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大地震が起きるたびに注目される地震保険。やはり加入しておくべきなのだろうか…
意外と知らない?地震保険の真実…敷地内の車やガレージがぺしゃんこになったら?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160508-00064968-playboyz-soci
週プレNEWS 5月8日(日)6時1分配信
熊本地震が発生して、改めて注目されている地震保険。実際に地震被害を受けた場合、どれくらいの保険金が、どのような方法で支払われるのか?など、意外と知られていないことも少なくない。
知識が乏しいままだと、もらえるはずのお金が受け取れなくなる…なんてことも起こりうるのだ。そこで、前編記事ではその最新事情と実態について損害保険に詳しい、さくら事務所のマネーコンサルタント・浅井理恵さんに伺ったが、この後編ではさらに具体的に被害に遭った際の重要なポイントを教えてもらおう。
−地震保険で保険金を受け取るためには家や家財の損害度合いを査定してもらわなければなりません。損害を査定する人はどんな人?
浅井 損保会社の調査担当社員や損害保険登録鑑定人と呼ばれる人たちです。地震の規模にもよりますが、連絡してから数日以内には来てくれます。損害保険登録鑑定人には1、2、3級のランクがあり、日本損害保険協会が実施する専門試験に合格することが必要です。
−鑑定人にはランクがある…。ではその違いで査定にブレが出たりは?
浅井 そうならないよう、鑑定人はどの保険会社、損保鑑定会社に所属していたとしても、全員共通のチェックシートを持ち、マニュアルに従って鑑定を行ないます。ただ、大規模災害になると一気に膨大な件数の査定処理を行なうため、特に初期段階では慌ただしい状況となります。
その中で鑑定人の見落としが出ないとも限らないので、損害状況の査定の際は任せきりにするのではなく、自分も一緒に被害状況を見て回ることが大切です。
―それでも鑑定結果に納得できない時はどうすれば?
浅井 その場合は、加入保険会社に連絡をして、被害状況の再査定を依頼することができます。さらに、再査定の結果にも納得がいかない場合は、日本損害保険協会のそんぽADRセンターに相談してください。過去の震災時には何度も再査定を繰り返して最初の査定が「一部損」から「半損」に変わった事例もあります。
−地震で被災したけど、保険金を請求し忘れて気がついたら1年が経過。それからでも請求できる?
浅井 できます。地震保険の保険金の請求期限は被災時から3年ですから。1年以上経って、家をリフォームする際に業者から指摘をされて保険金を請求したら「一部損」に認定されたという実例もあります。
自分では大したことないと思っても、鑑定人に見てもらったら損害認定されたという実例は他にもありますので、壁の亀裂や柱の傾きなど少しでも損害のある箇所を発見したら、すみやかに請求手続きをすることをオススメします。
―では、ここからは以下のケースが地震保険の補償の対象になるかどうかをお聞きします。
【ケース1】地震の発生日から1ヵ月後になって家の壁に大きな亀裂が入った…。
浅井 これは補償の対象外ですね。地震保険は地震発生日から10日以上経過した後に生じた損害については地震との因果関係が希薄になるため補償してくれません。
【ケース2】家の敷地内にある塀やガレージがほぼ全壊してしまった…。
浅井 これも対象外です。地震保険の対象は建物の主要構造部の損害ですが、塀やガレーは建物付属物といわれ、それ単独での損害に保険金は出ません。
【ケース3】事務所兼自宅が完全に倒壊した…。
浅井 100%の保険金が支払われます。地震保険は自宅用の他、居住部分と事業用部分がある店舗併用住宅についても保証の範囲内。ただ、住居として使用されない工場、店舗、事務所専用の建物は対象外となり地震保険はかけられません。
【ケース4】地震による土砂崩れで車がぺしゃんこに…。
浅井 車は地震保険の対象となる『家財』とは認められないのでこれも範囲外。自動車保険の車両保険や地震関連の特約でカバーするしかありません。
【ケース5】50万円のダイヤの指輪が避難所に行っている間に盗まれた…。
浅井 地震などの際の紛失、盗難は地震保険の補償対象外です。ちなみに、ダイヤの指輪が地震で壊れても同じ。1個または1組30万円を超える貴金属、宝石、骨董品は地震保険ではカバーしてくれないんです。また、腕時計の場合はダイヤなどで装飾されている場合は貴金属・宝石の部類になり、地震保険の対象外。ただ、100万円のロレックスでもそういった装飾がなければ家財(補償の範囲内)の扱いとなります。
―うーん…補償の範囲がそう広くはなかった地震保険。ここまでいろいろと教えていただきましたが、結局、入っておいたほうがよいのでしょうか?
浅井 最初にお話しましたが、地震保険の保険金は、家の建替え費用や家財の買い替え(修理)費用ではなく、被災後の当面の生活を支える経済的な備えと捉えるべき。万一のことを考えれば、入っておくに越したことはありません。
今年4月1日からは、大規模災害に被災された人を対象に、被災時点で残っている住宅ローンを免除、減額する国の支援制度も始まりました。この制度を使えば、手元に財産の一部を残しながら住宅ローンの債務整理をしてもらえるので、今までの住宅ローンはなくなり、新たなローンを組むことができます。
破産手続きと似たようなものですが、この制度においては債務整理をしても個人信用情報として登録されないため、その後の新たな借り入れにも影響が及びません。地震保険にプラスして、こうした公的支援制度を活用すれば、被災後の経済的な不安は随分解消されるはずですよ。
■PROFILE 浅井理恵(あさい・りえ)
さくら事務所所属。マネーコンサルタント、ファイナンシャルプランナーとして、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」「将来の夢資金」の構築をアドバイス。生命保険・損害保険を活用し、お金に関する悩みを解決するプロフェッショナル。主な所持資格は、AFP、住宅ローンアドバイザー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
(取材・文/週プレNEWS編集部)
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