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旭化成、新たな「杭打ちデータ不正」が発覚! 住民が独自調査のデータを突きつけると……全物件の再調査が必要か
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48543
2016年05月02日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
■住民の独自調査でわかった
昨年、全国のマンション住民を恐怖に陥れた旭化成の「傾きマンション」騒動勃発から約半年。
旭化成は過去約10年間に子会社の旭化成建材が杭打ちを担当した物件についての調査を進めてきたが、今年2月になって発表された報告書の調査結果は、「全3052物件中360件の施工データに流用があった」「施工データを取得・管理すること自体に注意を払っていなかった」という衝撃的なものだった。
事態を重く見た旭化成は浅野敏雄社長が引責辞任。4月1日から小堀秀毅・新社長のもとで出直しを図ろうとしているが、実はいまこの調査結果をめぐって新たな「重大問題」が浮上している。
旭化成の調査では「データ流用なし」と結論付けられたあるマンションで、住民たちが独自に改めて調査をしたところ、なんとデータの流用を発見。旭化成はその事実を把握していながら、いまだ公表していないのである(4月13日現在)。
問題のマンションは、東京・足立区の『ビジュー青井』。つくばエクスプレス青井駅から徒歩2分の好立地で、全47戸の5階建てマンションである。
売り主は大興ネクスタ。元請けは松尾建設で、杭施工を旭化成建材が請け負った。竣工は'07年である。
事の発端は昨年11月13日、マンションの管理組合理事会宛に、一枚の文書ファイルが添付されたメールが管理会社から届いたことにある。文書は、大興ネクスタの社長名で出されたもの。
前述したように昨秋から旭化成は杭打ち物件の調査を行っていたが、文書には『ビジュー青井』もその調査対象であった旨が記載されていた。同時に、「流用等は無」という調査報告が記されていたため、住民たちは驚いた。
管理組合の一人が言う。
「そもそも、この文書が届くまで、うちのマンションが調査対象になっていたこと自体を知らなかったからです。さらに調査結果についても詳しい説明がなく、ただ『流用なし』と結論付けられたので、不信感を持ったというのが率直な感想です」
旭化成による物件調査は、10月23日に国土交通大臣が指示したうえ、11月13日までに調査結果を報告するように求めたものである。
調査方法は、旭化成と元請け会社がともに各物件の施工データを確認し、データ不正の有無を調べるというもの。調査対象のマンションに対しては、売り主が管理組合に調査対象であることを連絡するようになっていた。
「それが管理会社を通じて、報告期限になってわれわれに知らせてきたのだから、なおさら不信感が強まりました。それできちんとした調査なのか不安になったので、松尾建設に住民向けの説明会などを要望しました。また、11月24日には国交省にも電話で相談し、施工会社にちゃんと説明をさせるように求めました。
しかし、事態がなかなか進展しないので、12月7日に改めて国交省へ相談をしたのですが、この対応がまたひどかった。
国交省の担当者は、『そんなに心配なら、管理組合で予算を使って杭を調査してみたらいいじゃないですか』『1本25万で調べられます。それで1~2本調査したら安心できるんじゃないですか』と、言ったのです」(前出・管理組合の一人)
不信と怒りを募らせるばかりの住民たちは、ついに自分たちで動き出す決意をする。昨年12月末にようやく松尾建設が出してきた杭の工事施工報告書をもとに、第三者の調査機関に改めてデータ流用についての調査を依頼したのである。
今年1月22日、管理組合に届いた調査結果は驚くべきものだった。それは、「根固め液注入量に不自然な同一数値がみられ、偽装が疑われる」というもの。根固め液とは、建物の基礎となる杭を地中に固定するためのものだが、その注入量でデータ不正があったというのだ。
住民側はこの結果をもとに、住民説明会へ弁護士などを同席させたいと売り主を通じて松尾建設に通告。すると突然、松尾建設の担当者はデータ不正があったと認めて、住民に謝罪をした——。
松尾建設で調査担当だった東京支店副支店長は、本誌の取材に「流用があった」ことを認めたうえで、これまでの経緯を次のように語った。
「最初に旭化成建材から調査依頼の書類が届いたのは昨年10月25日か26日。11月13日までに国交省へ結果を報告するため、11月9日までに調べてほしいという内容でした。調べるデータは旭化成建材に提供してもらい、2~3日かけて調べて流用なしと旭化成建材に報告しました。しかし、住民説明会を前に今年2月に改めて資料を見直すと、データ流用があったことに気が付きました」
■いまだに公表していない
松尾建設はその日のうちに旭化成建材に連絡し、翌日に同社に出向いたという。
「旭化成建材の担当の方と一緒に確認すると『これは流用ですね』と言って、驚いている様子でした。私が弊社から国交省に報告したほうがいいかと尋ねると、旭化成建材の担当者は『こちらでやる』と言っていました。
実際、旭化成建材に報告書を作成してもらい、それをこちらが確認しましたので、その方から国交省へ報告されているはずです」(前出・東京支店副支店長)
しかし、旭化成に問い合わせると、「個別の物件にかかわることなのでお答えできません」と言うだけ。現時点(4月13日現在)まで、旭化成は「新たなデータ不正があった」と公に発表もしていない。
『ビジュー青井』の住民の一人は言う。
「データ流用があった杭の真上にある部屋では、天井に亀裂が走ったり、部屋の角にひびが入ったりしている。杭との因果関係はわからないが、非常に不安です。旭化成も売り主も元請けも国も、信用できない。どうして住民がこんな目に遭わなければいけないのか」
4月5日、旭化成の小堀社長は参院国土交通委員会に出席し、「住民や関係者の皆さまに不安と迷惑をお掛けした」と述べた。ただし、『ビジュー青井』でいま起きていることについては一切触れなかった。
「公に謝罪を述べることで幕引きを図ろうとしているように映る」として、別の住民は言う。
「われわれのように、データ流用なしとされたほかの建物は大丈夫なのでしょうか。同じような調査不備があってもおかしくないのだから、旭化成が『不正なし』とした2692件はすべて調べ直したほうがいいのではないでしょうか。安全性に問題があって、『万が一』が起きてからでは遅い」
旭化成は住民たちの悲痛な叫びに、どう応えていくのだろうか。
「週刊現代」2016年4月30日号より
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