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日本経済への影響は? アメリカで6月利上げの可能性が高まってきた
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48720
2016年05月23日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
米FRB(連邦準備制度理事会)の関係者から、「6月ないし7月の利上げが可能」との発言が相次いでいる。18日に公表された4月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨によると、「景気回復が続くのであれば6月に利上げを行うべし」との議論がなされていた。
これを受けて、市場参加者は急速に利上げを意識し始めた。そうした観測が、少しずつドルの上昇をサポートしている。その動きは、これからドル強含み・円弱含みへの期待にもつながるはずだ。
ただ、米国の労働市場がほぼ完全雇用の状況を迎えつつある中、米国経済がドル高に耐えられるのかは慎重に考えた方が良い。米国政府も盛んにドル高を抑制する発言を行っており、本音を言えば緩やかなドル安を望んでいることだろう。
■利上げがあると考えたほうが自然
5月に入り、複数のFRBの関係者が6月の利上げの可能性を示唆している。18日に公表されたFOMCの議事要旨では、投資家の想定以上にFRBが6月の利上げに前向きであることが示された。
6月23日に実施されるEU離脱(Brexit)に関する英国民投票の影響を考慮して、6月の利上げが難しければ、7月の利上げの可能性もあるだろう。いずれにしてもFRBは、米国の期待インフレ率が本格的に上昇する前に金利を上げておきたいはずだ。
利上げの背景には、緩やかな物価上昇見通しや雇用の回復などいくつかの要因が考えられる。ここでは株価の水準に焦点を当てる。FRBは金利を引き上げることで、金融資産の価格水準が実力に見合ったものにランディングさせようと考えているだろう。
データを見る限り、米国の株式市場の水準はやや割高といえる。米国の株式市場全体の値動きを示すS&P500の予想利益に基づく株価収益率(PER)は17倍超と、リーマンショック後の最高水準にある。背景には、2月以降のドル安、原油価格の上昇が株価の上昇を支えたことがある。
FRBは小幅に利上げを進めるメッセージを発し、低金利に慣れた市場の目を覚まさせ、投資家のリスク再評価を促したいのだろう。米国の株価が現在の水準で推移するのであれば、FRBの指摘の通り利上げがあると考えた方がよさそうだろう。
■ドル高再来の可能性はあるか
年初来のドル安・円高は、わが国の企業業績に対する慎重な見方を強める要因になっている。そのため、米国の利上げが円安に繋がるかもしれない。今後のポイントは、米国の経済がドル高に耐えられるかどうかだ。
4月のFOMC直後に出された声明文は、米国の景気リスクへの言及を通して投資家に年内の利上げはないとの見方を持たせた。それがドル安につながり、米国の株価を支えた。足許では、タカ派発言を受けて株価はやや足踏み状態だ。つまり、米国の株式市場は、金融緩和策が株価を支える“金融相場”の状況にある。
実体経済に目を向けると、少しずつ景気がピークに向かっている兆候が見られる。労働市場が完全雇用に近づいているとみられるだけに、更なる雇用の増加が景気をどの程度持続させられるかは不透明だ。
仮に米国の生産性が上昇するのであれば、企業業績への期待が高まり、景気への前向きな見方が増えるかもしれない。しかし、1〜3月期の米国の労働生産性は-1.0%と、企業業績を支える経済的な基盤は不安定だ。
米国経済は、ドル高の影響を吸収しづらくなっている。過去の景気循環に照らしても、米国の景気はピークまで7〜8合目の状況にあるとみられる。FRBの利上げが、ドルが一方的に買われる状況をもたらすとは考えづらい。むしろ、利上げ後、米国の景気減速リスクが高まらないかには注意が必要だろう。
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