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食い違いというほどの差異や対立が窺える内容ではない。
構造改革・景気浮揚のいずれでも過度に傾くと問題が生じるということであり、バランスをとった政策の重要性を再認識するための“食い違い”意見と思われる。
中国は、今後しばらく、セーフティネットの充実と底割れを防ぐレベルの公共投資を行いつつ、構造改革(過剰産業分野の企業淘汰)を続けていくのが正解だろう。
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中国指導部、経済巡り溝
李首相ら、景気の安定重視/習氏周辺、構造改革を優先 金融・財政政策で食い違い
【北京=原田逸策】中国の指導部内でマクロ経済政策を巡る温度差が目立ってきた。李克強首相ら政府高官が中国経済の現状を前向きに評価するのに対し、習近平国家主席に近いとみられる人物が反論。景気・雇用の安定重視か、構造改革優先かで意見が割れているもよう。異例の不協和音は、習氏への権力集中が進む中、来秋に開く共産党大会での最高指導部人事を巡る摩擦が背景にあるとみられる。
発端は中国共産党の機関紙、人民日報が9日付で掲載した匿名インタビュー。中国経済を「権威人士」なる人物が語った内容が政府と食い違っていた。中国では「権威人士」は習氏の経済ブレーン、党中央財経指導小組弁公室の劉鶴主任とその周辺とみられている。
異なる現状認識
まず異なるのが経済の現状認識だ。1〜3月の成長率は3期連続で減速したが、3月単月は経済指標も改善が目立った。
政府内からは「(16年は)幸先良いスタートを切った」(国家発展改革委員会の趙辰●〈日へんに斤〉報道官)との声が相次ぎ、先行きに「短期的には(成長率が上振れする)U字やW字もありうる」(国家統計局の盛来運報道官)と楽観的な見通しが出た。
だが、「権威人士」は「固有の矛盾は解消せず『幸先良いスタート』では説明できない」と政府見解を否定し、先行きも「U字やましてV字でなく(成長率が上がらない)L字だ」と強調した。
実際、工業生産など4月の経済指標は悪化したが、政府は16日に公式サイトで「4月は昨年より営業日が1日少ない。1〜3月と同じく安定する」と反論し溝が深まる。
個別の政策も食い違う。中国は昨年から今春にかけて金利と預金準備率を度々引き下げた。「権威人士」は「(債務を膨らませる)高いレバレッジで為替、株式、債券、不動産と銀行融資のリスクが上がっている」と指摘。「コントロールできなければ金融危機を起こし、マイナス成長になる」と警鐘を鳴らした。李首相は16日に「債務はコントロールできる水準」と反論した。
財政出動でも「権威人士」が「バラマキで経済にカンフル剤を打つのは避けるべきだ」と指摘すると、李首相は9日に「ここ数年、経済の下押し圧力に直面しても強い景気刺激策はとらなかった」と強調した。
市場も疑心暗鬼
両者の違いは過剰な生産能力を削減したりする「供給側構造改革」への姿勢から来る。「権威人士」は「負けられない戦争」とまで表現して改革を最優先せよとの姿勢だが、政府側は景気腰折れや雇用悪化にも目配りすべきだとの立場だ。
市場も疑心暗鬼になる。中国人民銀行(中央銀行)が13日発表した4月の企業や家計の資金調達額は3月より大幅に減り「『権威人士』の影響で金融政策が変わった」と臆測を呼んだ。
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党人事にらみ不安定期 来秋党大会で幹部大幅入れ替え
【北京=永井央紀】対外的な結束を重視する中国共産党で、指導部の路線対立が機関紙ににじみ出た。内部に詳しい関係者は「党内が不安定期に入っている」と指摘。背景には最高指導部の大幅な入れ替わりが見込まれる2017年秋の次期党大会に向けた、つばぜり合いがあるとみられる。
習近平国家主席は汚職摘発で政敵を倒し「1強」と言われる権力基盤を固めてきた。主な標的となったのは江沢民・元国家主席につながる人脈で、李克強首相の出身母体である共産主義青年団(共青団)派の多くは「比較的、中立的な立場で協力してきた」(党関係者)。
ただ、党大会が近づくにつれて共青団には「このままでは冷遇されかねない」との警戒が強まっている。習氏の人事は地方勤務時代の部下らを要職に起用するケースが目立つためだ。江派からの反発も残る。
今年1月以降、習氏を「核心」とたたえる発言が各省のトップから続いたが、3月にはぴたりと止まった。ネット上では習氏を批判する文書が続出。習氏を文化大革命期の毛沢東のように称賛する風潮に知識人から反発が出るなか、李氏は知識人の輩出元である清華大と北京大を同時に視察する異例の動きを見せた。
「権威人士」の評論は習氏が改めて党内を引き締めにかかった一環との見方がある。
[日経新聞5月23日朝刊P.4]
- 中国民間投資、失速のわけ あっしら 2016/5/28 04:36:37
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