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雑感。G7財務相・中央銀行総裁会議が開幕
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52807665.html
2016年05月20日 在野のアナリスト
2015年度の毎月勤労統計の確報がでてきました。名目の現金給与総額は前年度比0.2%増ですが、実質は0.1%減。賃金が物価変動に追いついておらず、所得は減少していることが数字からも示されました。官製春闘とも呼ばれましたが、効果は限定的だったようです。この原因をパートタイム労働者の増加に求める向きもありますが、正規労働との比率でいえば前年度比0.54pt上がったに過ぎず、安倍首相はパートタイムの時給は上がった、としますが、もしそうなら比率が上がっても全体を底上げしているはずです。消費増税が致命傷になる、とはこうした統計からも明白なのでしょう。企業業績にも翳りがみえ、今後は企業も防衛姿勢が強まり、賃上げもすすまない。そこに2%が負担として圧し掛かってくるのですから。
G7財務相・中央銀行総裁会議が開幕しました。まずメディアで「今回はG7各国の事情が異なり…」と枕詞のように使うことがありますが、G7各国の事情が同じなら、それは奇跡というぐらい珍しいことです。事情がちがうのは当然で、それでも目的を共有できるか、協調的な行動をとれるか、が議長国の手腕にかかっています。しかし残念ながら、手腕のない日本では意見が集約できず、各国の事情に委ねるといった当たり前のことを決めるだけに終わります。それを隠すため「各国の事情が異なり…」と当たり前のことを仰々しく言う必要があるのでしょう。
安倍氏が元気のない理由も、GWの欧州歴訪でかなり厳しいことを言われたためもあるのでしょう。経済政策がうまくいっているなら、むしろ今回のサミットも主導できた。しかし失敗していると各国から注文が入る。財政出動で意見をまとめ切れないのも、日本の失政を各国の財政出動でカバーする気か? と懐疑的にみられるためです。しかも日本はくり返し大型の財政出動をしたにもかかわらず、大して景気に好影響があったわけでもない。日本の財政出動はどういった分野にするのか? と問われ、公共工事などと言えば笑われるだけ。サプライズならヘリコプターマネーの導入と答えることになりますが、効果を疑問視される。安倍ノミクス、黒田バズーカと異例で異常な策にまで踏みこんで、日本は失敗しているではないか? と。きちんと効果を分析しているのか? と尋ねられ、安倍氏には答える術もなかったのでしょう。
国内向けには適当に誤魔化すことができても、国際社会では適当な説明が通用しない。それが安倍政権の限界です。今や中央銀行の大規模な緩和は、景気には寄与しないという意見が大勢を占め、黒田日銀にも包囲網がかかってきました。麻生財務相や黒田氏のように利かん気の人物なら受け流すのでしょうが、安倍氏は内弁慶で心が弱い。欧米の逆風をまともにうけて、心が挫けた。そんな事情が最近の元気の無さ、答弁の怪しさなどに凝縮されているようです。
今回のサミットで意見集約ができず、有効な策がうちだせなければ、安倍政権の国際社会での立場、立ち位置はかなり微妙なものとなるでしょう。経済政策に失敗した政権、として発言力を失うも同然だからです。それは「世界経済の下押し圧力」では一定の理解をする世界各国ですが、その下押し圧力を強める国の一つに、日本も含まれるかもしれないという見方にもつながるのです。
今、世界は米英を初めとした不動産バブルで、何とか景気を保っている状況です。いつ崩れてもおかしくない。中国では不良債権を証券化して処理する案まででてきた。これはサブプライムより厄介な金融商品をうむ可能性すらあります。世界が何とかぎりぎりで耐えているときにサミットの議長国になったこと、これも政権への逆風となるなら、ツキは完全に落ちたといえるのでしょうね。
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