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コンビニ弁当やファミレスは危険!病気リスク大、食事にはお金をかけないと人体に深刻な事態
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15034.html
2016.05.11 文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事 Business Journal
冒頭にあたり、このたびの九州、熊本・大分を中心とする地震によって被害を受けた皆様に、心からのお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々に哀悼の意を表し、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げます。
総務省は2016年3月の家計調査の結果を発表しました。それによりますと、2人以上の世帯における消費支出は、1世帯当たり30万889円ということです。これは、物価変動を除いた実質で、前年同月比5.3%の減少となります。市場予想では4.2%減だったのですが、それより大幅に落ち込んだといっていいでしょう。
そんななかで、家計にとっての食費の負担は増しています。同じ家計調査の結果では、勤労者世帯のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は23.9%で、明らかに上昇しています。
この背景には、日本銀行が2月に史上初めて導入した「マイナス金利」があります。これは、一般の銀行が持っている日銀当座預金の一部の金利をマイナスにするというものです。これまで、わずかとはいえ年0.1%の金利がついていた日銀当座預金ですが、逆に預けている側が年0.1%の金利を支払うことになったのです。
これは当然、銀行の収益を圧迫する要因となり、ひいては家計にも負担を与え、消費が伸びなくなるのは当然です。経済学者たちは、消費に影響が出て減少するのはもっと先と考えていたのかもしれませんが、庶民は意外なほど早い反応を示したのです。
マイナス金利がいつまで続くかわからないため、資産運用をあきらめて備えとしての「タンス預金」に替えたのです。現在の国内のタンス預金の残高は40兆円ほどと試算されています。それは使われるお金ではなく眠ったお金、むしろ“死んだお金”といってもいいのかもしれません。
政治も、そして経済までも信頼がおけなくなったと判断した一般庶民は、ひたすら消費を抑え、お金を自分の手元に置いておくという手段に出たわけです。結果的に財務省は、2016年度に印刷する1万円札を、前年度の1.17倍に相当する1億8000万枚(1兆8000億円分)とすることを決定しました。これが数年後にどのような結果をもたらすのかはわかりませんが、非常に憂慮すべき状況なのではないでしょうか。
筆者は以前から、「日本のエンゲル係数はもっと高くあってしかるべき」と主張してきましたが、今回のエンゲル係数の上昇は決して喜ばしいものではありません。逆に、消費そのものが縮小していくなかで、単純に割合としての食費の比率が上がっただけだからです。実質的な食生活のレベルが上がったということではないのです。
市場の傾向は明らかに「円高・株安」で、それに伴って輸入コストは上昇し人件費も増加となり、結果的に加工食品や外食は値上がりが続くと思われます。景気が回復しない以上、当然のことながら所得増も見込めません。企業側は原材料価格の上昇をそっくりそのまま販売価格に転嫁したいところでしょうが、それをすると購買力をそぎ落とすことになり、消費全体をいよいよ冷え込ませてしまうので実行できないというのが現状です。このような傾向が、そう簡単に改善されるとは考えにくいです。
■加工食品やファストフードを排除した食生活を
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
結果的に私たちの食生活がどのように変化するのかと考えると、端的に言って今まで以上に劣悪なものになるでしょう。上記のような悪循環にはまると、加工食品のメーカーや外食産業は、原材料コストをこれまで以上に落とすように動きます。品質を問うことなく、価格だけで原材料を選定することになります。
言うまでもありませんが、外国産の安いだけが取り得の食材が大量に使われることになります。TPPによって、そのような食材が容易に日本に入ってきます。TPP発効後の日本の食料自給率は、現在を大幅に下回り13%にまで落ち込むと予想されています。そして日本人の食卓は、今以上に加工食品があふれ返ることになるのです。食べ物の量的には、これまでとさしたる変化はないかもしれませんが、その内容は悪い方向へ劇的に変化するでしょう。
要するに、私たちの体が必要としている栄養素を、食べ物から摂り込むことができなくなるのです。その結果、疾病率は上がり、医療費も準じて上がっていくことになります。加えて高齢化です。今でも高齢者が使っている医療費は全体の55%を上回っています。それに拍車がかかることでしょう。
そんな事態に陥る前に私たちにできることは、食卓からできる限り工業製品的加工食品を排除することです。食品は、加工の段階で重要な栄養素が欠落していきます。ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、そして食物繊維など、私たちの体が常に必要としている栄養素が欠落した食べ物が、工業製品的加工食品です。カップラーメンやスナック菓子のほか、ファストフードやファミリーレストランなどで提供される食事やコンビニエンスストアの弁当は、まぎれもない工業製品的加工食品です。
私たちは、自分と家族を守るために、そのような工業製品的加工食品を排除した食生活を送るべきなのです。
経済に疎い筆者でも、円高がこれまで以上に進むだろうということくらいはわかります。マイナス金利政策自体に大きな問題があり、それを正当化しようとする理論の裏にはそれなりの後ろ暗い理由があるのかもしれません。奥の奥には国としての借金問題が横たわっており、いずれハイパーインフレが襲ってくるでしょう。それは、瀕死の状態の日本という国にとどめを刺すことになるのかもしれません。40兆円のタンス預金も、まったくと言っていいほど価値のないものになります。
何かに気づいた人から、食べ物に正当な金額を支払うようにしてください。どの食べ物に本当の意味でお金を払う価値があるのかを判断していただきたいと思います。食べ物は単なる消費ではなく、自分と家族への最も確実な投資であるということを肝に銘じてください。多くの人がそれを実行することによって、最悪のシナリオを書き換えることが可能になるかもしれません。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
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