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深刻な実家「空き家化」問題、便利な方法&制度がこんなにあった!円滑に売却や賃貸!
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15342.html
2016.06.03 文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー Business Journal
総務省が5年に1度の割合で行う「住宅・土地統計調査」によると、空き家は毎年20万戸ずつ増加している。このペースで増え続けると仮定すれば、4年後の2020年東京オリンピックが開催される頃には、空き家は1,000万戸に達し、空き家率は15%にのぼる。つまり、日本全国、空き家だらけというわけだ。
■4割以上が、空き家になった実家を「売却する」と回答
不動産情報サービスのアットホームが全国の 30〜40代男女618名を対象に、空き家に関する調査(15年9月)を実施した。実家が持ち家の人に、「もし、実家が空き家になったら、どうしたいか」を聞いたところ、「売却する」がもっとも多く(41.6%)、次いで「将来自分もしくは親族が住む」 (34.8%)、「賃貸にする(土地活用含む)」(11.7%)という結果になった。
「売却」を選んだ理由としては、「将来、その家に住むことがないから」(49.8%)が半数近くを占める。やはり、現在の住まいや勤務先などと実家が離れていたり、親と別居して同居の予定がないなど、親世代と子ども世代の生活の実態が垣間見える。
このほかの理由として、「現金収入が欲しいから」(38.5%)、「固定資産税を払いたくないから」(38.1%)などが続くのは、子ども世代の厳しい経済状態も反映しているのかもしれない。
しかしながら、前掲の質問に対して、「将来自分もしくは親族が住む」(34.8%)と、「誰が住むかはわからないが、空き家にして管理し続ける」(7.9%)を合計すると、実家を残したいと考える人も 4 割以上いる。やはり、「思い入れのある実家を残しておきたい」という人も少なくないのだろう。
かくいう私も実家は北陸にあり、現在70代後半の母がひとりで暮らしている。代々地主を務めていた家柄だけに、おそらく彼の地に住んで150年以上になるのではないだろうか。きょうだいはいるが、すでに全員持ち家を所有し、仕事も家族もあり、誰も実家を継ぐ予定はない。もし更地にして売却でもしようものなら、あの世に逝ったときに、ご先祖様に文句のひとつも言われそうだ。
30 代・40 代男女に聞く“もし実家が空き家になったら”調査(「アットホーム株式会社 HP」より)
■実家が空き家になった場合の選択肢は3つ
いずれにしても、すでに持ち家があり、相続した実家が空き家になったときの選択肢は、基本的に(1)売却する、(2)賃貸に出す、(3)空き家として管理する、の3つである。
これまでは実家が空き家になっても、建物を壊して更地にした場合、固定資産税が6倍になってしまうという理由から、とりあえずそのまま放置する人がほとんどだったのではないだろうか。
ところが、昨年5月に「空き家対策特別措置法」が施行されたことで状況は一変。管理の行き届かない「特定空き家」と指定されれば、固定資産税の特例の対象から外れる上、自治体から修繕や解体の命令が下される。場合によっては強制的に解体される可能性もあるなど、もはや空き家をそのまま放置することは許されない。
前掲の調査によると、選択の可能性がもっとも高い順に「売却する」「空き家として管理する」「賃貸に出す」となりそうだが、個々の事情により、それぞれの選択肢でメリット・デメリットが異なる。事前に慎重な検討が必要だろう。
■住む予定がなく売却を検討しているなら早めに
人の住まない家は、あっという間に劣化が進む。将来住む予定がなく、ほかの選択肢の予定がないなら、早めに売却の準備をお勧めしたい。
今年3月に発表された16年1月1日時点の「公示地価」は、全国平均・全用途の変動率が0.1%となり、08年のリーマンショック後8年ぶりに上昇に転じた。
ただその内訳をみると、東京、名古屋、大阪および地方中枢都市ではおおむね上昇しているものの、その他の地方都市圏は、住宅地、商業地ともにマイナス。下落幅が縮小したといっても、都市圏を除いて地価は相変わらずの下落傾向にある。今後もこれが続くとすれば、早めに売却したほうが得策というわけだ。
■4月から空き家を売却した場合の税制優遇制度が創設
また、昨年に引き続き16年度も空き家に関する改正が行われている点も見逃せない。4月から、相続した空き家を売却した場合に一定の条件を満たすと、譲渡所得の「3,000万円の特別控除」が適用されるようになった。
従来からマイホームを売却した場合、利益(譲渡益)が出ても一定の要件を満たせば3,000万円までは課税しない「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という制度が設けられている。これを空き家の売却にも適用したのが、新設された「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」である。
適用を受けるためには、相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったことや、相続時から譲渡時まで事業、貸付、居住の用に供されていたことがないこと、16年4月1日から19年12月31日までの譲渡であることなどの要件を満たす必要があるが、売却を検討している方は、要チェックだ。
なお、売却に関しては、売却時期が親の生存中あるいは親の死亡後によって、課税関係等が変わる。詳しくは税務署や税理士等に確認してみよう。
■空き家管理サービスを利用しながら、不動産業者選びも
さらに空き家となった実家を少しでも有利な価格で売却する場合には、不動産業者選びも重要だ。ずっと地元を離れていてどのような業者を選べば良いのかわからない場合は、駅前などに店舗のある地元物件を多く取り扱っているような業者など、2〜3社に査定を依頼し、信頼できそうな業者を選ぶと良いだろう。
最近では、遠方で空き家になった実家の管理が難しい人のために、地元の不動産業者等が「空き家管理サービス」を行っていることもある。主にこれらのサービスは、室内の通風や換気、清掃や屋外の郵便物等の確認、庭木の剪定・草むしりなどを代行してくれるというもの。月1回3,000円〜1万円程度かかるが、将来の売却時の業者選びを踏まえて、一度サービスを利用してみるのも良いだろう。
■田舎の物件でも賃貸に出せる可能性も
そして、ハードルが高そうな「賃貸に出す」について。
そのまま賃貸するというわけにはいかない場合、リフォームが内装だけでも約300万円かかる。賃貸でその金額を回収するには何年かかるのか試算してみることも必要である。また、家賃滞納のトラブルや空き家・空室リスク、将来、自分が住みたくなった場合に立ち退いてくれるかも心配だ。
そこで、移住・住みかえ支援機構(JTI)が実施する「マイホーム借上げ制度」を利用するのも一手。日本に自宅を所有する50歳以上が利用でき、首都圏に限らず地方でも活用されている。
賃料は相場よりも安くなるものの、JTIが最低賃料(査定賃貸料の85%)を保証し、終身借り上げてくれるので、空室リスクを回避できる。また、3年ごとに契約が終了する定期借家契約のため、自宅に戻ることや売却も可能だ。
最近では、多くの自治体が空き家対策として空き家バンクを設置しており、その数は500 にも上る。空き家バンクとは、その名前の通り、空き家情報を集め移住希望者にインターネット等で情報を提供する仕組み。運営しているのがほとんど自治体の職員のため、民間業者では取り扱わないような物件や地元密着の情報が入手できる。単に借主と貸主のマッチングを図るだけではなく、リフォーム等で出費があるときに、費用の助成・補助をしてくれる点も大きなメリットだ(自治体等で制度の有無や内容は異なる)。
■安易なマイホーム購入は、“負”の遺産になる可能性も
日本全国、空き家問題で頭を悩ませている人が続出する一方で、都心マンションは売れ行き好調だという。とくに、東京オリンピックの開催が決まり、中央区晴海地区や江東区豊洲地区などのタワーマンションは大変な人気を呼んでいる。
東京カンテイの「マンション・一戸建て住宅データ白書2015」によると、首都圏の新築マンション一戸の平均価格は5,183万円。14年の4,653万円から11.4%も大きく上昇し、すでに価格はミニバブル期の07年(4,691万円)の水準を超えている。高額でもマイホームを購入したい人が多い一方、不要な空き家が増えているというのは、なんと矛盾した状態だろうか。
もちろん身近な問題として、まずは目前に迫る実家の空き家対策をどうすべきかが最優先事項。でも、このような日本の不動産事情を目の当たりにすると、将来、同じような問題が自分の子どもや孫に降りかかってこないとは限らない。
今後、ファイナンシャルプランナーとして、マイホーム購入をお考えのお客さまには「将来的にその家をどうしたいか?」も検討していただくべき事項のひとつに加えるべきかもしれない。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)
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