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[ポジション]マイナス金利 不発なら追加緩和圧力
日銀「半年以内に効果」 民間から厳しい視線
マイナス金利政策の効果を巡り、日銀と民間で温度差が広がっている。百貨店などの小売業界から今後も効果を期待できないとの声が上がっているほか、メガバンクも効果を疑問視する。日銀は2月の導入から半年以内に効果を発揮するという立場をとっているが、効き目が出ないと、秋前までに追加緩和を迫られる可能性がある。
日銀の黒田東彦総裁は13日の講演で、追加緩和について「効果がはっきりするまで待つことは全くない」と強調した。日銀がマイナス金利政策を始めたのは2月。総裁は4月の金融政策決定会合後の記者会見で「効果の度合いを見極めることが適切」と述べ、市場の多くが織り込んだ追加緩和を見送った経緯がある。はたして「効果」はいつ鮮明になるのか。
内閣府が5月12日発表した4月の景気ウオッチャー調査は、2〜3カ月先の街角景気を示す先行き判断指数が45.5と3カ月連続で低下した。調査は景気に敏感な百貨店の販売員ら2000人を対象にした。日銀は1月に「消費や投資を刺激する」とマイナス金利導入を決めたが、指数はそれから右肩下がりが続く。
一方でマイナス金利には肯定的な評価もある。南関東の物流会社の経営者は「借り入れに対する負担が軽くなり、動きやすくなる」と指摘。四国の住宅販売店が「住宅需要が増えて家具を買ってもらえる」と予想するなど、金利低下でモノの動きが活発になるのを期待する声も一部ある。
ただこうした意見は少数派。目立つのは、効果を疑問視する声だ。近畿の百貨店マネジャーによると「為替や株価が不安定。様子見の雰囲気が広がっている」。南関東の衣料品店も「消費者は節約ムードに慣れており、どんな影響が出るか不透明」と語る。
追加緩和見送りで円高が進んだことを懸念する声も多い。神戸の不動産営業は「円高が続くため景気が良くなるとは思えない」と悲観的。「外国人観光客の伸びが旺盛ではない」(北海道の観光ホテル)などインバウンド消費への影響を心配する意見もある。
メガバンクも負の効果を見込む。みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は13日の決算会見で「マイナス金利だけで設備投資が目に見える形で増えることはない」と指摘。16年度からの新しい中期経営計画では、3年間はマイナス金利が続く可能性があるという見方を示した。三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長も16日の会見で、最大1000億円の減益要因と明かし「金融市場が不安定ななかで個人の警戒感が増した」と言及した。
黒田総裁は効果を見極めるために追加緩和を見送った4月の会見で「(効果が出るのは)半年も1年もかかることではない」と述べた。逆算すると、マイナス金利は秋前までに効果が表れないと理屈があわない。民間がマイナス金利に厳しい目を向けるなか、6月、7月の日銀の決定会合に注目が集まる。
(馬場燃)
[日経新聞5月17日朝刊P.17]
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