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アベノミクスだけでは世代間格差を解消できない
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投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 10 日 14:03:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

アベノミクスだけでは世代間格差を解消できない
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shimasawamanabu/20160510-00057521/
2016年5月10日 12時0分配信 島澤諭 | エコノミスト


■安倍内閣の財政再建へのスタンス

2012年末に誕生した第二次安倍内閣は、財政再建に対して、金融抑圧を行ったうえで、インフレと経済成長促進による税収増にもっぱら依拠し、歳出削減や社会保障制度の抜本的な改革に関して後ろ向きである。

現時点では、日本銀行のサポートを得た金融抑圧は成功しており、大幅な税収増も実現し、安倍内閣の財政再建路線は順調なようにも思われるが、果たして今後もこのまま首尾よく現在の路線が続けていけるかは当然別問題である。むしろ、意図するにせよ意図せざるにせよ、太平洋戦争の終戦直後の日本が経験したように、黒田日銀がハンドリングを誤れば「突然の高インフレ」による実質的な政府債務の削減が実現してしまう可能性も否定できない。

■インフレ課税は反憲法的性格を持つ

「突然の高インフレによる実質的な政府債務削減」とは、政府が財政再建のための隠れた財源としてインフレ税収を活用することである。実際、このように巨額な政府債務残高の解消に際してインフレ税収を活用することは、世界の歴史を紐解いて見れば、これまでもしばしば行われてきた。しかし、インフレ税収を財政再建の資源として充当する行為は、所得税や消費税等他の税とは異なり、国民の代表により構成される国会での議決を経ないものであり、日本国憲法第83条を根拠とする財政民主主義や同84条に規定される租税法律主義に反する反憲法的な性格を有する。

■アベノミクスの世代間格差に対する効果分析

アベノミクスによるインフレと経済成長頼みの経済財政運営が、世代間格差、とりわけ若者世代にいかなる影響を与えるのかについて、隠れた歳入としてのインフレ税収を明示的に考慮した上で、シミュレーション分析を行ってみた結果、以下のことが判明した。

世代間格差是正という観点からは、デフレからインフレへの転換や経済成長の促進をもくろむアベノミクスは望ましい

世代間格差を解消するには、インフレと経済成長に頼るアベノミクスだけでは不十分である

世代間格差を解消するには、高齢世代に受益が大きく偏在している現在の財政・社会保障制度における受益負担構造の改革をあわせて実施する必要がある

■求められるエイジフリーの財政・社会保障制度への構造改革

今後も少子化、高齢化のいっそうの進展が見込まれる中、日本の経済・社会の持続可能性を危うくする世代間格差問題を解消するためには、インフレや経済成長で財政・社会保障制度改革の痛みを緩和しつつ、もっぱら高齢世代が給付を得、若者世代が負担する現在の財政・社会保障制度から、年齢を問わず負担できるものは負担し、困っている人は年齢を問わず必要な援助を受けられるエイジフリーの財政・社会保障制度へと転換していかなければならない。

■おわりに

世代間格差是正を阻むシルバーデモクラシーに対抗するため、大胆な選挙制度改革がいろいろ提案されているものの、もしシルバーデモクラシーが存在すれば高齢者に不利になる選挙制度改革は絶対に実現できないし、高齢者を不利に扱う選挙制度改革が高齢者の賛同を得て実現可能であればそもそもシルバーデモクラシーは存在せず、そうした選挙制度改革は不要と考えるべきである。
結局、あり得る選択肢は、高齢世代との協調が可能となるような社会保障制度改革案の提示することであろう。そのためには、社会保障制度の持続可能性リスクを国民の前に広く提示した上で、若い世代の生活を保障することがなによりもの安全保障である。そのために何ができるかを考えていく必要!最悪なのは不毛な世代間対立を引き起こすことであり、そうした事態を避けつつ世代間平等を追求することが重要である。

■完全な蛇足

政府の世代間格差是正策を見ると、どうも消費増税を行えば、格差が是正すると考えている節があるが、消費増税で是正される格差は実際には現在世代と将来世代の間の格差のみである。現在世代間つまり現在の若い世代と高齢世代の間の格差は拡大してしまう。

消費税増税を実施したとしても、財政・社会保障制度の改革は避けられない。

強い日本を取り戻すとか、若者が大事とか、国民の生活が第一とか仰るのであれば、政党・政治家の皆様方には、たとえそれがどんなに高齢者層に不人気であっても、逃げずに来るべき参院選の公約に掲げてもらいたいと心から切に願っております。「それでも政治家ですか!軟弱者!」と言われないように...。


島澤諭
エコノミスト
富山県魚津市生まれ。内閣府(旧経済企画庁)、大学教員等を経験。少子化、高齢化が経済・社会・政治に与える影響について研究しています。
 

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コメント
 
1. 2016年5月10日 19:51:18 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[1448]

>インフレ課税は反憲法的性格
>アベノミクスによるインフレと経済成長頼みの経済財政運営

またデフレに戻りつつあるのに、何を言っているのかねw

イヤなら円にしがみついてないで現物投資、海外資産、さらに起業でも振り向ければいいのだ

ま、日本の金持ちが、皆、そうしていれば、今頃、デフレにはなっていないが


>エイジフリーの財政・社会保障制度へと転換していかなければならない

結局、具体策は何もないらしいが

どうやら、こいつは、消費税増税で今の社会保障を維持し、

インフレ課税(資産課税)は逃れたいということらしいなw


2. 2016年5月10日 20:40:38 : 46au376vfM : ZYM7DDGC_rw[363]
若者たちがしっかり政治活動しないから、非正規採用が蔓延するのだ。

しっかり賃金がもらえるよう、非正規雇用は廃止する運動を起こそうでないか?

ブラック企業には、不買運動だ。

連合は腐った労働組合だから、あてにしてはいけない。

連合が体を張って、非正規雇用を反対派しなかった。

よく覚えておきなさい。

他人を宛にしてはいけません、自らが行動しないとこの社会は変わりません。

老人が甘い汁を吸っていると思うな!

老人は選挙に必ず行き、権利を行使しているのを忘れてはいけません。

それでも安倍は、社会厚生福利を削減しているのだ。

安倍・小泉の懐刀;竹中ケケ蔵は、国は老人の面倒見る必要ない!と言い出した。

国民主権を忘れ、国家が国を作っていると勘違いしている、馬鹿経済評論家だ。

竹中・安倍を首にするくらい運動してみろ!若者にも優しい社会ができるのだ。


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