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ユニクロの店舗
「高い」ユニクロ、強烈な客の拒否反応で「深刻な事態」…ブランドへの自信過剰がアダ
http://biz-journal.jp/2016/05/post_14987.html
2016.05.05 文=編集部 Business Journal
カジュアル衣料品店ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、値上げ戦略の失敗を認めた。16年8月期第2四半期(15年9月〜16年2月)の連結決算(米国会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前年同期比7%増の1兆116億円、純利益は同55%減の470億円だった。
国内ユニクロ事業は減収減益となった。暖冬と値上げで冬物衣料が苦戦し、値引き販売をしたため採算が悪化した。海外のユニクロ事業は台湾や香港、韓国が減益で、主力の米国では販売不振にあえいだ。売上の落ち込みを補うためバーゲンによる在庫処分を進めた結果、粗利益率が悪化。店舗閉店に伴う除去損、閉店損13億円もあって、赤字幅が拡大した。下期(16年3月〜8月)は店舗の減損40億円を見込むが、赤字幅は縮小するとしている。
大幅な減益になったことを受けて、16年8月期通期業績見通しを下方修正した。純利益は前期比45%減の600億円と従来予想を500億円下回る。2期ぶりの最終減益となる見込みだ。370円を予定していた年間配当は350円、15年8月期と同額とする。
4月8日の決算発表の席上、柳井氏は「会社が膨張しすぎた。業績は不合格だ。コスト構造を根幹から変える」と述べた。値上げの失敗を認め、ユニクロの成長力の源泉である割安感、お買い得感を取り戻すと宣言した。
■客数は2ケタ減
ユニクロは原料の高騰や為替変動などを理由に14年に平均5%、15年に同10%、冬物商品の値上げを実施した。昨年10月の決算説明会では「16年の春夏商品も多少、値段を上げざるを得ないと思う」と3年連続の値上げを示唆していた。しかし、消費者は値上げにはっきりと拒否反応を示し、客離れが加速した。
【国内ユニクロ事業、既存店売上の対前年同月比の推移(%)】
※以下、項目:15年9月、10月、11月、12月、16年1月、2月、3月
・売上高:2.6、5.5、▲8.9、▲11.9、14.6、1.2、▲ 0.3
・客数:▲4.2、▲3.6、▲12.9、▲14.6、8.0、▲1.8、▲8.6
・客単価:7.1、9.4、4.6、3.1、6.0、3.0、9.1
(▲は前年同月比マイナス)
上期(15年9月〜16年2月)の既存店客数は6.3%減った。冬物商品を平均10%値上げした11月は12.9%減、12月は14.6%減と2ケタの目減りとなった。客足が遠のき、既存店売上高は11月が8.9%減、12月は11.9%減と大きく落ち込んだ。
値上げで客数は減っても、客単価の上昇で既存店の売り上げはプラスを維持できると見込んでいたが、客離れはファストリの想定をはるかに超えるスピードで進んだ。
値上げ策は消費者に受け入れられなかったことになる。一転して、今年1月からシャツやジーンズなど定番商品を300円から1000円程度値下げした。このセールで1月の来客数は前年同月を上回ったが長続きせず、その後は前年割れが続く。
値上げ作戦は空振りに終わった。百貨店と総合スーパーが中心だった衣料品市場にSPA(製造小売り)モデルを持ち込み、ユニクロは低価格・高品質を武器に急成長してきたが、相次ぐ値上げでお得感がなくなり客離れが加速した。
「より深刻なのは、消費者の動向をファストリが鋭敏にキャッチできなくなったことだ。2年連続で値上げすれば客足が遠のくのは当然。ブランド力に安住してしまい、値上げによる落ち込みは軽微だと高をくくっていたのだろう。アパレルの勝ち組になったという自信過剰から、消費ニーズをとらえる感性が鈍ってきた。これは、数字の落ち込み以上に深刻な事態だ。暖冬のせいにしているが、長年ユニクロに慣れ親しんだ層が『安くない』と感じたことが、客離れを起こした最大の原因」(業界筋)
ファストリはユニクロを値下げ路線に戻し「お買い得感満載」を実現して、プライスリーダーとしての立場を取り戻すとしている。「コストの構造を根幹から変える」こととワンセットでなければ、販売が落ち込んでいるなかでの値下げ断行はいっそうの収益悪化を招くだけに終わる。
■好調なしまむらと無印
消費不振でも着実に業績を伸ばしている小売業は少なくない。ユニクロは客離れが進む一方、低価格を維持したしまむらの16年2月期の既存店客数は前期比3.4%増、売上高は4.7%増だった。独自ブランド商品を増やし割安路線を徹底させた結果、客数を上回る収入増につながった。しまむらの17年2月期は売上高が前期比5%増の5751億円、純利益は24%増の306億円と、4期ぶりに最高益を更新する見込みだ。
靴チェーンのエービーシー・マートの16年2月期の既存店売上高は前期比5.1%のプラス。インバウンド(訪日外国人)需要を取り込んだことから、客単価が2ケタの伸びを続けた。17年2月期の売上高は前期比2%増の2430億円、純利益は9%増の284億円。4期連続で過去最高を更新するとしている。都市部の店舗で女性向けスニーカーの販売が伸びている。
雑貨チェーン「無印良品」を運営する良品計画の16年2月期の既存店売上高は9.7%増と好調だった。17年2月期の売上高は前期比9%増の3365億円、純利益は12%増の243億円と、過去最高益を更新する予定だ。中国などアジア全体の伸びが業績を牽引する。
良品計画は値上げに頼らず、的確な新商品の投入で新たな需要を掘り起こしている。こうした好調組に対して、これまで小売業の“勝ち組”だったユニクロは値上げに依存してしまい、カジュアルからワンランク上のファッション衣料を目指したが、この路線が見事に失敗してしまった。
ユニクロの軌道修正は果たして成功するのか。二転三転する価格戦略が、経営を迷走させかねない。
(文=編集部)
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