その三菱自動車だが、タイで生産される車種は世界各国に輸出され、年々拡大している。西欧諸国でも、ミラージュは「ベーシックカー」の地位を確立した。SUVのパジェロ・スポーツも、UTEのトライトンも好調で、昨今のモデルチェンジでますます商品力を高めた。「選択と集中」の車種展開が、功を奏している。

まるで日本国内の状況と雲泥の差だが、このような状況から、三菱自動車が消滅するとは考えられない。日本国内の状況だけを見ていると、真実が見えなくなる。この国は、今やガラパゴスの島々である。地球の中に、他の星があるのである。

問題になっている燃費にしても、政府がしっかりとしている国だと、路上でテストして計測し、メーカーはその数字をカタログに掲載している。日本の国土交通省が手抜きしていたとしか考えられない。当方はかつて国鉄とJRで働いていたが、当時の運輸省のピントはずれの指摘に振り回されて、嫌気が差したことを思い出した。運輸省、国土交通省は許認可を握っているから、メーカーを活かすも殺すも自由自在だ。

燃費燃費と、アホの一つ覚えのようにダマスゴミは報道しているが、自動車に取って重要なのは、燃費よりエンジンの低速トルクだ。この点で、三菱のエンジンはスズキやダイハツより優れている。マニュアルでもストールしにくい、粘り強さがあるエンジンの方が、ユーザーに優しいのだ。

また燃費燃費と言うけれど、経年変化によって悪化していく中、悪化の度合いが少ない自動車メーカーの製品の方がユーザーにはありがたい。新車の間は燃費がよいのは、当たり前で、何年も乗って燃費や性能の低下が少ないエンジンの方がいいのである。この点で言えば、スズキのエンジンは新車の間はいいものの、古くなると燃費は悪くなるわ、オイル消費が増えるわ、よいところがない。三菱の軽のエンジンは、この点でも優れていた。このあたりの評価をしないと、公平とは言えない。

自動車雑誌は新車のテストは行なうが、中古車については書きたがらない。そりゃそうだ。雑誌の広告に載るのは新車だからだ。新車における性能がモノをいうのだ。

だが、国民所得の激減で、新車を買えなくなっているのが現状の日本で、中古車になってから信頼性が高いか。走行性能の低下はないか。それらの情報を国民は必要としているのではないか。

これについてだが、三菱アイのガソリン車は既に生産を終了しており、発売当初の車は10年が経過するが、エンジンの耐久性が高く、よく走ると言う。燃費は、やはり他社の軽より落ちる。だが、それでも1ℓのガソリンで14km走るし、最近はガソリンも安いので、それほど問題はない。負け惜しみかも知れないが。
(註　これは、聞いた話です。このままずっと乗り続けると言っていました。)