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5月11日、トヨタ自動車が発表した2017年3月期の連結業績予想(米国会計基準)は、営業利益が前年比40.4%減の1兆7000億円と減益となる見通しだ。前期よりも円高水準となった為替が収益を圧迫する。写真は豊田章男社長。都内で撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)
トヨタ営業益40%減予想、円高響く 社長「潮目変わった」
http://jp.reuters.com/article/toyota-idJPKCN0Y20G6
2016年 05月 11日 19:00 JST
[東京 11日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T)は11日、2017年3月期の連結営業利益(米国会計基準)は前年比40.4%減の1兆7000億円となる見通しだと発表した。前期よりも円高水準にある為替レートが収益を圧迫、東日本大震災やタイ洪水の影響があった2012年3月期以来5年ぶりの減益を見込んでいる。
会社予想はトムソン・ロイターのスターマイン調査によるアナリスト30人の予測平均値2兆7470億円を大きく下回る。
前提為替レートは1ドル105円、1ユーロ120円。前期に比べドルは15円、ユーロは13円円高になると予想しており、これらの為替変動が営業利益を9350億円押し下げる。売上高は前年比6.7%減の26兆5000億円を計画しており、減収減益が避けられない見通しだ。
会見した豊田章男社長は「今年に入って大きく潮目が変わった」と指摘。「これまでの数年間の決算は為替による追い風参考記録の部分が多かったが、その風がやんだことで自分たちの等身大の姿が見えてきた」と述べ、真の実力が試されるフェーズに入ってきたとの認識を示した。
このため、減益予想でも競争力強化に向けた開発・投資のブレーキは踏まず、今期の研究開発費は前年比2.3%増の1兆0800億円、設備投資は同4.4%増の1兆3500億円と、それぞれ前年よりも上積みする計画だ。
熊本地震による工場稼働停止の影響は現在精査中で、今回の予想には織り込んでいない。
伊地知隆彦副社長は、前提為替レートを1ドル105円と現在の水準よりもやや円高方向に設定したことに関して「保守的にやったわけではなく、(4月のレートを見て)機械的にやっている」と説明。円高対策については「特に秘策はない。当たり前のことをきちっとやっていくしかない」と語った。原価改善などは現時点でわかっているものしか織り込んでいないため「改善額の積み上げの余地は大きい」という。
ダイハツ工業(7262.T)と日野自動車(7205.T)、中国合弁会社を含む今期のグループ総販売台数は1015万台(前期1009万台)と微増を計画。地域別では日本は224万台(同205万台)、北米は285万台(同283万台)、欧州は92万台(同84万台)、アジアは141万台(同134万台)を見込んでいる。
伊地知副社長は「前期は台数を落としたが、そのほとんどはアジアや中近東など市場が大きく低迷している国・地域だ」と分析。そのうえで「今期は資源国・新興国も減少の幅が緩やかになったり、底打ちの兆しが見えてきている国もあるので、年度後半には大きく台数を伸ばすことができる」との見通しを示した。
2016年3月期は売上高が前年比4.3%増の28兆4031億円、営業利益は同3.8%増の2兆8539億円だった。新興国の景気低迷などを受け販売台数は減少したものの、円安や原価改善が収益を押し上げ、売上高は2期連続、営業利益は3期連続で過去最高となった。
(志田義寧 編集:吉瀬邦彦)
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