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アマゾンの倉庫(「Wikipedia」より/Asacyan)
アマゾン、なぜ衣料品PBを開発?ユニクロ、自社の「時代遅れ」気付き解体的改革始動
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14902.html
2016.04.28 文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授 Business Journal
eコマース企業の成功例として挙げられるアマゾン、楽天、スタートトゥデイは、すべて在庫ロスのリスクの小さいビジネスモデルを採用している。この事実は、販売機会ロス、値下げロス、廃棄ロスという3つの在庫ロスが発生しやすいタイプの商品を取り扱っている企業が、ネットというチャネルを付加することの難しさを示唆しているのではないだろうか。3つの在庫ロスを抱える既存のビジネスモデルを変えることなくネットというチャネルを付加することは、在庫リスクをかえって高めることにならないだろうか。
たとえば、カタログ通販の例をみてみよう。
カタログ通販は1980年代に大きく成長した。だが、91年のバブル崩壊後は衰退が続き、売り上げ上位を占めていた千趣会、ニッセン、セシールも業績停滞や悪化により、他企業に買収されたり、資本業務提携を結んだりする結果となっている。
カタログ販売の中核商品は衣料品だ。そして、90年代初め、ファストファッションやユニクロのような低価格帯アパレルの登場で大きな打撃を受けた。対策として、自分達も低価格帯商品を出さなければいけないと考えたが、商品企画からカタログができるまでは少なくとも8〜12カ月かかる。ZARAやH&Mのようなファストファッションのまねは到底できない。
そこでユニクロのマネはできるのではないかと考え、ある程度のSPA(製造小売業)化を進め、一定の品質の定番商品の低価格化は実現した。しかし、数カ月間同じ商品しか見せられないカタログという媒体は、常に新鮮なものを求める消費者の欲求には答えられなかった。また、めまぐるしく変化する環境(気候、世の中の雰囲気)の中では、需要予測がはずれることが多く、在庫ロスが発生する。
カタログ通販の問題は、基本的ビジネスモデルが時代の変化に合わなくなってきていることにあった。だが、衰退の原因は「カタログという紙媒体からデジタルメディアへの移行が遅れたから」と理由づけされた。
問題はメディア(チャネル)にあったわけではない。生鮮度が重要な商品カテゴリーを企画・販売するカタログ通販のビジネスプロセスが、世の中の変化のスピードにそぐわなくなってきたことが本当の要因だ。もともとのビジネスモデルに問題があるのだから、同じモデルでネット販売をしたからといって、根本的問題解決にはならない。結果、ネット販売に力を入れるほど全体の売り上げ、あるいは利益が下がっていく結果を招くこととなった。
■アマゾンがファッションのPBに進出?
その点、さすがユニクロを展開するファーストリテイリングは、自社の現在のビジネスモデルが時代にそぐわなくなってきたことを理解している。そのうえで、ネット販売を付加するのではなく、ビジネスモデルを変えるためにネット利用することを考えている。
ビッグデータの分析を通してグローバル市場のトレンドを的確にとらえた、シンプルで高品質な洋服を高スピードで開発し、しかも客が携帯端末を使って柄や素材、サイズなどから自分好みの組み合わせが選べる選択肢も提供する。すなわち、「定番の大量生産化ビジネスモデル+ファストファッションのビジネスモデル+個人に訴求するパーソナライゼーション=ユニクロ独自のビジネスモデル」とイメージしているようだ。
最後に、アマゾンの衣料品PB(プライベートブランド)について、最新ニュースを紹介したい。
キャッシュフローを重視するアマゾンは、当然のことながらキャッシュフローに悪影響を与える在庫の管理を重要視している。よって、これまで新鮮さをウリとする商品カテゴリーは不良在庫になる可能性が高いので、自らが在庫を持たなくてはいけないようなやり方はなるべく避けてきた。しかし最近、アマゾンがファッションでPBを開発するらしいと話題になっている。世界一の小売業を目指すアマゾンとしては、衣料品を手掛けないわけにはいかないのだろう。
もっとも、ファッションのPBではファストファッションのビジネスモデルを採用するようだから、やはり不良在庫を避けることにはこだわっているようだ。14年に独自開発のスマートフォン「Fire Phone」を発売して、8300万ドルの余剰在庫を出すという失敗も経験しているのだから、神経を使うのは当然といえる。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学客員教授)
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