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日本生命本社(「Wikipedia」より/663highland)
日本生命、ボロ儲けか…平均寿命で死ぬと契約者が約5百万円損する保険販売
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15068.html
2016.05.13 文=鷲尾香一/ジャーナリスト Business Journal
日本生命(以下、日生)が4月2日から取り扱いを開始した新商品「ニッセイ長寿生存保険(低解約払戻金型)Gran Age(グラン エイジ)」が、生命保険業界内で物議を醸している。この商品は、「人生100年時代」を謳い文句に死亡時の支払金を抑え、長生きすればするほど儲かるという考え方に基づいた「長生きのための新しい保険」というのがコンセプト。死亡時の支払金や解約払戻金を低く抑え込むことで、年金を生きている限り受け取ることができる仕組みとなっている。
日生はこの商品を開発した背景について、「人生100年時代は、長いセカンドライフのための経済的な備えが不可欠となるが、自身の寿命が予測できない以上、どの程度の準備が必要なのかなど、経済的な不安は拭えない。こうした不安を解消するための商品として開発した」としている。
業界内では、「個人年金商品での低解約払戻金型は業界で初めて。コンセプトは非常におもしろい」と評価する声はあるものの、「商品性に問題があり、訴訟リスクを内包している。当社では同様の商品を取り扱うつもりはない」と手厳しい声が多い。では、同業他社がそこまで問題視する商品性とはどのようなものなのか。
まず、この商品には積み立てた掛け金の受け取り方法として、(1)5年保証期間付終身年金、(2)10年確定年金、(3)一括受取の3つがある。このうち、(2)と(3)はほかの生保でも扱っており、特別変わったものではない。売りはなんといっても5年保証期間付終身年金だ。
商品性の問題点を明らかにするにあたり、日生が説明書で取り上げているモデルケースを使う。毎月、年金を5万円受け取れること前提とし、50歳で契約、20年間保険料を支払い、70歳から年金の受け取りを開始するというパターンだ。この場合、月々の保険料と支払保険料の総額は以下のようになる。
・月額の保険料:4万7946円(男性)、5万8680円(女性)
・支払保険料の総額:1150万7040円(男性)、1408万3200円(女性)
上記のように、保険料の支払総額は男性の場合で約1150万円、女性の場合には約1408万円という高額になる。女性の保険料が高いのは、女性の平均寿命が男性よりも長いという理由による。さて、70歳から年金の支払いが始まると、月々5万円が支払われるため、年金受取額は年間で60万円となる。
■平均寿命まで生きても損?
では、日生が宣伝するように、どこまで長生きをすれば儲かるのであろうか。
14年時点で男性の平均寿命は80.5歳、女性は86.8歳となっており、平均寿命まで生きた場合でも、年金の受取総額は男性660万円、女性1020万円となり、保険料の支払い総額に対して男性の場合には490万円、女性の場合には388万円の損失が出ることになる。平均寿命まで生きても“損失”が出るのだ。平均寿命ということは、単純に考えれば半数は亡くなっているということだから、契約者の50%は儲けに与れないことになる。
男性の場合、保険料の支払い総額を年金の受取総額が上回り、儲けが出始めるのは89歳(受取総額1200万円)、女性は93歳(1440万円)という高齢になってからとなる。日生の説明書では、99歳まで生きて年金を受け取り続ければその総額は1800万円になり、男性は650万円の利益、女性は392万円の利益が出ることになると高らかにPRしている。
しかし、支払った保険料を取り戻すためには男性は平均寿命より9年、女性は7年も長生きしなければならないのだ。ここまでくると、保険というよりはサバイバル・ゲームのようなものだろう。よほど長寿の家系で健康に自信がなければ、この自らの寿命を賭けたギャンブルのような保険に加入しようとはならないのではないか。
■「5年保証期間付」の意味
さらに、この保険がギャンブル的要素を強めているのが、死亡保険金と解約返戻金だ。まず5年保証期間付終身年金の「5年保証期間付」の部分だが、これは5年間分の年金の支払いは保証するという意味。モデルケースでは年間60万円の年金額なので、60万円×5年間=300万円が保証される。それ以降の年金受取期間(70歳以降)に亡くなった場合には、死亡保険金などの支払いは一切行われない。つまり、保証期間の300万円を5年間で受け取り、6年目の年金を受け取ることなく亡くなった場合には、男性は
・1150万円(保険料の総支払額)−300万円(受け取った年金額)=850万円の損失
となり、女性の場合には1108万円の損失となる。
もし、5年保証期間に死亡した場合には、保証期間の残存期間、つまり年金を受け取っていない期間の年金の現価に相当する金額を支払うとしている。この年金の現価は、生命保険が開示をしていない部分なので明確な基準はわからないが、相当額が減額される可能性が高い。
また、保険料を払い込んでいる期間(モデルケースでは50歳からの20年間)に亡くなる、もしくは契約を解除した場合には、払い込んだ金額の70%しか支払われない。30%は日生のタダ取りだ。
このように同保険は、契約者が自らの寿命を賭けて一か八かの勝負をするような保険であり、胴元となる日生がボロ儲けを狙っていると疑われてもおかしくない。日本銀行による低金利政策の影響で、生保も運用に苦慮しており、ついには人の寿命を使うという“仇花”のような商品を生み出してしまったのか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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