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雑感。政府と日銀の動き
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52807419.html
2016年05月16日 在野のアナリスト
昨日もとり上げた中国の経済指標の鈍化、今日になって中国銀行業監督管理委員会(CBRC)が、金融機関に民間企業への融資をするよう命じ、そこに抑制する要因があればとり除くよう指示した、との記事がでてきました。分かり易く言えば無理にでも民間企業に貸し付けろ、ということであり、中国当局の危機感がかなり高いこともうかがえます。言ってみれば強烈に不良債権を増やしてしまう可能性を秘めたことであり、これで失敗すれば中国経済は一気に数十%も規模を縮小してしまう恐れすらある。最近では資金流出を防ぐために元高介入を行っているともされ、今は世界経済の減速をうけて、輸出より資本の強化、集積をはかっている。その一環としての今回の指示ですが、危険な賭けであることは云うまでもありません。
今、安倍政権は市場に思惑を走らせようと躍起です。13日の夜には安倍首相と黒田日銀総裁が会食を行い、臨時の日銀会合があるような印象を植えつけようとする。また今日の午前には浅川財務官をメディアに登場させ「為替急変なら介入」といった発言を報じさせる。午後には財務省・日銀・金融庁の幹部会合を開く。この会合は3月から定期開催となっていますが、月の初旬に行っていたこの会合を、今月はわざわざサミット前にぶつけてきた。初旬にGWが入ったとはいえ、先週でもよかったのにここで開催したのは、やはり一連の動きとして「何かする」との意識を市場に芽生えさせよう、サミット前に株高を演じたい、といった思惑もあるのでしょう。
ただ今の市場は、円売り株買いを仕掛ける層はたまに散見されるものの、今日も後場に崩れたようにそれほどメインのシナリオでもありません。恐らく今日は上記の動きに連動させ、日系が仕掛けた前場の動きだったのでしょうが、追随買いはなかった。むしろ海外勢にとって、日本だけが突出してサミット前に何かを仕掛ける、といったシナリオは想定しておらず、やるなら世界が協調してやらないと意味がない、そう考えている。これは為替も同じです。日本単独の介入なら怖くない。ルー財務長官がG7で通貨安競争の回避を議論する、と発言している以上、日本の単独介入にならざるを得ないのであり、今は発言があっても効果が持続しないのです。
今は為替は108円後半、株式は日経平均で16500円辺りがフェアバリューになっており、上下どちらにも動き易い、とみられています。つまり大規模な財政政策や日銀の追加緩和があっても、少し上にいくぐらいで、大きな損がないという意味です。ただこのフェアバリューは、決して日本経済の実力を示すものではありません。市場にとって都合いい、というだけです。
安倍政権は必死でそれを人為的にもち上げようとしますが、もうすでに市場の信用もない中ですから、効果も限定的です。老子の言葉を用いれば「軽諾は必ず信寡なく、易とすること多ければ、必ず難多し」です。安請け合いは信用をうしなう、また侮っていると困難に当たる、という意味ですが、おかしな口先介入は、安倍政権ではもう通用しないのであって、さらに信用を失うばかりです。いずれ安易に介入などとつかっていると、やがて市場からしっぺ返しを喰らうでしょう。いみじくもトヨタ社長が用いた「潮目が変わった」という言葉が、今の日本にはあらゆるところに当てはまります。老子の言葉をもじると「計画は必ず成果なく、益とすること多しといえど、必ず損多し」として市場から忌み嫌われるだけなのでしょうね。
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