016年6月4日号より
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