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老後資金が3000万円あっても 毎月使える金額は6万6000円!?
http://diamond.jp/articles/-/91108
2016年5月16日 深田晶恵 ダイヤモンド・オンライン
「下流老人」になる分かれ目はどこか? 消費税増税、社会保険の負担増、教育費の高騰などで貯金が少ない40代、50代。
今の日本人の平均寿命は83歳で、60歳定年から平均で23年もある。老後年収200万円で20年以上安心して暮らすためには、老後のお金の現状を知っておくべきである。
ダイヤモンド・オンラインでも人気の連載「40代から備えたい 老後のお金クライシス」を書いている深田晶恵さんが、『定年までにやるべき「お金」のこと』という本を上梓。この内容をベースに、お金に不安がある人たちに役立つコンテンツを紹介していく。
■老後は65歳から25年続くと予想する。
「少し先」を計算してみると…
前回は下流老人に転落する人には、以下の「2つの力」がない、ということを伝えた。
(1) 制度を知る・利用する力が「ない」
(2) 少し先を想像する力が「ない」
前回は(1)に言及したので、今回は(2)について詳しく書いていく。
この、(2)少し先を想像する力が「ない」というのはどういうことか。
よりわかりやすく言えば、「自分のお金に関すること」について、5年後、10年後はどうなっているかを考える習慣があるかどうかということだ。
たとえば退職金を手にすると、初めて持つ大金に気持ちが大きくなる人は少なくない。後先を考えず、
「せっかくリタイアしたんだから、夫婦でゆっくり海外旅行に」
「子どもが家を買うなら頭金を少し出してやろう」などとお金をどんどん使ってしまい、気付けばほんの数年で300万円、500万円といった金額を使ってしまうのだ。
このような行動は、まさに「少し先を想像する力がない」ために取ってしまうものだと言える。「先を想像する」というのは、さほど難しいことではない。足し算、引き算、そして、割り算、掛け算ができれば十分だ。
■老後の25年間で、
老後資金3000万円をどう使う?
では、退職金を手にした人が「先を想像する」と、どうなるだろうか。
65歳時点で退職金と貯蓄を含めた老後資金が3000万円あるとする。大きな病気にかかったときの備えや家の修繕費など「特別支出」のために1000万円は取り分けておくとすると、残りは2000万円。
90歳までの25年間でこのお金を使うとすると、“割り算”を使って2000÷25だから1年当たりの取り崩し額はだいたい80万円になる。月にならせば1ヵ月6万6000円だ。
このようにちょっと計算してみれば、退職金が入ったからといって「使っていい金額」はそう大きくないこと、数年で何百万円も使うなど言語道断であることはすぐわかる。これがまさに「先を想像する」ということである。
「先を想像する」というのは、言われてみればごく簡単なことだと感じるだろう。だが、日々の生活でこれを実践できている人は少ない。
■毎月の支払いは年間でいくら? 20年ではいくら?
掛け算ができればわかる!
たとえば面倒くさそう…と手をつけたがらない人が多いが、「保険のはらいすぎ」も将来の家計を圧迫する原因だ。
これも「先を想像する」習慣があれば、早めに気付けるはず。家族で今の保険料を5年、10年と払い続けたら、一体いくらになるか?
仮に掛け捨ての医療保険に月2万円払っているなら、60歳から80歳までの20年間で480万円が確実に手元からなくなるわけだ。
一度“掛け算”を使って計算してみれば、「老後に収入が激減する中で、これほどの金額を払うだけの価値があるのかどうか」と真剣に考えるきっかけになるだろう。
生活費の管理にも、同じことがいえる。通信費が携帯電話、固定電話、子どもも含めた家族の分をすべて足して毎月1万円だったら、1年間では48万円、10年間では480万円。この金額を見れば、「なんとか通信費をカットして、一部は貯蓄に回そうか」という気になるのではないか。
保険料や通信費に限らず、支出は「年間でいくらかかっているか」を掛け算、足し算で計算してみる習慣をつけることを勧めたい。
特に固定費については、手間に見えても、一度見直しをしてカットできれば、家計改善効果が長く続くのでお勧めだ。少額に思える支出が「チリも積もれば」で家計を圧迫していることに気付き、支出を削れるポイントを発見できることもある。
■60歳までに貯めたい額を
具体的に設定する
また、貯蓄がなかなか増やせていない人は「あまった分だけとりあえず貯める」というパターンが多く、結局、「今月は貯められなかった」「先月は貯められたけれど、今月赤字で使ってしまった」といったことの繰り返しになっていることが多い。
これを脱するには、まず60歳までに貯めたい額を「1000万円」「2000万円」というように設定し、それを細かく年度ごと、そして毎月に落とし込んでいく。仕事のタスクをこなす感覚である。
「毎年いくらずつ貯めればいいか」
「それを毎月の収入とボーナスから貯めるとしたら、それぞれいくら貯蓄に回せばいいか」
を計算してみる。
あとは、給与やボーナスが振り込まれたら、その分を先取りして積み立て貯蓄に回してしまえばよい。
これも、「いくらずつ貯めたら10年後、20年後にいくらになるか」、先を想像することで手が打てるという一つの例だと言える。定年までの年数が短い場合は、目標貯蓄額が高いと、毎月の設定がどうしても無理めな金額になりがちだ。その場合は貯蓄だけでなく、支出にも目を向ける、また定年後も収入を得るため働くなど、トータルで考えるとよいだろう。
今まで挙げた事例は、すべて非常にシンプルな計算で答えがわかるものばかりだ。
「毎月○円を払ったら、支出額は10年間でどれくらいになるのか」
「この金額を貯め続けたら、○年後にはいくらになるか」
「○円のお金があって、×年間これで暮らしていくなら、毎年いくらまで使っていいのか」
繰り返しになるが、こういった簡単な計算すらしないままで、「なんとかなるだろう」と思っている人は非常に多い。「少し先を想像する」力がないと、計画的にお金を管理できず、いずれは行き詰まることになる可能性が高い。
“下流老人”への道に足を踏み入れてしまわないよう、「少し先を想像する力」を意識的に身につけ、家計管理のあらゆる面で実践していってほしい。
次回からは、40〜50代が今から定年までにできることを提案していく。
深田晶恵(ふかた・あきえ)
株式会社生活設計塾クルー 取締役。
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、レタスクラブ等でマネーコラムを連載、ほかにダイヤモンド・オンラインでの『40代から備えたい 老後のお金クライシス!』のネット連載も好評。
主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』『投資で失敗したくないと思ったら、まず読む本』『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂5版』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』、『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)他多数。
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