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日銀=CC BY /OiMax
マイナス金利対策に知恵絞るメガバンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160601-00010000-socra-bus_all
ニュースソクラ 6月1日(水)12時0分配信
■貸出金利マイナスゾーン防止にゼロフロア条項導入
メガバンクなど都銀の期間1年以上の長期貸出平均金利(ストック)が初めて1%を割り込む水準まで低下した。日銀が24日に発表した3月の貸出約定平均金利で明らかになったもので、日銀によるマイナス金利の影響が長期の貸出金利にまで波及してきている様が読み取れる。
都銀の短期貸出平均金利は、すでに3月時点で0.348%まで低下している。一方、地銀、第二地銀、信用金庫は短期・長期ともまだ1%超の金利水準を維持しているが、「じわじわと低下傾向にあることにかわりはなく、いずれ都銀同様に長・短期とも1%を切る可能性が高い」(地銀幹部)と見られている。金利水準のみをとらえれば、マイナス金利の導入により金融機関の貸出金利に一層の低下を促すとする日銀の目論見は成功しているように見える。
しかし、肝心な貸出のボリュームは期待されるほどには伸びていないばかりか、「ここにきて新興国の景気減速もあり、設備投資など資金需要は伸び悩んでいる」(メガバンク幹部)という。結果、マイナス金利はもっぱら銀行の利ザヤを縮小させ、収益を圧迫する要因となっている。
その収益圧迫について今、メガバンクが神経を尖らせているのが、貸出金利の指標となるTIBORの急低下だ。TIBORとは東京銀行間取引レートのことで、「銀行はTIBORに一定のスプレッドを上乗せして企業に貸出する仕組みになっている」(メガバンク)。そのTIBORがマイナス金利の導入以降、連日のように過去最低を更新しており、「日銀が追加緩和でマイナス金利幅をさらに拡大すればTIBORもマイナス圏に突入しかねない」(同)と懸念されているのだ。
銀行のスプレッド貸出は、メガバンクで全体の貸出の約半分、地銀で25%程度を占める。一方、信用金庫や信用組合などの中小金融機関は数%と割合が低い。
三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長がマイナス金利政策について、「(家計や企業の)懸念を増大させているリスクに戸惑っている。(銀行は)マイナス金利を個人や法人の顧客に転嫁しにくい。体力勝負の厳しい持久戦が長期化する」と公の場で懸念を示した背景には、こうした大手銀行の苦しい台所事情がある。
特に、力関係で勝る大企業ほど銀行に対し貸出金利を一段と低下させるよう要請してきており、「いずれ貸出金利をマイナスにするよう求めてくるだろう」(メガバンク幹部)とみられている。
このためメガバンクなどの大手銀行は事前の予防策として、「取引企業に対して、貸出契約にTIBORがマイナスになっても貸出金利はマイナスを適用しない“ゼロフロア条項”を盛り込むよう働きかけを行っている」(メガバンク幹部)という。日銀のマイナス金利政策下にあっても、貸出金利はゼロ%以下には下げないという約束を結ぶというものだ。
その法的な理論武装として全国銀行協会の金融法委員会は「貸出利息は借入人が貸出人に支払うもので、貸出金利はゼロ金利が下限となる」との見解を打ち出した。商慣行からみてもお金を借りた人が貸し手に利息を払うのが当たり前だが、マイナス金利下ではその常識は通用しないばかりか、貸し手と借り手の関係が逆転しかねない危うさがあるためだ。
日銀の黒田東彦総裁は、「必要であれば質・量・金利の3次元で追加緩和に躊躇しない」と繰り返し発言しており、市場では参院選前の6月にも追加緩和の可能性があるのではないかと囁かれている。その前に、貸出金利のマイナス化に釘を刺したいメガバンクは、水面下で「ゼロフロア条項」という転ばぬ先の杖を繰り出し始めている。
■森岡 英樹(経済ジャーナリスト)
1957年 早稲田大学卒業後、 経済記者となる。
1997年米国 コンサルタント会社「グリニッチ・ アソシエイト」のシニア・リサーチ ・アソシエイト。並びに「パラゲイト ・コンサルタンツ」シニア・アドバイザーを兼任。2004年 4月 ジャーナリストとして独立。一方で、「財団法人 埼玉県芸術 文化振興財団」(埼玉県100%出資)の常務理事として財団改革に取り組み、新芸術監督として蜷川幸雄氏を招聘した。
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