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御三家も業績悪化(相川社長・左上)/(C)日刊ゲンダイ
ご三家も業績悪化 自動車だけじゃない三菱ブランドの落日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180684
2016年5月1日 日刊ゲンダイ
三菱自動車の燃費不正で三菱ブランドは大きく傷ついた。2004年に発覚した三菱自のリコール隠しでは、ご三家(三菱重工、三菱商事、三菱東京UFJ銀行)が中心となって必死にブランドを守ったが、今回は様子が異なる。救いの手を差し伸べるグループ会社が見えてこないのだ。
「グループ首脳は、三菱自の変わらない隠蔽体質にあきれ返っています。でも、それだけではありません。ご三家はどこも業績悪化に苦しんでいます。本音では『救って欲しいのはこっちだよ』と思っているでしょう」(市場関係者)
三菱にはグループ各社の会長や社長が集う「金曜会」(月1回程度の開催)がある。29社が名を連ねるが、グループ首脳は「あくまで親睦が目的」という。しかし、市場関係者は“組織の三菱”を象徴する集まりだとみる。
「三菱自の04年リコール隠しでは、金曜会が重要な役割を果たし、ご三家を中心に約5400億円の支援が決まりました。ただ現在は、三菱重工が大型客船事業でつまずき、16年3月期に508億円の特別損失を計上した。三菱商事は資源ビジネスの失敗で最終赤字に転落です。そこに三菱自の燃費不正が追い打ちをかけた。三菱グループの苦戦が目立ちます」(株式評論家の倉多慎之助氏)
三菱東京UFJ銀行も、マイナス金利が経営を直撃している。“最強財閥”といわれる三菱に異変が起きているのだ。「三菱重工の売上高はグループで6番目です。トップはエネオスのJXホールディングス。ご三家の立場は微妙に変化しているかもしれません」(経済ジャーナリストの真保紀一郎氏)
■脱“保守的”が裏目に
2位以下は三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京海上ホールディングス、三菱電機と続く(別表参照)。
「三菱グループはかつて保守的といわれた。ところが、最近はかなりアグレッシブになっています。三菱重工は、小型旅客機MRJを手掛け、客船事業へも進出した。三菱商事の資源ビジネスの積極展開もそうでしょう。ただ、現状を見る限り積極策はうまくいっていません」(真保紀一郎氏)
三菱自の燃費不正を受け、市場からは「三菱ブランドの落日」という声すら聞こえてくる。次回の「金曜会」は5月13日の予定。スリーダイヤの正念場だ。
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