http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/548.html
Tweet |
国や自治体の制度を知らないと下流老人になりやすい
http://diamond.jp/articles/-/90757
2016年5月13日 定年までにやるべき「お金」のこと 深田晶恵 ダイヤモンド・オンライン
「下流老人」になる分かれ目はどこか? 消費税増税、社会保険の負担増、教育費の高騰などで貯金が少ない40代、50代。
今の日本人の平均寿命は83歳で、60歳定年から平均で23年もある。老後年収200万円で20年以上安心して暮らすためには、老後のお金の現状を知っておくべきである。
ダイヤモンド・オンラインでも人気の連載「40代から備えたい 老後のお金クライシス」を書いている深田晶恵さんが、『定年までにやるべき「お金」のこと』という本を上梓。この内容をベースに、お金に不安がある人たちに役立つコンテンツを紹介していく。
■オトクな公的制度の多くは、
「申請主義」である
「40代から備えたい 老後のお金クライシス」で、以前、老後貧乏から下流老人に転落する分かれ目はどこか、というテーマで書いた。そこでも述べたが、私は下流に落ちてしまう人というのは、次の2つの力がない人だと考えている
(1) 制度を知る・利用する力が「ない」
(2) 少し先を想像する力が「ない」
貧乏な老後はもちろんだが、それ以上に“下流老人”にだけはなりたくないという人は多いだろう。
そこで今回は(1)の「制度を知る・利用する力」について、詳しく説明しておきたい。
まず、頭にたたき込んでおきたいのは、社会保障制度や福祉制度の多くは「申請主義」だということだ。どんなに良い制度があっても、そのことを知らず申請手続きを取らなければ、利用することはできない。
「国や自治体がいいようにしてくれるはずだ」などと思い込んでいると、痛い目に遭うことになる。
たとえば、公的な健康保険には、自己負担額が一定額を超えると超過分が戻ってくる「高額療養費制度(こうがく・りょうようひ・せいど)」があることをご存じだろうか。
一般的な所得なら、69歳までは月9万円前後が最終的な自己負担になる。
たとえば、ある月の医療費が100万円かかり、窓口で自己負担3割分として30万円を払ったとしても、差額分が支給されることで自己負担は9万円前後で済む。つまり、合計で90万円分を補助してくれるということだ。
この高額療養費制度は、大企業に勤めていて健康保険組合に加入している人の場合、原則、申請しなくても自動的に支給される。しかし、協会けんぽ(全国健康保険協会)や国民健康保険の加入者の場合、自分で手続きをしなければ高額療養費の支給は受けられない。
■高額な医療費がかかったら
使える制度はないか調べてみる
私がFPとして家計の相談を受けていると、ときに「大きな病気をして今年は医療費がたくさんかかった」という人がいる。
そこで高額療養費の申請をしたかどうか訊ねると、「医療費で確定申告するやつですよね?」などと言われることが少なくない。
これは「医療費控除(いりょうひ・こうじょ)」の話で、「高額療養費制度」とは違うものだ。もちろんこの「医療費控除」も自分で確定申告しなければ税金は戻ってこない。
こういった仕組みを知っている人は「高額療養費制度」を使って自己負担を減らし、さらに翌年に「医療費控除」の確定申告をして税金を取り戻すことが可能であり、まさに知らないとソンということになる。
この「医療費控除」を一言で説明すれば、医療費が原則10万円を超えた場合に確定申告をすれば、税金が戻ってくるという制度。しかし、正しく知らないために十分に利用できていないケースも多い。
たとえば退職後に大病して医療費が多くかかってしまったとき。
「もう働いていないから(もしくは、あまり収入が多くないから)税金もそんなに払っていないので、医療費控除は受けられない」という人がいる。
しかし、医療費控除の金額は「世帯の合算」ができる。配偶者や子どもなど生計を同じくする人の中に働いている人がいるなら、その人が確定申告をすればいい。もちろん、いちばん多く税金をおさめている人が確定申告した方が、戻ってくる税金も多い。
これはアドバイスすると「そうなんですか?」と驚かれることが多いポイントだ。
■知らないとソン!
「届け出」だけでもらえるお金がある
公的年金も申請が必要だ。「65歳になったら自動的に振り込まれるのだろう」と思っている人がいるが、実際には請求手続をしなければ年金は受け取れない。
また、転職経験がある人の場合、年金の「もらい忘れ」が発生する場合もある。たとえば、企業年金制度を持つ企業に勤めていたことがあり、企業年金への加入期間が10年未満でも「中途脱退者」として企業年金連合会から年金を受給できる。
加入期間が10年以上の場合、企業年金が解散したら「解散基金加入員」「終了制度加入者」として企業年金連合会から年金を受給することになる。
しかしこれらのケースも、自分で申請することが必要だ。
ほかにも、「申請しなければもらえないお金」は多い。逆に言えば、届け出さえだせば、もらえるお金は案外多いものだ。
日本の社会保障制度や福祉制度には優れたものがたくさんあるが、制度を知らず、利用する力がなければ“宝の持ち腐れ”である。
こういった話をすると「申請しないともらえないなんて、そんなひどい話があるのか」と怒る人もいる。
だが冷静に考えれば、振込先も知らせていないのに自治体からお金が振り込まれることはありえない。社会保障や福祉の制度が「申請主義」なのは、ある意味では当たり前のことだ。
■下流老人にならないための
「 2つの力」
メディアで取り上げられる“下流老人”の実例を見ていると、年金受給額が少なくてとても生活できない水準の人がいる。
しかし、年金受給額が生活保護基準を下回っていれば、生活保護を申請すると、差額分を受給できる(他の支給要件を満たす必要あり)。だが、これも知らなければ利用できない。
だから自分できちんと制度を知る・利用する力をつけることが必要になるのだ。繰り返しになるが、下流老人に転落しないためには、次の2つの力が必要である
(1)制度を知る・利用する力
そして
(2) 少し先を想像する力
次回は、もうひとつの力、Aの少し先を想像する力について述べたい。
深田晶恵(ふかた・あきえ)
株式会社生活設計塾クルー 取締役。
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、レタスクラブ等でマネーコラムを連載、ほかにダイヤモンド・オンラインでの『40代から備えたい 老後のお金クライシス!』のネット連載も好評。
主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』『投資で失敗したくないと思ったら、まず読む本』『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂5版』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』、『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)他多数。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民108掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。