欧州の銀行と借り手、マイナス金利で対立 スペインの変動型住宅ローン金利はマイナスになり得るのか。写真はサラゴサの住宅街 By PATRICIA KOWSMANN AND JEANNETTE NEUMANN 2016 年 5 月 16 日 15:26 JST 欧州の金利がゼロ付近やこれより下へと低下する中、スペインとポルトガルの議員や消費者保護団体は銀行が借り手側に借りを作ることになると主張することで、古くからの金融の理念に異議を唱えている。 金融システムに衝撃を与えたリセッション(景気後退)からの回復に苦戦している両国の銀行は、数十億ドルに上る住宅ローンの金利払いを巡って反撃に出ている。 ポルトガル銀行(中央銀行)のコスタ総裁は従来の立場を翻し、金利がマイナスに転じた場合に借り手への支払いを銀行に義務付ける法案にいち早く反対を表明している。両国の銀行は、新たに結ぶ住宅ローン契約においてローンの借り手に対し、マイナス金利で利益を得ることはできないとの警告条項を盛り込んでいる。 広告 スペインとポルトガルでは、一般的な銀行の住宅ローン金利は欧州銀行間取引金利(EURIBOR)に連動しており、この上にスプレッドと呼ばれる一定の利率が上乗せされる。一方、欧州の大半の国では固定住宅ローン金利が一般的だ。 1年物(緑)と6カ月物(薄緑)の欧州銀行間取引金利(EURIBOR) ENLARGE 1年物(緑)と6カ月物(薄緑)の欧州銀行間取引金利(EURIBOR) 昨年、欧州中央銀行(ECB)が欧州経済を刺激するためにマイナス金利を採用した後、EURIBORはマイナスへ転じた。これを受け、ポルトガルではごく一部だが住宅ローン金利がマイナス水準へ押し下げられている。 スペインとポルトガルの住宅ローン利用者の大部分は依然として金利を支払っている。スプレッドを帳消しにできるほどEURIBORが低下していないためだ。ただ、銀行はさらに大幅な低下を見込んでいないものの、念のため身を守る施策を講じている。 欧州にはすでに前例がある。マイナス金利導入から約4年がたつデンマークでは、銀行が数千件もの住宅ローンにおいて借り手に対し金利を支払っている。各行は一部手数料を引き上げて支払いの穴埋めをしているが、法的な異議の申し立ては増えていない。 スペインとポルトガルの銀行幹部は、借り手に支払いを行うことはあり得ないと主張している。 スペインの大手銀行バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のカルロス・トーレス・ビラ最高経営責任者(CEO)は4月、決算発表後の記者会見で、ローンの性質に反することから「顧客が金利払いを受けることは決してない」と述べた。最も極端なケースでも借り手の利払いはゼロになると語った。 ポルトガルの銀行幹部も非公式に同様の見解を示している。同国の銀行は金利がマイナスとなった少数のケースについてゼロへ引き上げた。 消費者団体はこれに対し、銀行には金利変動に応じて上下する変動金利ローンの条件を守る契約上の義務があると主張している。金利が十分にゼロを下回った場合、銀行は金利上昇時に返済金利を引き上げるのと同様に、借り手へ金利を支払うべきだという。 ポルトガル連立政権の一角を占める左翼ブロックは1月、銀行にこうした場合の金利払いを義務付ける法案を発表した。議会がこの法案を審議する中、ポルトガル消費者保護協会(DECO)は消費者に対してローン契約を確認し、マイナス金利の恩恵が受けられない場合は申し立てるよう呼び掛けている。 左翼ブロックのパウリノ・アセンサオ議員は「EURIBORとの連動を選択したのは銀行であって、顧客ではない」とした上で、「これは契約規則に従うという原則や信頼の問題だ」と述べた。 ポルトガル中銀のコスタ総裁は先月、この対立に参入し、当初の姿勢から一転して銀行を擁護した。 同総裁は昨年、銀行は契約規則に従い、ローン金利を計算する際にマイナスのEURIBORを適用すべきとの提言を発表した。だが先月、議員らに対し、当時はEURIBORが低下し続けるとは想像できなかったと述べた。 現在はそうなっているため、銀行システムはリスクにさらされているという。 ポルトガル中銀の推計によると、6カ月物EURIBOR(現在は0.144%)がマイナス1%へ低下した場合、国内銀行の利ざやは年間総額7億ユーロ(約862億円)減少する見込み。金利の下限をゼロにした場合でも、利ざやは5億ユーロ減少するという。 コスタ総裁は「借り手の期待と、金融システムの安定を守る必要性との間で、公正なバランスを図る必要がある」と語った。 総裁は既存ローンの金利の下限をゼロにするよう主張している。新たなローンについては、マイナスのEURIBORをゼロとして計算し、銀行がスプレッドをそのまま利益として得られるようにすべきだという。政府はまだ総裁の立場に支持を表明していないが、各銀行はそれぞれの行動を起こしている。 関連記事 マイナス金利の副作用―欧州銀、借り手に利払いも https://si.wsj.net/public/resources/images/OJ-AJ753_NEGRAT_16U_20160513170307.jpg ユーロ圏の景気回復、その要因は 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁 By SIMON NIXON 2016 年 5 月 16 日 12:55 JST 現在のユーロ圏はすでに世界経済の足かせではない。これは、世界金融危機の発生以降で初めてのこ とだ。欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが13日発表した1-3月期のユーロ圏域内総生産(GDP) 改定値は前期比0.5%増、年率換算で2.1%増と予想を上回っただけでなく、米国や英国の成長率を超え 、GDPは危機前の水準を回復した。ユーロ圏では過去3カ月間の雇用創出が20万を上回る。ギリシャは例 外だが、各加盟国は今年プラス成長を遂げる公算が大きい。 だが、こうした復調をよそに、そもそもユーロ圏をリセッション(景気後退)に陥れた理由を巡る議 論は終わっていない。多くのエコノミストはかねて、財政刺激策の国際協調の効果が薄れる中、各国が 2010年以降に厳しい緊縮策の断行を決定したことが原因だと主張してきた。この分析に対する信頼感が ここへ来て増している。ユーロ圏と米国の経済がまさに乖離(かいり)し始める中で緊縮策が成長を阻 害するようになっただけでなく、景気回復も緊縮策の緩和に伴い訪れているためだ。欧州諸国が難民危 機対応で政府支出を拡大したほか、ユーロ圏の財政規則が昨年、より柔軟なものとなったため、公的支 出はもはや経済の足かせになっていない。ベレンベルク銀行のホルガー・シュミーディング氏によると 、財政政策は今年のユーロ圏の成長に0.3ポイント寄与するとみられる。 ただ、相関関係が見られるからそこに因果関係があるとは限らない。ユーロ圏の景気回復には、原油 安やユーロ安、低金利など多数の要因が寄与している。欧州委員会は今月公表した分析で、財政政策の 相違はユーロ圏と米国との隔たりのごく一部を占めるにすぎないと示唆している。欧州委はユーロ圏の 二番底不況の原因としてこれ以外の問題、例えば、ストレス下にある銀行システムへの依存を反映した 信用状況の引き締まりや、生産性の伸びを抑えている構造的硬直性などを挙げた。また、明示的にでは ないものの、不適切な金融政策が多くの国で借り入れコストを高止まりさせていることが原因だと指摘 した。 事実、政府の借り入れコストの低下は、財政支出拡大の余地を生み出すという形でユーロ圏の財政状 況の緩和に寄与している。バンクオブアメリカ・メリルリンチのギレス・モエック氏は、利払い費を除 くと公的支出の成長への寄与度は危機以前の水準に戻っていると述べた。 この分析に基づくと、ユーロ圏最大の失策は緊縮策ではなく、欧州中央銀行(ECB)が2015年3月より 早い段階で量的緩和に着手しなかったことだということになる。この遅れについては、中央銀行による 財政支援が明示的に禁じられているユーロ圏では特にだが、国債購入を巡るモラルハザード(倫理観の 欠如)への政治的懸念があったことに関連した正当な理由があったのかもしれない。 だが、現在なら明確だと思われていることを政策当局は当時、明らかに過小評価していた。それは、 域内での切り下げを通じた競争力の回復がどれほどディスインフレ的であり、厳しい債務状況にどれほ ど追加的な圧力となるか、という点だ。ECBが大量に国債を買い入れている今、この政策は金利負担を 低下させ内需拡大を後押しする上では、米国の量的緩和とほぼ同じように作用しているようだ。 この緊縮策の役割を巡る議論は、将来の政策に対し重要な意味を持つ。結局、ユーロ圏経済は回復し ているが、成長の水準は米国と同様、過去の回復の基準からすると低いままだ。その上、足元の成長を けん引している要因は年内に消える可能性が高い。ユーロ相場はここ1年余り安定しているが、原油価 格は今年に入って上昇している。金利負担低下による一時的な押し上げ効果も消え始めるはずだ。一方 、世界の成長見通しが一貫して引き下げられていることを踏まえると、ユーロ圏が域外から大きな後押 しを得られる公算は小さい。 ユーロ圏は何よりも、相当な政治リスクに依然悩まされている。欧州連合(EU)離脱の是非を問う英 国民投票が最も差し迫ったリスクだが、難民問題も引き続きEU単一市場の円滑な機能を脅威にさらして いる。 だが、財政政策が景気低迷の主因でないとすれば、それは、足元の低成長の解決策にもならないだろ う。政策上の最大の課題は、ドイツ企業のバランスシートに積み上げられた現金が示しているように、 企業支出の低迷だ。生産性の向上につながるインフラや研究への的を絞った支出は役立つかもしれない 。だが、今は国際通貨基金(IMF)でさえ、ユーロ圏経済を後押しするためにドイツへ長年求めてきた 大規模な財政出動の要請をほとんど取り下げていることは注目に値する。 ユーロ圏の緊縮合戦が終了すれば、エコノミストや政策当局はかねて投資、ひいては力強い経済成長 の最大の障害となってきたものに焦点を絞る機会が得られるだろう。その障害とは、柔軟性を欠いた製 品・労働市場、不良債権の早急な再編の妨げとなる破綻処理制度の不備、不完全な税制度や過剰な官僚 主義などだ。 関連記事 IMF、ギリシャ支援でドイツの主張入れざるを得ない見通し ギリシャ、改革こそ生きる道 ギリシャリスク、EU離脱問う英国民投票にも影響 https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-OA450_eurofi_M_20160515133727.jpg
アイルランド、金融雇用誘致を積極化−英EU離脱問題が追い風 アイルランド政府は昨年、世界中に散らばるアイルランド系銀行関係者をダブリン城(写真)に集め、金融部門強化の計画について説明した By MAX COLCHESTER AND WILLIAM WILKES 2016 年 5 月 16 日 15:44 JST
【ダブリン】アイルランド政府産業開発庁(IDA)のマーティン・シャナハン長官は金融関連の雇用を取り込もうとする上で、偶然にも英国政府という援軍を手に入れた。 IDAは今後4年間で金融部門に1万人の雇用者を誘致する計画だが、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票がこの計画の達成を後押ししてくれている。 同長官は今年初め、「投資家は確実性を好む」ため、英国がEUを脱退する可能性を視野に「英国以外の選択肢を考えるかもしれない」と述べた。 英国の国民投票が迫る中、「ブレグジット(英国のEU離脱)」が現実のものになったときに生じかねない複雑な事態も想定し、世界中の銀行が相次いで主要拠点の英国外への移転を検討し始めている。金融規制が厳しくなることに加え、特にロンドンを拠点とした場合のコストが嫌気されている。KPMGのパートナー、ジャイルズ・ウィリアムズ氏は「銀行はコストと事業戦略をより全般的に見直しており、ブレグジットも前提条件の一つだ」と指摘する。 広告 アイルランド政府は2015年3月、金融部門の雇用誘致に乗り出した。シャナハン長官は、ブレグジットに乗じてアイルランドに有利なように誘致活動を進める計画はないと話す。だが、英国の国民投票を見据え、銀行は拠点を置くべき国の見直しをより積極的に行っている。 昨年、政府は世界中に散らばるアイルランド系銀行関係者をダブリン城に集め、国内金融部門の強化計画について説明した。ロンドンの大手銀行に働く人たちのうちアイルランド人はとりわけ多い。この会合の出席者の一人は「(会合のおかげで)アイルランドの芝生が青々としていることが確認できた」と話した。 アイルランドでは高い教育を受けた英語を話す人材と競争で優位に立つ税率を確保できる、というのが政府の売り文句だ。同国はEU離脱も考えていない。ここ数年ですでにいくつかの銀行が一部の拠点を同国に移している。シティグループは同国内に大きな拠点を構えており、昨年には欧州リテール事業本部を同国に移転する計画を発表した。 ウェルズ・ファーゴはすでにアイルランドでの営業免許を取得し、同国での融資を増やしている。事情に詳しい関係者によると、英国を離れる可能性も検討中だという。 クレディスイス・グループは1月、ダブリンにトレーディングルームを開設した。同行の広報担当はこれについて、英国の国民投票が発表される前に決まったことだと話したが、ある関係筋によると、拠点をさらに拡大する可能性もある。 金融危機時に大きな打撃を受けたアイルランドの銀行部門はいまだ本格的な再建の真っ最中だ。巨大な金融ハブを目指す同国は銀行救済のための国際融資を完済したものの、依然として景気回復には雇用創出が不可欠だ。 アイルランドがこれまで取り込んできた金融部門の雇用は、大半がオペレーションやコンプライアンス(法令順守)に関わるものだ。だが、これからはトレーディングや営業などフロントオフィスの雇用を増やしたい考えだとシャナハン長官は言う。 関連記事 英EU離脱問題特集 http://jp.wsj.com/articles/SB10272610103318793334204581557630317167472
ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 Paul Gordon、Piotr Skolimowski 2016年5月16日 12:26 JST 関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 野村、顧客トレードで44億円の損失「無能な」担当者の責任と主張 透明性向上のために年初から理事会メンバーのスケジュールを公開 ブラックロックやムーア・ヨーロッパ、HSBCの担当者とも面会 欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーが、米銀ゴールドマン・サックス・グループや米資産運用会 社ブラックロック、クレディ・スイス・グループ、ムーア・ヨーロッパ・キャピタル・マネジメントな どの銀行および投資運用会社の担当者と2月に会っていたことが、ECBが13日公表したスケジュール 記録で明らかになった。 ECBは透明性向上のために年初から3カ月遅れで理事会メンバーのスケジュールを公開している 。ドラギ総裁が追加緩和の必要性を示唆した1月21日の政策委員会から、買い入れ資産に社債を加える 購入プログラム拡充と利下げを決定した3月10日の政策委までの期間のうち、政策委前の1週間の「ブ ラックアウト期間」を除いた部分が今回の公表対象。 公開されたスケジュールによれば、コンスタンシオ副総裁と市場責任者のクーレ理事はそれぞれ、 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれた上海で、ゴールドマン・サックスの担当者 と2月27、28日に個別に面会。クーレ理事はこの2日間にクレディ・スイスおよびブラックロックの担 当者とも会った。グローバル経済と金融の問題がテーマだったという。 ドラギ総裁は、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の担当者と2 月3日に欧州連合(EU)の「経済・金融問題」について意見交換した。プラート理事はノムラやBN Pパリバ・フォルティス(ブリュッセル)の担当者と会い、ニューヨークのSGHマクロ・アドバイザ ーズも訪問。メルシュ理事はルービニ・グローバル・エコノミクスとムーア・ヨーロッパ、クーレ理事 はドイツ銀行や英銀HSBCホールディングス、コンスタンシオ副総裁はアクサ・グループの担当者と も面会した。 原題:ECB Met With Goldman Sachs and Peers Before March Stimulus Boost(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O78YLB6JIJUO01 野村、顧客トレードで44億円の損失「無能な」担当者の責任と主張 Patrick Gower、Donal Griffin 2016年5月14日 01:13 JST 関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 顧客のトレーディング活動に対応せず、記録的な損失に−野村 顧客担当のロンバルド氏は不当解雇で野村を提訴 野村ホールディングスのシニアマネジャーは英ロンドンの雇用裁判所に提出した文書で、顧客のパフォ ーマンス悪化を上司に報告できず、同行が記録的なトレーディング損失を計上する一因を作ったとされ るトレーダーについて「良く言って無能、悪く言えばペテン」だとこき下ろした。 このトレーダー、ジョバンニ・ロンバルド氏は不当に解雇されたとして野村を訴えている。これに 対し野村は13日、裁判所に文書を提出。株式セールス責任者のマイク・ウォード氏はこの中で、ロンバ ルド氏は顧客として抱えていたインベクスター・キャピタル・マネジメントの破綻に際し損失を回避す る手だてを「なにもとらなかった」と指摘した。 ウォード氏は、ロンバルド氏が恐らく来週証拠を提出し、顧客のトレードを監視するのは自分の責 任ではないと主張するだろうと記述。その上で、「ロンバルド氏がインベクスターのトレーディング活 動から重大な懸念を知らせるべきだったのにそれを怠った」と糾弾、「顧客のトレードを監視する義務 はなかったという考えはまったく受け入れられない。ロンバルド氏の役職ではそれこそが日常業務の中 核的な部分だ」と主張している。 インベクスターは取引開始から1年程度しかたっていない2015年に破綻、世界的な大手銀行の数行 に対して合計約1億2000万ポンド(約190億円)の損失を負わせた。野村は4000万ドル(約44億円)以 上の損失を被り、ウォード氏によると単一の顧客で生じた損失としては創業以来最大となった。ロンバ ルド氏は野村から31万ポンド(約4800万円)の年俸を得ていた。 原題:Nomura Blames Biggest-Ever Loss on ‘Incompetent’ Bond Trader (1)(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-13/O74EU46KLVRV01
SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 谷口崇子、Finbarr Flynn 2016年5月16日 12:15 JST 更新日時 2016年5月16日 14:47 JST 三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBC日興証券は、米国債券業務の強化へ向け現地で経験者
の採用を進めている。16日付でJPモルガンのハイイールド債リサーチヘッドだったダッグ・コーン氏 をアナリストに、また元BNPパリバのマイク・ディサント氏を社債トレーダーにそれぞれ起用した。 広報担当の田中慶氏が16日、両氏ともエグゼクティブディレクターとして採用したことを確認した 。コーン氏は機関投資家や自社トレーダー向けにテクノロジー・メディア・通信(TMT)と自動車業 界の情報を提供するデスクアナリストに就く。ディサント氏はTMTセクターのトレーダーの経験を持 つ。 SMBC日興は長引く超低金利の影響で日本国内の社債市場が低迷する中、昨秋、米債券営業部門 で初めて現地採用のトップを起用。営業力を強化する一方、既発債の在庫保有枠を拡大するなどして業 務を拡大している。今回の採用などにより機関投資家向け営業やトレーディング能力をさらに高める。 ブルームバーグのデータによると、SMBC日興は年初来の米投資適格社債の引き受けランキング で19位(67億7353万ドル)と、前年より4つ順位を上げてトップ20入りしている。引受額ではすでに前 年の66億6646万ドルを上回っている。 国際決済銀行の統計によると、社債を中心とした米国の負債性証券の発行残高は20.6兆ドルと日本 の7倍以上の規模。日本銀行の黒田東彦総裁によるマイナス金利導入などで金利が歴史的な低水準とな っている影響もあり、日本での昨年度の国内社債発行は前年度比24%減の8兆1933億円に縮小している 。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O73T0U6JTSEN01 ヘッジファンド、ジェットコースターのようなロシア市場で大きな利益 Elena Popina 2016年5月16日 09:09 JST
関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で ロシアに重点置くファンドの昨年初め以降のリターンは29%:データ ロシア株式市場は過去1年4カ月間、世界で最も変動性が高い 世界で最もボラティリティ(変動性)が高いロシア関連資産が、新興国の資産のなかで最も大きなリタ ーンをヘッジファンドにもたらしている。 ヘッジファンド調査会社イーベストメントによると、ロシアに重点を置くファンドの昨年の年初以 降のリターンは平均でプラス29%と、他の主要新興国に重点を置くファンドを上回っている。このリタ ーンは中国に重点を置くファンドの8倍、インドに投資するファンドの16倍に上る。MSCIロシア指 数はこの間に17%上昇した。 ロシア金融市場のパフォーマンスは同国最大の輸出品である原油の価格と密接に関係している。ロ シア株式市場は過去1年4カ月間、世界で最高の月間パフォーマンスを示したり2桁の下落率を示した りするなど変動が激しく、従来型のファンドの多くの運用者は同市場から撤退した。北海ブレント原油 価格が2003年以来の安値を付ける中、ロシア通貨ルーブルは最大68%下落している。こうした環境で、 規制が比較的厳しくなく、リスクのより高い投資戦略を採用できるヘッジファンドはリターンを拡大し ている。 約25億ドル(約2700億円)相当の資産を運用するイースト・キャピタル・グループのパートナー、 アルビン・ローゼングレン氏は先週、ドバイからの電話インタビューで「ロシアで達成できるほどのリ ターンを挙げられる場所は世界であまり多くない」と指摘。「市場の不透明感が非常に強かったため投 資家らは昨年、ロシアから撤退した。今年は魅力的に見えるのでロシアに参入しつつある。当社にとっ てロシアは昨年も今年も良い投資先だ」と述べた。 イースト・キャピタル・グループによれば、ロシアに重点を置く運用資産5億ドルのファンドのリ ターンは今年プラス17%と、同社の総運用資産約25億ドルのリターンであるプラス5.5%を上回ってい る。同社の資産のうち約10億ドルがさまざまな投資戦略でロシアに投資されている。 原題:Hedge Funds Reap Big Rewards From Roller-Coaster Russian Markets(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O78R7S6TTDS301
米国株の強気相場、最大の味方失う−自社株買いは09年以来の大幅減少 Lu Wang 2016年5月16日 14:28 JST 関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 発表された自社株買いは前年同期比で38%減の2440億ドル マクロ経済の不確実性が自社株買い減少要因、企業の減配件数は増加 米企業は収益不振の中でベルトを引き締めるべき新たな分野に注目しているが、これを株主は好感しな いだろう。 米企業がこの5年間に多額の資金を投じた自社株買いは、株式市場のほかの買い手を圧倒する規模 だったが、ここにきてアップルやIBMなどがブレーキをかけている。ビリニー・アソシエーツとブル ームバーグの集計データによると、今年1−4月期に発表された自社株買いは前年同期比で38%減少し 2440億ドル(約26兆5800億円)と、2009年以降で最大の落ち込みとなった。 金融危機後で最も大幅な減益の中での自社株買いの落ち込みは、米企業が欧州や中国、米国で広が る経済や政治の不確実性を受けて手元現金を温存しているシグナルだろう。個人やマネーマネジャーが 市場から去り、バリュエーションが14年ぶりの水準付近に高止まりする中で、史上2番目の長期にわた る強気相場を浮揚させてきた最大の要因が失われる恐れがある。 コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのブラッド・マクミラン最高投資責任者(CI O)は、「市場で唯一の意味ある需要の源が企業の自社株買いである場合、それがなくなればどうなる のか。心配すべきだろう」と語った。 企業が削減しているのは自社株買いだけではない。4四半期連続の減益を受け、減配する企業数は 7年ぶりの高水準に達した。企業が利益を上回る株主還元を行ったことに政治家の批判が集まっており 、大統領選で民主党から候補指名獲得を目指すクリントン前国務長官は昨年7月、企業が株価に集中す ると投資が減り、経済に悪影響が及ぶと指摘した。 今年1−3月(第1四半期)の米国の設備投資は5.9%減と、09年以来最大の落ち込みだった。 原題:Bull Market Losing Biggest Ally as Buybacks Fall Most Since 2009(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O7952P6JTSE801
ヘッジファンドの銀買い越し、過去最高水準−相場上昇の勢いには衰え Luzi Ann Javier 2016年5月16日 14:30 JST
関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 資産運用会社は銀の買い越し増やす:CFTCデータ 工業用需要などで銀相場は今年24%上昇している 今年の貴金属市場で最高のパフォーマンスを示している銀の相場上昇の勢いが衰え始めているにもかか わらず、ヘッジファンドによる銀相場上昇を見込む買い越しは過去最高水準に達した。 資産運用会社による銀の買越残高は過去5週間のうち4週で増加。銀相場は1−3月(第1四半期 )に四半期ベースとしては2012年以来最高のパフォーマンスを示した。ただ相場は2週連続で下落し5 月に入ってほぼ4%下げており、上昇は鈍化する兆しを見せている。 経済指標から米国経済の回復力と中国経済の安定化が示され、銀相場のパフォーマンスは4月半ば に金を上回り、貴金属で最高となった。その数日後に銀は強気相場入りした。ただ、それ以降、今月発 表された一部の工業指標が予想を下回る中、工業用需要の楽観的な見通しは揺らいできている。 米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、資産運用会社による銀の先物とオプション の買越残高は10日終了週に7%増加し7万1656枚。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX 部門の銀相場は先週、2.3%下げ1オンス=17.132ドル。今年24%上昇している。 原題:Hedge Funds Keep Betting on Silver Even as Rally Starts to Fade(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O7944Z6TTDS001 超長期債安い、消費増税先送り観測−需給・財政でダブルパンチとの声 三浦和美、山中英典 2016年5月16日 07:56 JST 更新日時 2016年5月16日 13:15 JST
関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 新発30年債利回り一時0.36%と4月末以来の高水準 ベアスティープニングの流れ続きやすいのではないか−バークレイズ 債券市場では超長期債を中心に下落。20年債と40年債の入札を控えて利回り曲線にスティープ(傾斜) 化圧力が掛かる中、消費増税先送りをめぐる報道を背景に売りが優勢となっている。 16日の現物債市場で新発30年物の50回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末3時時点の参照 値より1.5ベーシスポイント(bp)高い0.36%と、4月28日以来の水準で取引を開始。いったん0.35% を付けた後、0.355%で推移している。新発20年物の156回債利回りは0.5bp高い0.27%で開始し、午後 は0.275%に上昇。長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは横ばいのマイナス0.115% で取引を開始し、その後はマイナス0.11%を付けている。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、先週末の米国債高 にもかかわらず、売りが先行したと指摘。「消費増税の再延期は当社のメーンシナリオでもあり、市場 でもある程度織り込まれているもようだが、スティープ化要因になる。先週の30年債入札が軟調だった のと合わせ、需給面と財政面のダブルパンチになる」と話した。 長期国債先物市場で中心限月の6月物は前週末比3銭安の151円90銭で取引を開始し、いったん151 円85銭まで下落した。一時4銭高の151円97銭まで上昇したが、午前の日銀金融調節で国債買い入れオ ペ通知がないと再びマイナス圏まで下げた。 14日付の日本経済新聞は、安倍晋三首相が2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを再び 延期する方針を固めたと報じた。今月26、27日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論など を踏まえて表明する見通しだとしている。共同通信によると、首相は同報道を否定しているという。 自民党の稲田朋美政調会長は15日朝、NHK番組「日曜討論」で、安倍首相が6月1日の国会会期 末までに消費税率引き上げ問題について表明しないのかとの質問に対し、日本経済を壊すとの判断なら 何らかの判断が示されると答えた。 バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジスは、「先週の流れを引き継いで弱めにスタートし た。消費増税先送りの報道も意識され、ベアスティープニングの流れが続きやすいのではないか」と話 した。 財務省は17日に5年債入札、19日に20年債入札を実施する。26日には40年債入札が予定されている 。今月は超長期ゾーンの入札が3週連続で行われる一方、日銀が4月末に発表した当面の長期国債買い 入れ運営によると、10年超の国債買い入れオペは月5回程度。5月に入ってすでに3回実施されている 。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-15/O73GPL6JIJVB01 ウォール街の債券利回り予想、一段と分散−利下げ観測も浮上 Susanne Walker Barton、Catarina Saraiva 2016年5月16日 14:22 JST 関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で スタンダードチャータードのコスターグ氏は利下げで米国債高と予想 米経済や利回りに関する見通しにばらつき−ブルームバーグ5月調査 スタンダードチャータードのトーマス・コスターグ氏の目には、米連邦公開市場委員会(FOMC)に よる年内利上げ実施の有無は、債券投資家にとって大問題ではない。むしろ、あとどのくらいで当局が 利下げを余儀なくされるのかが重大だという。 シニアエコノミストのコスターグ氏によれば、FOMCはリセッション(景気後退)リスクに対応 し、7年にわたる事実上のゼロ金利政策を終了する動きを撤回せざるを得なくなる。これが米国債需要 を支え指標10年債利回りを1.6%に押し下げるという。同氏の予想した水準はブルームバーグの最新調 査で最も低い見通しの1つ。 これと対極の予想を示すのは、アマースト・ピアポント・セキュリティーズのスティーブン・スタ ンリー氏だ。同氏はインフレ率や雇用の伸びを受けて当局が年内2回利上げするとの見方から、指標利 回りは1ポイント強上昇し2.8%を付けると見る。 Forecaster Firm Highest 2016 Yield Forecasts (%) John Dunham Guerrilla Capital 3.53 Stephen Stanley Amherst Pierpont 2.80 Ian Shepherdson Pantheon 2.75 Chris Rupkey Tokyo-Mitsubishi 2.70 Scott Brown Raymond James 2.61 Forecaster Firm Lowest 2016 Yield Forecasts (%) Paul Mortimer BNP Paribas 1.50 Steven Major HSBC 1.50 Thomas Costerg Standard Chartered 1.60 Sergio Capaldi Intesa Sanpaolo 1.60 Mikhail Melnik Kennesaw State Univ 1.67 こうした相反する見方は米経済の方向性と、その米国債市場への影響をめぐるコンセンサスの乏し さの象徴だ。同時に、債券利回りが急低下し価格が上昇する中、米金融当局者が発するまちまちなシグ ナルや中国をめぐる不安、日欧のマイナス金利を受けて、投資家にとってリスクが増しているかを映す ものでもある。2016年は、強気派と弱気派の予想の差が過去3年のいずれの年よりも広がっており、ボ ラティリティの高まりが金融市場を悩ませている。 コスターグ氏(30)は電話インタビューで、「厳密に言うと、米金融当局のフォワードガイダンス に従うなら、より多くの利上げをもっと早期に実施していたはずだ」と指摘。「一部の予測者はそのわ なに陥った」と付け加えた。 過去3年間は、債券市場の最も強気な見通しに耳を傾けた向きが報われた。13年末に3%でピーク を付けた指標10年債利回りは、その後急低下した。インフレや賃金の期待外れの数字に加え、世界経済 の不振を受けて安全資産に対する需要が保たれた。10年債利回りは今年だけでも0.5ポイントあまり低 下し、先週は1.7%で終了。今年の相場上昇を受けて同利回りの年末予想の平均は5月12日時点で2.2% に低下したとはいえ、個々の予想は一段と分散しつつある。 ブルームバーグがストラテジストやエコノミスト66人を対象に実施した5月の調査では、公式の利 回り予想で最低はBNPパリバの1.5%で、最高はゲリラ・エコノミクスの3.53%。このため最低と最 高の差の今年の平均は1.96ポイントとなり、少なくとも13年以降で最大となったことがブルームバーグ の集計データで分かった。 原題:Wall Street’s Bond Forecasters Splinter as Fed Credibility Wanes(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O791OA6KLVR401
石油生産者、3カ月の原油上昇局面は終了間近と予想−下落に備える Joe Carroll 2016年5月16日 14:51 JST
関連ニュース 日本株は終盤失速、TOPIX再度マイナスも−非鉄強い、ゴムは下落 SMBC日興:米債券業務で採用継続、JPモルガン出身者ら2人 ゴールドマンやクレディSと追加緩和前に意見交換−ECBが情報開示 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で 生産者側のWTI売越残高は4年半ぶり高水準 ヘッジを積極的に行う動き強めているとアナリスト 石油の生産者側は原油価格持ち直しを好機と捉え、再び価格が落ち込んだ時に備える動きに出ている。 米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、米指標原油ウェスト・テキサス・インター ミディエート(WTI)先物とオプションの生産者らによる売越残高は、5月10日終了週に3.8%増加 して2011年9月以来の高水準に達した。カナダの山火事やアフリカでの武装勢力による攻撃が生産抑制 要因となっているが、米在庫は87年ぶりの高水準付近で推移している。売越残高の増加は3週連続と、 2月以来最長。 EOGリソーシズやチェサピーク・エナジーなどエネルギー会社は、先物やスワップといった金融 手段を活用し、再び原油が下がる事態に備えている。WTIは12年ぶりの安値を付けた2月中旬以降、 75%余り上昇した。 アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は生産者側について、 「上昇局面が始まって以来、ヘッジを積極的に行う動きを強めている。価格の下降局面での生き残りを かけて、この取引に魅力を感じているようだ」と語った。 原題:Oil Drillers Betting Three-Month Crude Rally Is Nearing the End(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O7960B6JIJUU01 原油市場、ゴールドマンの予想に反し不足に転じる−供給減少で Serene Cheong 2016年5月16日 14:11 JST
ゴールドマン、5月に供給が不足し短期的見通しを引き上げ 原油市場の供給は来年初めに再び過剰になるとの見方 世界の原油市場は、米ゴールドマン・サックス・グループの予想より早く供給不足に転じた。 ゴールドマンのアナリスト、ダミアン・クールベイリン氏とジェフリー・カリー氏は15日付リポー トで、予想外に供給に支障が出て生産が急激に落ち込む一方、需要が堅調さを維持したことから、市場 は供給過剰の状態では「突然なくなった」と指摘。このため同行は今年下期(7−12月)の米国の原油 価格見通しを1バレル=50ドルに引き上げた。3月時点の見通しは同45ドルだった。 ゴールドマンは、カナダの山火事やナイジェリアでのパイプライン攻撃など予想外の事態により、 市場の供給は7−12月にかけて不足すると予想。ただ、生産の一部が再開し、米国や北海、イラク、イ ランの生産が予想を上回るとみられることから、不足分は日量40万バレルと、従来予想の同90万バレル を下回るとの見通しを示した。供給が再び過剰になるのは来年初めとみている。 ゴールドマンのアナリストらは「ようやく原油市場の現物需給が再び均衡し始めた」と指摘。見通 しの変更は「当行の従来の見方を反映している」と説明。「それは長期的な供給過剰は短期的な不足を 生み出し得ると予想され、当行は周期的には強気、長期的には弱気な見方をしているということだ」と 述べた。 原題:Goldman Surprised by Oil Market’s Flip to Deficit on Supply Cuts(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-16/O795X86TTDS201
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