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ファミリーマートの店舗(撮影=編集部)
セブン、首位陥落の危機!ファミマ、70歳まで店舗オーナー勧誘し異次元の年1500店出店
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15303.html
2016.05.31 文=編集部 Business Journal
今年9月、コンビニエンスストア業界3位のファミリーマートと4位のサークルKサンクスを傘下に持つ持ち株会社ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足する。
同社の社長はファミマ会長の上田準二氏だ。上田新社長は、コンビニの首位争奪戦に挑む。
コンビニ事業のブランドはファミマに一本化する。全国に約6300店あるサークルKとサンクスは新会社発足後2年半で、すべてファミマの看板に統一。店舗数は、単純合算で1万8000店規模になり、4月末現在1万8650店の業界首位、セブン-イレブン・ジャパンに肉薄する。
上田氏は2000年に伊藤忠商事からファミマの執行役員に転じ、02年に社長に就任した。「コンビニは2強に集約される。ナンバー3が上に行くのは厳しい」というのが持論だ。万年3位から抜け出すために、大型のM&A(合併・買収)を仕掛けた。
しかし、コンビニのM&Aは難しいというのが定説だ。本部に支払うロイヤルティー(経営指導料)など、契約条件がチェーンごとに大きく異なるからだ。
サークルKサンクスでは、サークルKよりロイヤルティーの徴収割合が低かったサンクスのオーナーが反発したため、結局、契約内容を統一できず、ブランドが並立する状態がファミマと経営統合の時点まで続くことになった。
こんな業界の常識を覆したのが、09年のファミマによるエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収だ。am/pmは当初、ローソンが買収する予定だったが、ブランドの存続をめぐり対立。当時、ファミマ社長だった上田氏が、老朽化した店舗設備の更新費用など手厚い優遇策を用意し、オーナーを説き伏せて買収にこぎ着けた。
ただ、今回はam/pmの統合とは規模が違う。am/pmの店舗は1100店程度で、このうち不採算店などを除く730店を2年かけてファミマに転換した。だがサークルKサンクスは6300店と8.6倍の規模だ。しかも、サークルKとサンクスでは契約条件が異なる。am/pm のときの9倍近い店舗の看板を、2年半で掛け替えるという。
同じ契約条件にして、しかもブランドを統一するのには相当なエネルギーと時間が必要だ。am/pmの成功体験があるとはいえ、果たして2年半でブランドを統一できるのだろうか。その間にも、コンビニの競争環境は目まぐるしく変わる。
ファミマへの看板掛け替えについて、完了時期を19年2月末から1年程度前倒しする話が浮上しているが、さすがにそれは無理だろう。ブランドの転換を拙速に進めると、思わぬ落とし穴となる。
■FC店の契約内容を見直し店舗拡大へ
上田氏の鼻息はめっぽう荒い。
朝日新聞のインタビューで、店舗数を2万店に増やす時期を「今後3年をめどとする」と述べた。これまでは「統合後5年以内」としていたが、出店計画を前倒ししたかたちだ。セブンに対抗できるチェーンにするには、規模を拡大する必要があると考えているからにほかならない。年間1500店という出店ペースを落とさず、閉鎖は700店前後に抑え、早期に2万店を達成するつもりだ。
店舗増の具体的な方法も考えている。シニア層をオーナーに起用することによって店舗を増やす。そのため、フランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーになれる条件を緩和した。これまでは原則として55歳が新規契約の上限で、10年契約の65歳までだったが、これを見直した。
新しい条件では、5年ごとに契約を更新すると同時に、70歳から新たに契約することも可能にし、75歳まで働けるようにした。高齢化が進むなか、定年を迎えたシニア層をオーナーに取り込み、出店の拡大につなげるのが狙いだ。
セブンは契約期間が15年で、新規契約の上限は60歳。ローソンは14年に年齢の上限を55歳から65歳に引き上げ、10年契約で75歳まで働けるようにした。
ファミマも75歳まで働けるようにすることで足並みが揃った。70歳からでも新規契約ができるところがポイントだ。
一方でファミマは「インターン社員独立制度」を設けた。インターシップに参加して研修を受ければ、単身者でもオーナーになれる。採用時の年齢は20〜54歳が対象で、インターン社員として半年から1年、直営店での勤務で経験を積み「スタッフトレーナー」として認められれば加盟できる。加盟金(通常50万円)や開店準備手数料(同100万円)が免除されるほか、最大で120万円の独立支援金をもらえる。
FCのオーナーの争奪戦は激烈だ。
■日販はセブンが圧勝
コンビニの優劣の決め手をなるのは日販だ。日販とは1日の平均売り上げのことで、各社を比べてみるとセブンが抜きんでている。16年2月末の日販は、セブンが65万6000円、ローソンが54万円、ファミマが51万6000円、サークルKサンクスが43万1000円となっており、圧倒的な差がついている。
ファミマは、買収により店舗数ではセブンと真っ向勝負できる規模になるが、稼ぐ力ではセブンとの実力差が歴然としている。新しいファミマの日販が、サークルKサンクスの実績に足を引っ張られて下がるのではないかと懸念するアナリストもいる。
「2強体制」を標榜してスタートするファミマ=サークルKサンクス連合だが、「弱者連合」との厳しい指摘もある。「日販80〜100万円」(ファミマ幹部)などといわれている名古屋のサークルKの有力店が、ファミマの看板で商売するのかどうかという悩ましい問題もある。いわゆる“歩留まり”の戦いになるとみている関係者も少なくない。セブン、ローソンが名古屋の有力店を自分の陣営に引き入れようと虎視眈々と狙っているからだ。
コンビニ業界がこれまで経験してこなかった試行錯誤の彼方に、ファミマの新たな地平が見えてくるのだろうか。上田氏は2年で結果を出さなければならない。なぜなら、ファミマの親会社、伊藤忠商事の岡藤正広社長は続投を決めたが、「長くてあと3年」(伊藤忠の元役員)とみられているからだ。岡藤氏が社長である期間内に答えを出さないといけないだろう。
5月26日、セブン&アイ・ホールディングスグループのドン、鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)が退任したが、これはファミマにとって絶好のチャンスである。この好機を生かせるのかどうか、新しいファミマの総合力が試されている。
(文=編集部)
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