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[私見卓見]韓国製造業、台頭する中国を警戒
韓国経済研究院院長 権泰信(クォン・テシン)
韓国の主力産業に対する中国の追撃が激しい。飽和状態に達したスマートフォン(スマホ)市場では中国企業中心に再編が進む。世界トップ5のうち3社が中国で発展速度は恐ろしいほどだ。半導体では中国企業の直近1年間の投資額が75兆ウォン(約6兆9千億円)に迫るという。サムスン電子が韓国・平沢に建設している世界最大の工場に投じる額の5倍だ。3〜6倍の年収を提示して人材確保にも熱をあげている。
全般的な技術水準でも中国の躍進は驚くほどだ。国連がまとめた製造業の競争力は、2000年に韓国が12位、中国は23位だったのが、10年は韓国4位、中国7位となった。中国が輸出市場でトップシェアを持つ品目数は07年の1210から13年に1538に増えた。韓国は同じ期間に73から65に減った。
中国の猛追の秘訣は何か。まず攻撃的なM&A(合併・買収)だ。最近では海爾集団(ハイアール)が米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電部門買収を決めた。中国企業が今年、成功したM&Aの総額は既に昨年1年間の1068億ドル(約11兆6千億円)を超えた。
もうひとつ注目すべきは起業ブームだ。昨年1年間の創業社数は前の年より21.6%増えたという。企業生態系が躍動的なことを意味する。この中から第二の馬雲(ジャック・マー、アリババ集団会長)が出る可能性は高い。13億人の内需市場を持つのも中国企業の強みだ。
韓国が進むべき道も中国の分析から見えてくる。積極的にM&Aに取り組み、相乗効果が期待できる分野の技術とノウハウをいち早く手に入れるよう努めなければならない。ベンチャー企業の育成にも拍車をかけるべきだ。
中国の内需市場もチャンスにできる。現在は中間財中心の輸出構造だが今後は消費財により力を注ぐのがよい。化粧品のアモーレパシフィックが成功しているように、現地の趣向を綿密に分析して戦略を立てるべきだ。
韓国は産業構造改革を加速し比較優位を得られる新たな領域を探す必要もある。それは米国の詩人、フロストのいう「誰も行かなかった道(The road not taken)」かもしれない。
韓中日が東北アジアの産業覇権を巡り競争する様子は山岡荘八が小説に描いた日本の戦国時代のようだ。10年、20年後にはどのような形に落ち着いているだろうか。
[日経新聞5月19日朝刊P.27]
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