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LINE上で検索も買い物もすべてのコトが済む時代へ…月額5百円スマホ投入で通話無料
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15301.html
2016.05.31 文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授 Business Journal
5月28日付本連載記事『スマホ「アプリDL地獄」とグーグル検索の終焉 LINE上ですべて完結する時代突入の予兆』(http://biz-journal.jp/2016/05/post_15274.html)において、ボットと呼ばれるメッセンジャー・アプリ内の人工知能(AI)と会話するだけで、検索から選択、注文、支払いまでのタスクが完了するという仕組みが出来上がりつつある現状を紹介した。
フェイスブックやマイクロソフトが、このようなメッセンジャー・アプリのプラットフォーム化を進めているのは、これまでスマホ向け基本ソフトを牛耳り、スマホのアプリ市場を支配してきたグーグルやアップルに対抗するためだ。
インターネットで何かを検索する場合、探している答え(リンク)が1ページに10件くらい出てくる。
実際の生活のなかでは、誰か身近な人に「近くにドラッグストアがあるか?」などと尋ねた場合、その相手は「薬を買いたいの? それとも、ほかのもの?」と逆質問をしてくるだろう。それに返事をすることによって、ドラッグストアではなく近くにあるコンビニエンスストアの場所を教えてくれるかもしれない。
それと同じように、自分が探したいものを明確にさせるためのやりとりをボットとすることになる。多くのユーザーがスマホで慣れているテキストメッセージの形式でボットと会話をするのは、実生活で人間同士がやりとりをしているコミュニケーションに近い。
企業はボット時代を歓迎するはずだ。なぜなら、消費者や客に到達するためにHP、SNSページやアプリを構築し維持するのは、経費も時間もかかる。
AIを採用したボットが増殖すれば、グーグルで検索する人が少なくなるかもしれない。また、アプリの必要性も減るかもしれない。そして、そういったアプリを販売するアプリストアの重要性も低くなるだろう。多くのHPも時代遅れの無用なものになるかもしれない。HPなどなくしてしまい、ボットに情報を与え、メッセージアプリから提供すればよいのだ。
グーグルもメッセージサービスを提供してはいるが、今のところユーザー獲得には成功していない。2014年に世界で6億人の月間アクティブユーザーをかかえるWhatsAppを買収しようとしたが、フェイスブックが先に183億ドルで買収してしまった。そこで今は、自前でAIと機械学習の技術を利用した優秀なAIボットの開発を進め、そのボットが活躍するメッセージサービスを提供する予定だと報道されている。
検索の王様の座は、優れたAIボットを開発しなければ守り抜くことができないことをグーグルも自覚しているのだ。
●ネットはLINEの中だけで完結する時代が来る?
フェイスブックやマイクロソフトなどがAI化を進めているといっても、まだ試行錯誤の段階だ。たとえば、マイクロソフトが3月にTwitterで公開したAIボット「Tay」は、差別的発言を連発するようになり、わずか一日で「話し疲れたので眠ります」とツイートして休止となった。
Tayは一般ユーザーとの会話を繰り返すことで学習し、成長していく仕組みになっていた。しかし、悪意あるユーザーたちが協力しあって差別的で不快なメッセージを繰り返し送り、こういった反社会的意見を学習させた結果Tay自らが人種差別、性差別、暴力的な発言するようになったのではないかと推察されている。マイクロソフトは、Tayの弱点を狙う悪意ある攻撃を想定していなかったと認めている。
日本で一番人気のメッセンジャー・アプリであるLINEは、3月にモバイル通信サービスに参入することを発表した。月額500円からの格安スマホを販売し、LINEによるトークや電話は無料で使い放題にすると発表した。
日本のスマホ普及率は50%に満たないが、それは月額料金の高さやデータ通信料の上限などに原因がある。そういった顧客の不満を解消し、スマホの普及につながるような新サービスを始めたとLINEは説明している。しかし、本音は「安いスマホを購入して、LINEサービスだけを使ってください。それですべてが完了します」とユーザーに訴えているのだ。「LINEモバイルを使ってくれれば、あらゆるサービスを利用でき、ショッピング、予約、検索、すべてが完了します」とアピールしているのだ。
いずれ、「ネット体験はLINEを通してだけ」というユーザーが増えてもおかしくない。
メッセンジャー・アプリがモバイル端末のプラットフォームになる日がくるかどうかは、会話型ボットが従来のアプリより優れたユーザー体験を提供して、一般ユーザーに受け入れられるかどうかにかかっている。そして、会話型ボットとメッセンジャー・アプリの合体は、簡単・便利を重要視する今のユーザーに気に入られるのではないだろうか。
マイクロソフトのように、グーグルが「かつての王者」になることは、大いにあり得る。01年、EUの政策執行機関である欧州委員会はマイクロソフトに、「OSの支配的立場を違法に乱用している」と指摘する異議告知書を送った。そして16年4月、「ネット検索で圧倒的に優位な立場を利用した独占禁止法違反の疑いがある」と同じような異議告知書をグーグルに送っている。
独占禁止法をめぐる法的争いには年月がかかる。マイクロソフトの場合は10年かかっている。最終判断が出る前に、モバイル端末のプラットフォームがアプリに代わっているかもしれない。そして、グーグルの支配的地位は新興勢力に取って代わられているかもしれないのだ。
テクノロジーの世界の変化のスピードには、政治も法律もついていけない。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授)
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