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「すしざんまい 公式サイト」より
すしざんまい社長は超人!ソマリア海賊撲滅、パイロット諦め司法試験、電話帳暗記、事業90種
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15007.html
2016.05.07 文=編集部 Business Journal
今年1月、寿司チェーン・すしざんまいを運営する喜代村の木村清社長が「アフリカのソマリアで、海賊たちを漁師にして海賊被害をゼロにした」という話題がインターネット上を駆けめぐった。
木村社長は自らCMに出演しているため、何かと注目されやすい人物ではある。当初、ネット上では「さすが!」「かっこいい!」「海賊王だ!」と大絶賛する声が相次いだ。しかし、数日後にはノンフィクション作家の高野秀行氏が「そんなわけがない」とブログで一蹴、「事実はどっちだ?」とネット上で混乱する人が続出した。
ソマリア沖は海賊が多く出没する危険な海域だが、キハダマグロの良い漁場でもあった。そこで、木村社長が海賊たちに会いに行って話をした。彼らに漁師になるように説得し、船4隻を与え、マグロ漁の技術を教え、マグロを獲った後に入れておく冷凍倉庫も使えるようにしたという。
また、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)への加盟をソマリア政府に働きかけ、販売ルートを確保。こうして、2012年頃から同海域での海賊被害はゼロになり、木村社長はジブチ政府から勲章までもらった――これが、木村社長が自ら語った逸話である。
もともと、木村社長は太っ腹な人物で有名だが、その豪快さはどこからくるのだろうか。“マグロ大王”とも呼ばれる木村社長の伝説やエピソードの数々を見てみよう。
■13年の初競りで、大間産の本マグロを1億5540万円で落札!
本人は、「どんどん値が上がっていって、競りを止めるわけにもいかなかった」と語っているが、この初競りは、11年3月の東日本大震災以降止まっていた青森県大間町産のマグロ漁再開を祝う意味もあったといわれている。
最後まで競り合っていたライバルは香港資本で、「ようやく初競りに出た大間産のマグロ。記念すべき初競りで、外国資本に持っていかれるわけにはいかなかった」という男の意地が垣間見える。
落札されたマグロは、換算すると1貫4〜5万円はするはずだが、実際には最高級の大トロでも1貫418円だったという。まさに太っ腹だ。
■移転する新市場に「年間420万人来場」の超目玉施設建設を計画!
すしざんまいは、築地から豊洲に移転する新市場に大型観光施設「千客万来」を建設する予定だった。
まず、運営元の喜代村が飲食店や専門店街、温浴施設などを備えた床面積約1万7000平方メートルを整備。一方、大和ハウス工業が伝統工芸の体験施設、温浴などを備えた施設を整備する計画があった。それに伴い、都から土地を年1億3672万円、30年間の定期借地契約で借りる予定だったのだ。
しかし、両社は東京都と条件面が折り合わず、基本協定書を締結していなかったため、施設建設の計画は白紙に。「年間420万人来場」の夢は泡と消えた。魚介類や飲食店経営に精通し、豪快な木村社長の手によるものでなければ、「千客万来」の建設・運営は無理な話だろう。
■築地を元気にするために寿司店を開店。年中無休・24時間営業は日本初だった!
現在は外国人観光客で賑わう「世界の築地」だが、01年頃まで、築地場外は年間来客数150万人を切るなど深刻な状況だった。「築地を元気にしてくれ」と相談を受けた木村社長は、日本初の年中無休・24時間営業の寿司店「すしざんまい本店」を開業。
当初はトラック運転手などの来店を見込んでいたが、当てが外れて素通りされてしまう。そこで、銀座のママ3人ほどに「アフターで客を連れてきてほしい」と連絡すると、大勢の客を連れて来店。評判が瞬く間に広まって大繁盛し、35坪・40数席の店で年間売り上げ10億円を誇るまでになった。
ほかにも、木村社長の豪快伝説は枚挙にいとまがない。
「過去には『弁当』『カラオケボックス』『レンタルビデオ』など、約90種類のビジネスを手がけていた」
「中学卒業後は航空自衛隊第4術科学校生徒隊に入隊、F104のパイロットを目指していた。大検に合格して航空操縦学生になるための資格を取得。事故で目を患ったことでパイロットを断念し、退官。その後、挑戦した司法試験では択一式試験に合格するも、学費を捻出するために百科事典の訪問販売などのアルバイトに精を出しすぎて、断念した」
「文豪・ヘミングウェイが始めたカジキマグロ一本釣りの大会『ヘミングウェイカップ世界大会』(03年)で銀賞を獲得」
「電話帳や住所録は持たず、スケジュール帳も利用したことがなかったが、それは『電話番号や住所、名前はすべて記憶していたから』らしい。現在は秘書が管理しているが、若い頃はとてつもない記憶力を誇り、今も海外の全然知らない言語でも現地に3日もいれば会話できる」
「実家は貧しかったが、幼少の頃、祖母からもらったペットのうさぎを繁殖(餌は雑草で原価ゼロ)させ、売り歩いて家計の足しにした」
「キューバに行った際、政府関係のパーティーに招かれ、フィデル・カストロ前議長にもマグロの握りを振る舞った」
こんな波瀾万丈な人生を送るマグロ大王だが、冒頭の「海賊被害をゼロにした」という一件に関しては、賛否両論だ。しかし、いくら資本があり、国際情勢の知識や情報があり、動く気持ちがあったとしても、実際にここまで行動する人が何人いるだろうか。
とかく「危ない橋は渡らない」人間が多いなかで、企業のトップ自ら危険な海域に行き、海賊と直接話をするなど、かなり無茶ではあるが、かえって面白いではないか。偉そうに語るだけの経済人に、こんな行動が取れるだろうか。現代ではなかなか出会えない、無鉄砲な良い話だ。そう感じたからこそ、多くの人々は木村社長を「マグロ大王」と称えているのである。
(文=編集部)
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