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雑感。税収の上ぶれはあるのか?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52808505.html
2016年06月02日 在野のアナリスト
昨日の安倍首相の会見が波紋をよんでいます。政治的にみると『約束』『断言』の扱いが軽くなり、今後は安倍氏が何を発言しようと、国民に約束しようと「新しい判断」で覆される、との疑念が渦巻きます。これは選挙においても同様で、公約を「新しい判断」で覆してくる可能性がある。そんな政治に何を期待するか? とても悩ましい問題です。しかも一般社会であっても、首相がこんな態度なら約束を破りを「新しい判断」だった、と言い逃れする人がでてくるでしょう。負の意味で、今年の流行語にノミネート確実かもしれません。
消費税増税の再延期による穴埋めに、税収の上ぶれ分、という話もありますが、興味深いデータも出ています。まず所得税に関して、4月末時点で前年同期比6.1%増という数字。5月分がでて確定ですが、このままだと5%増以上は確実でしょう。ただし所得税といっても賃金が伸びたわけではない。各種指標からみても、配偶者所得の伸びが高いですが、その増加分と、扶養を外れたりしたことで、伸びた可能性が高い。また株の売買が黒田バズーカ2以後で活発となった、日本でも不動産バブルがじわりとすすんでおり、2015年の不動産売却益が、確定申告ベースで12.2%増となるなど、こうした様々な面で税収が伸びたことが影響しているのでしょう。
しかし株式は今年に入って2兆円割れが目立ち、売買は低調。不動産も都市部で変調がみられる。賃金に関する指標はまだ出揃いませんが、一部では良好な数字もあるものの、これが年間を通して継続するかは不明です。今のところ、所得税の増加は昨年度がピークという印象を強くします。
1-3月期の法人企業統計がでてきました。設備投資が前年同期比4.2%増で、GDPは上ぶれか? という記事ばかりメディアに踊りますが、売上げ高は3.3%減、経常利益は9.3%減です。しかも製造業の経常利益は20.4%減と衝撃的。ただ実は2015年10-12月期も製造業の経常利益は21.2%減、円は120円以上で推移していたので、為替の影響というより、製造業は2015年4-6月期をピークにトンネルに入ったようです。それを支えていたインバウンド消費などによる収益の高かった非製造業が、1-3月期に入ってマイナスに転じた。逆にインバウンド消費も伸び続けるわけではないので、昨年度が高い伸びを示した以上、それを越えるのはかなり困難です。法人税減税の議論もありますが、法人税収も今年度の伸びは期待できそうにありません。
今日の株式市場では『佐藤ショック』という言葉も聞かれました。日銀の佐藤審議委員がマイナス金利拡大に否定的な見解を示し、物価目標も2%に拘る必要がない、としたことで追加緩和の期待が大きく殺がれました。元々マイナス金利には反対派ですが、黒田日銀総裁も財務省の意向を忖度すれば、当面の追加緩和は打たないだろう、との見立てを補強した形です。つまり日銀も「新しい判断」で追加緩和は当面打たない、とする見方が強まったのです。
株式市場にとっても、この法人企業統計をみる限り企業の利益の伸びは期待できない。「新しい判断」として、水準感が悩ましくなってきました。世界で酷評をうける昨日の安倍氏の会見からも、外国人投資家が積極的に買うことは当面ありません。上値を追う主体がいないのですから、勢いは下向きに強くなります。OPEC総会の行方、英国のEU離脱問題、市場が期待する方向で決着がつけば御の字、もし期待が裏切られたら…。市場の下す「新しい判断」により、どのぐらい下にいくかは、今のところ予断をゆるさないのでしょうね。
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