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発表! ニッポンの「ウラ大金持ち」ランキング100 これが2016年版「高額納税者」番付だ ぜんぶ実名! 収入から金銭哲学まで
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48599
2016年05月11日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
富は資本家にどんどん集まり、庶民はより貧しくなる。トマ・ピケティが『21世紀の資本』で明らかにしたのは、行き過ぎた格差社会の現実だった。
だが、私たちは富裕層の実像をよく知らない。彼らは果たして批判されるだけの存在なのか。
■有名じゃないけど大金持ち
かつては「ペッパーランチ」で日本中を席巻し、最近では「いきなり!ステーキ」が絶好調のペッパーフードサービス社長の一瀬邦夫氏は、世間から成功者と見られてもおかしくない実業家だが、あくまでも謙虚だ。
「私は成功者じゃありませんよ。成功という言葉は好きだけど、自分自身には当てはまらない。まだまだだと思います。
そんな私も、若い頃は勘違いをしていたこともありました。27歳でコックとして独立し、9年で大きなビルを建てた。周囲からおだてられ、私自身もこれで将来は何とかなったと思いました。日銭が入ってきて、月100万円くらいは自由になったので、ゴルフや『男の遊び』もしました。
ところが、そんな中でも、従業員の離職が多かったんです。たとえ社長が幸せでも、従業員が幸せじゃなければ、当たり前の話ですが、彼らは辞めていく。私はそのことに気づいたんです」
一瀬氏は考えを改め、多店舗の経営に切り替えた。3店、4店と増やし、従業員の裁量を大きくした。すると——、
「従業員を大事にしすぎたんですね。彼らに辞められると店が回らなくなるから、物を言えなくなった。経営者が不在になって、会社は倒産寸前までいきました。
そこからまた考えて、従業員の幸せを大事にしつつも、リーダーシップを発揮するようになりました。50歳くらいの時の話です。
人間にとって、自分が幸せになることは大事。従業員もそうです。自分の幸せが何に由来するものなのか。他人に幸せを与えることに由来するというのが、原理原則です。相手の幸せを考えること。これが自分の幸せの元になるのです」
そんな一瀬氏の生活は、いたって質素だ。
「株式を上場すると、どのくらいのおカネが入ってくるか知っていますか? ゼロを数えきれないほどの金額が入ってくるんですよ。でも、僕はフェラーリもベンツも買わなかった。腕時計は買いましたがね。それも80万円程度。今も修理して使っています。
たしかに自社の株は持っていますが、これは自分のものであっても、会社のもの。株があるから、社長をやっていられるんだし、信頼も得ている。換金はできませんよ」
ユニクロの柳井正氏やソフトバンクの孫正義氏など、著書や講演によって経営哲学を開陳する、有名な企業経営者は数多くいる。しかし、目立って行動する大金持ちは、実は一握りにすぎない。
本誌は、上場企業の高額役員報酬の一覧表を入手した。これに加えて、有価証券報告書や各種の公開情報を精査し、独自取材で得た情報を勘案。上場企業の経営者の大半が保有している「資産管理会社」の実態も加味して、'16年度版「高額納税者」番付を作成した。
取材の結果、浮かび上がったのが、知られざる実業家たち、すなわち「ニッポンのウラ大金持ち」たちの存在だ。
ランキング1位に躍り出たキーエンス名誉会長の滝崎武光氏は、その筆頭だろう。兵庫県立尼崎工業高校を卒業後、2度の倒産を経て、キーエンスを創業。自動制御機器などの開発と製造販売で、同社を売上高3000億円超の東証一部上場企業に育て上げた。
まさに立志伝中の人物だが、メディアの取材に応じることはなく、「ウラ大金持ち」の代表格といえる。
彼ら一代で財を築いた実業家たちはどんな生活を送っているのか。その「金銭哲学」はどのようなものなのか。
ランキング10位に入ったエイチ・アイ・エス会長の澤田秀雄氏が取材に答えた。
「実は自分が今、いくら資産を持っているのかを把握していないんです。趣味で海外旅行には行きますが、普段は映画代や食事代、本のおカネがかかるくらいで、そんなにおカネを使うことはない。だから、必要じゃないんですよね。
ただ、とても良い物を見つけて欲しいと思ったときに、値段が高いからといって諦めずに済むのは、いいことだなと感じます。特段高いものを食べるわけではありませんが、おいしそうで健康的なものを、値段を気にせず食べられるのもいいですね。私にとって、お金持ちのメリットはその程度のものです」
澤田氏は旅行会社、エイチ・アイ・エスを創業し、後にエイチ・エス証券で金融業にも参入。'10年には赤字経営だったハウステンボスの社長に就任し、半年で黒字化に成功して、昨期は過去最高益を叩き出した。
そんな澤田氏は、最近の若者の多くが大きな夢を持たず、正社員になれればいい、といったレベルで足掻いていることに歯がゆい思いを抱いていると言う。
「若い子だったら、探せば職はいくらでもある。実際、ウチも若い子が欲しい。大切なのは夢を持つこと。夢や志を持てば、それに向かって人生は少しずつ動き出すものです。
夢がなければ、人生はそこで止まる。厳しい時代だということは理解していますが、それでもチャンスはいくらでもある。みんなが気づいていないだけなんです。
この数十年で時代はどんどん移り変わっています。時代が変わると、既得権益も変わっていって、一夜にして巨万の富を得られる面白い時代でもあるんですけどね」
事業で成功するコツとは何か。澤田氏の答えはシンプルだ。
成功するまで、挑戦し続ければいい——。
「成功者と失敗者にさほどの違いはありません。人はなぜ失敗するのか。それは失敗して落ち込んで、挑戦することを止めるから。失敗は悪いことではないんです。失敗を踏まえて、どこに問題があったのかを考えて、改善すればいい。たとえ2回失敗しても、3回目に成功すれば——その人は成功者です」
■あのライザップの社長が登場!
澤田氏の言葉通り、幾度の失敗を乗り越えて、成功を収めたウラ金持ちがいる。ランキング25位の健康コーポレーション社長、瀬戸健氏だ。
ダイエット食品販売から始め、最近ではAKB48の峯岸みなみや経済評論家の森永卓郎氏が肉体改造に成功したCMが印象的な、『ライザップ』で大きく当てた。
「私は24歳のときに起業しました。最初は大豆の濃縮サプリを販売していたのですが、全然売れなかった。オマケにつけていたおからのクッキーの評判が良く、それを商品化したところ、サプリよりも売れました。それでも毎月100万円の赤字に苦しんでいました。
そんなとき、おからのクッキーをダイエットのために食べているという話をお客さまから聞いて、『豆乳クッキーダイエット』を売り出したら、これが大当たりしました。創業して4年後には売上高約100億円に。'06年に上場して、当時は20代経営者の上場として話題にもなりました」
しかし、好業績は長続きしなかった。豆乳クッキーの売り上げは2年間で10分の1となり、ジェットコースターのように業績は急降下する。
「周りの人が手のひらを返したように冷たくなりました。それまではどんどん貸してくれた金融機関も融資してくれなくなった。当時は会社を潰さないために必死でした。
そんなとき、グループ入りしてくれた美顔器メーカーの商品が売れて、助けられました。私はダイエットや美容を通じて健康について猛勉強をしてきたのですが、本格的にこれに取り組もうと、パーソナルトレーニングジム、ライザップをオープンしたんです」
■カネ儲けよりプロセスを楽しむ
現在、ライザップは会員数3万人、売上高100億円を超え、さらに成長を続けている。瀬戸氏もやはりおカネが目的ではないと言う。
「死んだら墓場まで持っていけるわけでもなし、おカネを持っているから幸せということではありませんよね。でも今の世の中は、おカネを持っていると幸せになれるという、資本主義的な思考が多い。私は、それは誤解だと思いますね。
幸せの本質は、プロセスだと思うんです。山登りだって、頂上に登ることだけが目的ではないですよね。頂上までの過程に楽しみと幸せがあるから、人は山に登る。ビジネスもおカネ儲けが目的ではありません。そのプロセスが楽しいから、挑戦できるんです」
成功者とは、永遠の挑戦者である。たとえ、上場して億万長者になったとしても、そこで歩みを止めることはない。
アパホテルなどを展開するアパグループ代表で、ランキング4位の元谷外志雄氏は、「新都市型ホテル」を提唱して、業績を急拡大させた。
「1%の富裕層が世界の半分の富を占める時代と言われていますが、それは強い者が勝ち、弱い者が負けるという原理が推し進められた結果だと考えています。かつては市場が細分化されていて、地方には地方の優良企業があり、それぞれが生き残っていられました。
しかし、今はIT時代に突入し、情報は一瞬で世界中を駆け巡り、それに伴って物流も発達しました。市場はローカルだけに留まらず、日本全体、いや世界全体に広がりました。その結果、強い者が圧倒的に勝つ。
だからと言って諦める必要はありません。新しいビジネススタンダードを自分で作ればいいのです。これまでの人がやっていなかったことに目を向ける。まだまだ勝ち目は残っています。たとえば、うちのように」
■アパホテル元谷氏の仕事論
観光地のホテルは週末こそ観光客で賑わうが、平日は閑散とする。一方、ビジネスホテルは平日に客が増えるものの、休日は稼働率が下がる。ならば、平日はビジネスマンが、休日は観光客が泊まれる新しいホテルを作ればいいと考えた。
それまで誰も実現できなかったビジネススタンダードにたどり着き、それが評価されれば、世界を席巻することは可能だと、元谷氏は断言する。
そうして築いた資産は2200億円、年収は33億円に上ると、元谷氏はかつて本誌の取材に明かしている。では、一生かけても到底使い切れないほどの巨万の富についてどう考えているのか。
元谷氏が続ける。
「カネを儲けたいとか、会社の売り上げを伸ばしたいという理由で事業をしているわけではないんです。売り上げの最大化を求める企業は、いずれ破綻します。結果として売り上げが大きくなればいいとは思いますけど、私はそれを目標にして動いてはいない。
座右の銘は『仕事を遊びに遊びを仕事に』で、事業を通じて創造の歓びを楽しんでいます。考えてもみてください。地球の一角に、30年も50年も残るものを創り、それが人生の負担にはならず、収益につながっているんですよ。それは、とても心地よいことです」
おカネ儲けを目的にせずに成功した実業家は多い。飲食店やダーツバーなど、多業態の店舗を多数展開するダイヤモンドダイニング社長の松村厚久氏(ランキング95位)はこう語る。
「個人資産は会社の持ち株くらいしかありません。使うとすれば、洋服くらいですかね。好きな服が買えて、人が喜んでくれることができれば、おカネはそれほど欲しいとは思いません。『ZARA』のようなファストファッションから有名ブランドまで、オシャレな服は好んで着ます。数年前までは太っていたので服装にまったく気を使わなかったのですが、ダイエットをして痩せたので最近はオシャレをするのが楽しくなりました。
ただ、私は今、若年性パーキンソン病を患っているので、近い将来、iPS細胞を使って治せるようになるのを心待ちにしています」
■「海外逃税」は許されるか
そんな松村氏の目標は、売上高1000億円、「外食産業のグーグル」になることだという。
「グーグルは次々と技術革新をしながら、増収増益を続けています。そんな形で当社も成長を目指しています。これまで飲食とアミューズメント業が中心でしたが、たとえば一昨年からはウェディング事業にも進出し、業容を拡大しています。
事業を拡大しても、外食産業を中心に、上場企業としてコンプライアンスを守って、税金もきちんと納めて、堂々と『真ん中』を歩き続ける会社でありたいですね」
「真ん中」と松村氏が強調するのは理由がある。彼ら新しい大金持ちの中には、かつてのエスタブリッシュメントと異なり、賞賛と同じくらい、またはそれ以上の批判を浴びる人もいる。
批判の理由となるのは、折しも「パナマ文書」で世界的な関心を集めている「過度な節税」による蓄財だ。
国内の事業で稼ぎ出した富を税率の低い国に持ち出し、本来、自国で納めるべき税金を納めない——。それが合法な手段であったとしても、国内で納税している一般人にとっては、著しく「不誠実」な行為に映る。
実際、ランキング17位のセコム最高顧問、飯田亮氏は「タックスヘイブン」(租税回避地)にある法人を利用して、700億円相当のセコム株を間接的に管理し、税金対策をしていたのではないかと指摘されている。
さらに、同34位のニフコCEO、小笠原敏晶氏は'14年に、海外渡航中に手にした金融商品の運用益約10億円を申告しなかったと、東京国税局に指摘された。
同46位のドンキホーテHD最高顧問の安田隆夫氏は、自身の保有するドンキ株790万株をオランダにある資産管理会社に移したばかりだ。
手にした巨万の富をどう使うか、どのように社会に還元するか。そこに経営者たちの「価値観」と「人生哲学」が表れるのである。
本文で紹介した「ウラ大金持ち」の他にも、知られざる大富豪がまだまだいる。一覧表もじっくりとご覧いただきたい(*本記事をヤフー等の配信先でお読みの方はこちらで一覧表を見られます gendai.ismedia.jp/articles/-/48599?page=6)。
かつて、松下電器の松下幸之助や本田技研工業の本田宗一郎ら、偉大な経営者たちが戦後の日本経済を引っ張った。
今、低迷に悩む日本経済の復活は、今回登場した「ウラ大金持ち」たちのさらなる躍進にかかっているのかもしれない。
「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号より
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