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農林中央金庫の本店が入るビル。貸出金利0%での入札は、銀行界を騒然とさせた Photo:JIJI
ついに銀行界で貸出金利0%、もはや融資ではない
http://diamond.jp/articles/-/90831
2016年5月11日 週刊ダイヤモンド編集部
借りた金は金利を付けて返す。そんな常識が通用しない世界の幕開けを告げる“事件”が発生した。
それは、独立行政法人である石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の入札による資金調達で起きた。JOGMECは借入額5178億円、借入期間1年間の資金調達を入札で実施。4月13日にその結果が発表された。
応募総額は約2.8兆円、応札倍率は5.5倍となったが、驚くべきはその落札貸出金利だ。最高でも0.00001%、平均はなんと0.00000%(小数第6位以下切り捨て)だったのだ。
入札関係者によれば、落札したのは全4金融機関。そのうち上限金額で入札し、借入額の8割近くを落札したのが巨大機関投資家である農林中央金庫で、入札した貸出金利は0%だったという。
銀行界ではそもそも「貸出金利0%」を想定していないので、多くの銀行がシステム上対応できない。そのため、システム上の最低金利0.001%で入札したある銀行は、この想定外の金利水準に太刀打ちできなかったという。
一方、貸出金利0%を提示した農中などは、「手作業による入力で入札したのではないか」(入札参加銀行関係者)とみられている。
■マイナス金利よりはまし
“事件”の背景にあるのは、日本銀行が2月に導入したマイナス金利政策だ。銀行が日銀の当座預金に預ける資金のうち、一定水準以上の金額を対象に0.1%のマイナス金利を付け、日銀は事実上の手数料を銀行に課した。
これによって、「マイナス金利を課されるくらいなら、貸出金利0%の方がましだ」という行動原理が銀行に働いている。「もはやそれは融資ではなく、余った資金を保管する金庫預金代わり」(地方銀行幹部)という状況だ。
また、マイナス金利政策によって金利水準が全体的に押し下げられたため、貸出金利の基準である市場金利も下がった。その結果、契約上は貸出金利が0%になってしまう融資が出てきている。
そうした契約で、0.001%といったすずめの涙ほどでも貸出金利を払ってもらえるようにという交渉で、銀行界は今、貸出先との攻防を繰り広げているのだ。
ただ、相対取引ではなく、貸出金利の低い順に落札されていく入札は話が違ってくる。「今後の公共セクターによる資金調達の入札では、貸出金利0%がスタンダードになって、それで入札しないと落札できなくなってしまう」と、銀行界の嘆きは深い。
「銀行がマイナス金利で資金調達すれば、貸出金利が0%でも利ざやは抜ける」。マイナス金利政策の導入直後、メガバンクのある中堅幹部はそんな頭の体操を始めていたが、そうした奇妙な世界が現実味を帯び始めていると、多くの銀行関係者が警鐘を鳴らしている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)
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